smashing! うみのはて こころえがき・後
上手くいかない事なんてこの世には掃いて捨てるほどある。理不尽な理由でバイトをクビになり少々自暴自棄になっていた羽海野真弓は、上着のポケットに乱雑に突っ込んでいた煙草を咥え、薄暗い路地にしゃがんでライターで火を付ける。深く吸い込まず碌に味わいもしない煙草は当然煙臭いだけで、苦く舌をひりつかせる味は正直不快だった。
高校もあと1年足らず。同じ授業を受け同じ方向を向き、同じ「輪」の感覚を共有するのが当たり前だと皆が疑わない世界。何かが決定的に自分とは違う。羽海野はどうしても受け入