ちょうど夕方の診療が終わった時間。マスターご苦労さんだなありがとう呑んでくか！喜多村くんはあれだなこっちの話聞かない。こんな感じでいつも院長の話も聞かずにいきなり襲ってヒイヒイ言わせてんだなヒイヒイ。マスターまた妄想してんな何呑む？てか院長は？鬼丸は商店街の面々にお呼ばれだ（続）

客はいても常連ばかりで暇だから早速サンドウィッチ作ってデリバリー。今日はいい生ハムがあるからバジルとタルタルソース、あとはレタスにタマゴサラダ。店番まかしとけって誰かがゆってるありがとう。リイコくんの後ろ付いてく感じで院長んちまでデリバリー。雨でもアーケード抜けたら院長んち（続）

犬型て。いや実際そんな感じだからさ仕方ない。ヒトの言葉を理解してるとしか思えないとこあるし、吠えない媚びない日和らない…そんな孤高なリイコくん嫌いじゃないけど。そんで店に入ってこようとしないとこも犬じゃないよね。首に付いてたメモにはサンドウィッチのオーダーが。アナログすぎる（続）

夕方。急な雨が降ってきた。そういう時はウチの店は結構混むんだけど、平日のせいもあってかいつも通り。八百屋の大将と精肉店の若旦那、町内会長やなんかが静かにコーヒー飲ん…静かではないけど。深煎りのを淹れながら窓の外を眺めてると、明らかに人外、犬型のリイコくんがお遣いにやってきた（続）

いま目に映るものが全部本物なら、俺の世界は捨てたもんじゃない、そう思うんよ。何も疑わなくていい、そんな簡単なことが叶う。ウミノ湯に向かう皆の後ろ姿。これが一番幸せってことなのね、設楽とハルちゃんが俺を気遣ってか側にやってきて手を引いてくれて。ああわかった、これは全てなんだね（了）

俺の好きそうな広いローソファーも、何でだか二人とお揃いの茶碗も、きっと俺のために設られたもの。この空間に招いてくれているっていう場所は、何より心地いいんだ。ってことは設楽もハルちゃんも開けてくれてるんね俺の居場所。いえ伊達さんがオレらの居場所です、設楽のそれがきっと答えよね（続）

気に入るとか、気にしないとか、何でもかんでも「気」で片付けちゃって、そんでもって気のせいで終わらす。そん中でもほんとのはちゃんと残る、残ったやつは、気のせいなんかじゃないんだよ。ひょっとして千弦はわかってやってんのかな、そうだとしたら、俺はそう、気付かないふりをしてやるんだ（続）

何も気にしない子含む面々+ワンコで商店街に繰り出して、写真撮られたり試食貰ったり。でもね一番ウケてたのは犬のリイコの半被姿だよ最強ね！雅宗先輩俺らも最強だぞ！千弦の言うことは昔から説得力の塊だからねえ、そっかあって納得しちゃう。どんな形でもノーカン、皆が気にいればそれでいい（続）

このメンツなら誰も気にしないぞ！力強いな千弦、なんでそんな自信満々なんよ、いつもこんな感じだからな、佐久間お前忍耐強いのもいいけどコレはどうなのよ。千弦はなにもきにしないから俺もそうなってきた、って。あー朱に交われば穴二つ…伊達さん穴は一つで、設楽のツッコミはどっかズレてる（続）

とりあえず来週の予定に組み込んで、ハルちゃんが満足するまで撮ってもらったし。今から皆でウミノ湯行こう！それはいい考えですね予行演習にもなりますし、ハルちゃんも大喜び。なんたって大勢で半被姿で商店街に繰り出すんだもんね、注目の的ね、まだ祭りじゃないのに浮かれてるヒトたちねうん（続）

お神輿大丈夫ですかね丈的に、設楽さいま俺の事チビ思ったよね、いえ妖精さんサイズかと。まあまあ二人とも大丈夫だぞガチのやつじゃないからな、何で楽しそうなのよ千弦は！肩にタコ出来る系だと無理だから正直助かるけど、子供神輿だとアレかな、雅宗先輩は心配性だな！ウン心配いうか疑心暗鬼（続）

お祭りに半被や浴衣着て商店街行くと商品券とか貰えるんだぞ！お得な情報は活かしていかないと。じゃあ月末にまた皆でここ来ようかね、全員が頷く、その様子がすげえ面白くて笑ってたら、雅宗先輩がお神輿を担がせてもらえるように頼んだぞ！千弦の一言に、えさっきの携帯のやりとりそれだったの（続）