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佐久間イヌネコ病院 luv.23 ウミノ湯のいま

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連日俺たちの(惚気)話ですが
大丈夫かなついてきてくれてますか?


「…どこに向けて話してるんだリウは」
「UFOじゃね?あ、ていうかマミたま旨い、これは何?」
「ボボティー。ひき肉にスパイスと卵かけてグリルで…」

早朝から喜多村が朝湯に訪れ、早めの昼食をウミノ湯の食堂で食べることに。新メニューの「南アフリカ料理」に興味津々なのだ。
九十九が「お風呂屋さん」に転職して半月。時折大学に残務に行ったりはするが、ほとんどウミノ湯に常駐できるようになった。営業の合間には隣の駄菓子屋で店番。くじ引き用に、駄菓子屋の店主である羽海野の父と、クリスマス用のアドベントカレンダー式くじを組むのに忙しくしている。そんな九十九は朝から大学まで所用で出かけ、速攻戻ってきたばかり。

そろそろ鬼丸も召喚しないとバチが当たるな。喜多村は佐久間にメッセージを入れ、昼間から呑みに入る態勢に。そろそろ朝風呂終わるから閉めないと。羽海野が席を立つと、スーツからジャージに着替え終わった九十九が食堂へやってきた。

「お疲れさん。夕方は番台俺入るから、リウも呑みな」
「え♡いいのか」
「リウ先生座って座って。鬼丸もうすぐ来るから」

それからざっと数分後、羽海野がデッキブラシ片手に慌てて走ってくるとほぼ同時に、九十九はあっさり撃沈した。

「…リウ、酒弱かったん忘れてたわ…」

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佐久間も到着し、幸せそうに横たわった九十九と料理を肴にプチ酒盛りが始まる。羽海野の横にはお腹丸出しで爆睡する姿。
これからはその体に気遣ってやんないといけない。よかった腹は出てないな。なんだか面倒臭いことになった。だけどもう、安否を気遣う必要がない。いま九十九は側にいて、こうして面倒臭い奴だとボヤかせてくれる。「無事であることを願う」必要はなくなった。

これ以上の幸せはない。なら、これから作んないとな。



/九十九龍一
 羽海野真弓
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佐久間イヌネコ病院
明日はハロウィンですね
診察にいらした患畜さんに
オヤツのプレゼントあり
その子に合わせて
健康面に配慮しておりますので
ご安心ください(院長)



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