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マリウポリの20日間

{シネマガイド}
ウクライナの南東部の港町、巨大製鉄所等のある工業拠点、マリウポリ。
ロシアの軍事侵攻により戦禍に晒された惨状をAP通信のウクライナジャーナリストが命がけで記録を続けたドキュメンタリー戦争映画である。

砲弾で家を壊された老女は息子を探して泣き叫ぶ。サッカーをしていて被弾した少年。
ロシアは、一般市民に向けて砲弾を撃つことはないと言っていたのに民家や
アパートに落下してあちこちで煙が立ち上っていた。
アパートの前を「z」とロシアの標章の文字のある戦車が2台横付けとなりバスを押しのけようとしていた。
取材班は、爆撃場面や被爆した死傷者を追いかけ隠れながらシャッターを押す。嘆き悲しみ怒る避難者の声を聞きながら戦場の凄まじい爆破音と硝煙の
中を写し撮る。
ロシアは、電気、ガス、水道のライフラインを寸断し、食糧の供給も断った。
最後には、電話、ラジオ、テレビと通信を遮断し知る手段コミュケーション
不在とした。
ついには、産科病院に砲弾が撃ち込まれた。血だらけとなった妊婦、出産したが親子とも被爆した死体等が病院の地下に運ばれていく。
病院での死者、路上で撃たれた死者など黒いビニール袋に入れられて運ばれ
畑に掘られた2メートルほどの深さの墓地に放り込まれて積み上がる。
取材班は、通信状況の良い場所を見つけて通信社に被弾した惨状の画像を送っていた。


ロシア側は、AP通信の画像は、ねつ造で妊婦は偽物だとツイートでポストした。
ついに、取材班にも危険が迫った。ウクライナの兵士数人が、取材班の救出に来た。市内から5キロほどの渋滞する道路を数カ所の関門をくぐり抜けてマウリポリから脱出した。
ロシアのマウリポリ軍事侵攻開始から壊滅までの20日間であった。
<マリウポリの20日間>
米アカデミ賞長編ドキュメンタリー賞受賞
ピューリッツアー賞公益部門受賞

映画の凄惨な場面を見ながら戦争を回避し、国民の命を守るべく統治者は
様々な条件の中で苦悩する。一方的に攻め込んできたら・・・・
2022年2月24日ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンは、ウクライナに対して事実上の宣戦布告を行ない、ロシアは、対ウクライナ侵攻を開始した。(ロシアはウクライナに宣戦布告せず特別軍事作戦と称して侵攻に踏み切り・・・)その裏に見えるものは?
○ウクライナのNATO加盟(NATOの東方拡大)
○同じルーツを持つ国(兄弟国、人口の2割がロシア人)
○武力による現状変更(実効支配の既成事実化)
○代理戦争(欧米の国々から武器、軍事物資援助、財政サポート等)


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