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現実に慣らす。

両手を上に伸ばす。両足を下に伸ばす。めいいっぱい。そうして、ゆっくりと元に戻す。思考を呼び戻す。脳の奥、地表の奥底、空のはるか上、無の中、どこなのかわからない場所から、じぶんの思考を呼び戻す。思考システムの復旧につとめる。

タイミングはじぶんで決めるものではない。タイミングというものは、然るべきときをじっと待つことである。

まだ正常に起動していない脳の命令により、奥さんに向かってそんなようなことを口にした。かっこよく書いてはいるが、要は昼寝から抜け出せない哀れな男の言い訳である。

そんな無駄なことを口にしていると、ゆらゆらと揺れながら現実に焦点が定まり始める。どうやら手が痺れているようだ。畳と頭のあいだに挟まれてさぞかし辛かったであろう。腕についた畳のあとを撫でる。さてと。

夕方と夜のあいだ。寝る前には聞こえなかった鈴虫の鳴く声がうっすらと聞こえる。洗濯物を取り込み、現実の世界へとわたしを馴染ませてゆく。

最後に、このことって、案外たいせつな気がしてきた。夢うつつのときって、逆に冴えているときなのかもしれない。

タイミングはじぶんで決めるものではない。タイミングというものは、然るべきときをじっと待つことである。

追伸、、、
これを読んで、じぶんの本質はクリエイターなのかなと思いました。


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