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2018年10月の記事一覧

ぜんぶバレている、という前提で。

ぜんぶバレている、という前提で。

こういうの、おれも書きたいなあ。

おもしろい本を手にすると、半分も読み終わらない前にそう思ってしまう。「そうそう、こういうのが書いてみたかったんだよ」と思ったり、「こういう書きかたもあるんだよな。これは一度もやったことないな」と思ったり。とくにノンフィクション系の翻訳書を読んでいると、そのスタイルの違いからそう感じることが多い。

このとき大切なのは、感覚的な「こういうの」の正体を、きちんと言語

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浅生鴨さんに会ってきたかも(その5)今のネットはクリーンすぎるから

浅生鴨さんに会ってきたかも(その5)今のネットはクリーンすぎるから

迷子の秋に重版出来!浅生鴨さんの新刊『どこでもない場所』の周辺に漂っているものたちが気になって始まったインタビュー。今回はネット時代と世の中に必要なノイズについて。前回はこちら。

あれはたしか2000年前後だった。インターネットの時代が本格的にやってきて、これからは誰もが発信者になることができ、これまでなら陽の目を見なかったニッチなものや人にもスポットが当たるようになり、きっと世の中は大きな力を

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浅生鴨さんに会ってきたかも(その4)世の中はほとんどハズレだから

浅生鴨さんに会ってきたかも(その4)世の中はほとんどハズレだから

プロの迷子(!)浅生鴨さんの新刊『どこでもない場所』の周辺に漂っているものたちが気になって始まったインタビュー。今回は、意外にそうかもしれない目からウロコの仕事論。前回はこちら。

受注体質――。渋谷で100人に「浅生鴨さんと言えば?」とインタビューしたとき約8割の人が「受注体質」と答えたのは有名な話だけど、まあそれぐらい「やりたくてやったことはない」と言い切れるのが浅生鴨さんだ。

そもそも、今

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現実に慣らす。

現実に慣らす。

両手を上に伸ばす。両足を下に伸ばす。めいいっぱい。そうして、ゆっくりと元に戻す。思考を呼び戻す。脳の奥、地表の奥底、空のはるか上、無の中、どこなのかわからない場所から、じぶんの思考を呼び戻す。思考システムの復旧につとめる。

タイミングはじぶんで決めるものではない。タイミングというものは、然るべきときをじっと待つことである。

まだ正常に起動していない脳の命令により、奥さんに向かってそんなよう

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