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佐久間イヌネコ病院 luv.21 裸族の朝

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自撮りの背後に全裸で映り込む案件について。

「どういうことなんですか」
「えだってお前があんなとこで自撮りしてるなんて」

知らなかったし。あさっての方向を向いてお菓子を食べている伊達。大体その菓子どっから出した。あ、それ俺のドンタコースだな。設楽は雲母に頼まれ「今日の設楽コーデ」を自撮りし送る。ほぼ毎日の日課になっているのだが、今朝その事件は起こった。

いつものように身支度を整えた設楽は、これまたいつものようにリビングで自撮り(明るいし照明いらないから)。すると後方を鼻歌混じりで通り過ぎた我らがモノノフ・伊達雅宗。彼の日課である朝シャワーを済ませ、朝ごはんを食べに戻ってきたらしい。真っ裸で。

「雲母さんに送るやつに映り込んじゃったじゃないですか。まあそのまま送ったけど」
「ハルちゃんだったら喜ぶし、問題ないじゃん」
「そういうことじゃなくて」
「もーわかんないよお前なんなん」

言いたいことはある。でもこれは「言っちゃいけない」ことだ。
(どこでもこんなことしてるのかと思うと)
伊達とそういう仲になって、なんでだか伊達の恋人の雲母とも打ち解け、三人で賑やかに暮らし始めて。三人でいるときと、外で伊達の存在を感じながら過ごす時の温度差がきつい。自分の中で消えたはずの独占欲や嫉妬心が、丸ごと暴かれる気がするのだ。

伊達がお菓子の袋を丸めて、設楽に渡してくる。これ、ゴミ捨てといてよ。そんで…

これ美味しかったけど、お前食べてないよねえ?

伊達の唇からしょっぱ辛い味。ドンタコースしょっぱいねえ。伊達が小さく笑いながら設楽の舌を探る。思わず衝動に任せて掻き抱いたその体は、緩く設楽に絡みつく。

「俺はねえ、けっこう古風なんよ」

その言葉の意味が、設楽にはちょっとだけわかる気がした。



/伊達雅宗
 設楽泰司
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佐久間イヌネコ病院
先日荷物に入っていた腹巻が
全員分あったという事実(院長)



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