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14話: 吃音中高生の支援その3/ 岡山NHKに映った吃音女子高校生の支援

こんにちわ。ニッチな吃音の話題ばかり伝える医師の菊池です。

3/4に岡山のNHKで吃音女子高校生が卒業する話がニュースで流れました。1番驚いたのは、あんなに吃音を隠す、話すのを隠す、としていた高校生が、マスクをしているにせよ、顔出しで取材に応じていることである。

吃音の克服、という言葉に違和感を感じる人は多いかとは思いますが、私は
二次障害の社交不安症の克服
というタイトルの方が適しているとは思います。

吃音の二次障害、社交不安症に陥って不登校の子、学校に行くのが怖くてたまらない生徒をたくさん出会ってきました。

その悪循環を脱却する一つの手としては、少人数の高校に入学することだと思います。
番組の吃音のアドバイスの良し悪しの意見はあるとは思いますが、結果OKだったと思います。

あと、話している間に、不自然な間があると思います。それが、難発の吃音で、できるだけ不自然に思われない、連発の吃音にならないように工夫をされています。

動画で見れますので、良かったらどうぞ↓↓


「きつ音」克服できた理由は
03月04日 17時23分

会話や発表の際にことばが滑らかに出ない「きつ音」。
からかわれたり、いじめられたりすることで話すことが怖くなり、人との関わりを断ってしまう例も少なくないなか、高校生活できつ音を克服した生徒が今月、卒業を迎えました。

高梁市の山あいにある宇治高校の卒業生の1人、見尾緩菜さんは話し始めるまで時間がかかったり言葉が詰まったりする「きつ音」に幼いころから悩んできました。
自分が思ってることをスラスラと言えず、自分の意思と関係なく言葉が出なくなってしまうことがつらかったといいます。
見尾さんは、「小学6年生ぐらいからクラスの人に迷惑をかけてしまっている気持ちが大きくなっていって、自分が話さないほうがみんな迷惑しない」と考え、話したいという気持ちがあっても話すことを「封印」してしまったと苦しかった胸の内を明かしてくれました。
中学校に進学するころには休み時間に1人で本を読んだり、絵を描いたりして過ごすことが多くなりましたが、「一人一人を大切にする学校」がモットーの宇治高校への進学が大きな転機になりました。

宇治高校は、1学年7人しかいない定時制の小規模校で、見尾さんの入学当初、どうしたら話しやすくなるのかとクラスみんなで「環境づくり」に取り組みました。
クラスには見尾さんと同じきつ音のある生徒がいますが、言葉に詰まっても、うなずきながら待ちます。
そして、発表が終わると両手で「いいね」とサインを出します。
「ゆっくり、じっくり、何度でも」。
自信をもって話せる雰囲気を作っていきました。
さらにひと言目がなかなか出てこない見尾さんの背中を押そうと、クラスメートが「せーの」と合図を出し、話し始めの「きっかけ」を作ることを考えました。
見尾さんは「発表する前に話し出すタイミングをつかむためにクラスメートが小さな声で『せーの』と言ってくれました。自分から言わなくてもフォローをしてくれてうれしかったです」と感謝していました。

こうした支援でタイミングを合わせて、うまく話し出せるようになった見尾さん。
ただ、苦手な発音や話しにくい言葉を克服する課題が残りました。
そこで、先生が出してくれたアイデアが「言いかえ」でした。
言いにくい言葉を別の言葉に変換する方法です。
担任の久米託矢教諭は「『あ』とか『お』とかの母音がいいにくいとか、濁点が言いにくいとか、そういったことが分かるようになりました。『お世話になった』という言葉が言いにくかったら、『サポートしてくれた』にかえたりとか、わざわざその言葉を言わなくてもいいように見尾さんにあった方法を考えていきました」と話していました。
見尾さんは、先生やクラスメートの支援を受けながら、3年生になるころには、うまく話せるようになり、気持ちも前向きになっていきました。
見尾さんは「自分からほかの人と話したいと思うようになったし、学校がすごく楽しくなりました。自分がきつ音でも本当の自分を見てもらおうと思うようになりました」と話していました。

そして迎えた卒業の日。
見尾さんは3年間学んだ思い出の教室で感謝の気持ちを伝えました。
「みんなにとっては普通かもしれないですが、自分にとっては、みんなと普通に話ができることは中学校ではなかった光景でした。私が宇治高校に来て一番かなえたかった夢でした。私にたくさん話しかけてくれてありがとう」。
きつ音を克服した見尾さんは、1人でも多くの人にきつ音への理解を深めてもらいたいと考えています。

取材の最後に、見尾さんは、「きつ音症への支援で一番必要だと思うのは、障害について周りの人に知ってもらうこと、そして本人が安心することが一番大切だと思います。普通の人と違って言葉が言いにくいですが、きつ音症の人も普通の人と一緒で、話したい気持ちは変わらないよということを伝えたいです」と話してくれました。


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