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#4 【インタビュー】会社員メインで農業も!二足のわらじで島生活! ~ 嶺 亮介さん ~

 インタビュー記事を通じて、喜界島の農業をあなたにお届けしたい!!
 そんな想いで始めた、このnote。

 第4弾として、嶺  亮介みね りょうすけさんのインタビューをお届けします!

< この記事は約8分で読むことができます >

 嶺 亮介さん
 同級生の妻、お子さん2人の4人家族。
 中学卒業とともに島外へ。
 横浜にて電子回路の設計などの仕事を経験したのち、2021年、喜界島にUターン。
 現在は会社員として生和糖業しょうわとうぎょうで働きながら、家族で農業も。
 農業としては、砂糖を製造する生和糖業にとって原料となるサトウキビだけでなくカボチャの生産にも取組む。
 都会と島の生活を比べると、大きく変わったのは【時間の使い方】。

聞き手:たけみ、まさ、キース、ナオ
取材日:2023.11.21

ーー本日は、みねさんが会社員として働いている生和糖業しょうわとうぎょうにて、インタビューのお時間をいただいています。
 生和糖業では、どんな仕事をされているんですか?

サトウキビが原料となっている砂糖

(嶺)
 生和糖業は、農家さんの収穫したサトウキビを原料に砂糖を製造する、製糖工場です。

 私の仕事は、1年目に経理関係。
 2、3年目は、原料課という部署で仕事をさせてもらっています。

ーー原料課の仕事内容は?

 12月~3月の製糖期は、『農家さんが収穫したサトウキビを工場に搬入する量』と『工場における製糖の稼働力』の調整を。
 製糖期以外の期間は、農家さんとコミュニケーションを取ることが多いですし、とても大切にしています。
 具体的にはサトウキビの増収につながる生育関係の情報を伝えたり、逆に生育状況を教えてもらったりと、製糖期に向けた準備といった仕事です。

ーー喜界島にUターンして3年目ということでしたが、元々、『いつか島に戻ろう』と思っていたのですか?

(嶺)
 私としては、仕事があれば喜界島に戻りたいと思っていました。

 祖父や父が兼業農家(※)として生活していたので、私もいつか同じようにサトウキビを生産しながら兼業農家として島に戻って生活したいなぁと。
(※ 農業だけでなく、他の業種の仕事をしながら農業もしている農家)

ーー思っていることと、行動に移すことには大きなハードルがあるように感じます。
 実際に喜界島に戻るというアクションを起こした、きっかけは?

砂糖の原料となるサトウキビは人の背よりずっと大きく成長するんです!

(嶺)
 幼稚園からの同級生の妻には、結婚する前から「いつか島に戻りたいと考えている」ことを伝えていました。

 都会で働きつつ結婚して、子どもが生まれたときに『都会で色々な経験を子どもにさせてあげたいという希望もありながら、子育てにはやっぱり、島のほうがいいよね』という結論に至ったところが大きいです。

 都会で働きながら年に数回、喜界島には帰ってきていました。
 島に帰った時に「いつかは島に戻って生活したい」という相談を父親にしたところ、生和糖業しょうわとうぎょうで職員募集をしていることを教えてもらいました。

 当時はリーダー的な立ち位置で仕事をしていたので急に辞めることは厳しかったため、自分の後継者を育成し、1年後に採用試験を受けて生和糖業に入社することになり、喜界島に戻ってきたという流れです。

ーー身近な人に想いを話していたからこそ!のように感じますが、生和糖業のお仕事はどうですか?

(嶺)
 端的に言うと、今は非常に満足しています。

 なぜなら、生和糖業では、祖父や父親が生産していたサトウキビから砂糖を製造する会社です。

 農業をするならサトウキビ!が念頭にあったので、農家さんの立場になって考えながら仕事をすることができる環境に身を置けているからです。

ーー横浜で電子回路の設計をされていたと聞いています。
全くジャンルが異なる生和糖業の仕事と農業を、Uターンとともに同時にスタートすることへの不安はなかったんですか?

横浜での仕事の経験から、メモパッドや複数のモニターなどデスク周りは工夫されていました

(嶺)
 農業では、サトウキビの植付と収穫作業は私が子どもの頃から知っていたので不安はありませんでした。
 ただ、植付と収穫の間にある除草作業などの『管理作業』のことは知らなかったので、年間を通じてやってみたからこそ気がついた点もありました。

 生和糖業の仕事では、初めてのことばかり。
 ただ、仕事内容は先輩の方が教えてくれますし、大型機械の資格取得については会社のサポートがあるので、資格を持っていないと働けないというわけではありません。

 現場に出てサトウキビの長さ、重さや糖度を計測する業務もありますし、そのデータをパソコンで分析し、出荷量を計算する業務もあります。

 都会ではパソコン仕事だったので、自分の強みを今の仕事に生かせているように感じています。

 それに、生和糖業の仕事内容が私自身の農業に役立つという側面や、サトウキビを生産するからこそ農家さんのことがわかる部分があるなぁと感じています。

ーーサトウキビの生産をされている嶺さんの農業について、どのくらいの規模なんですか?

(嶺)
 祖父や父親とは別に、私自身は、約10,000㎡の畑でサトウキビを。
 あとはカボチャを1,000㎡の畑で栽培しています。

 サトウキビの管理や植付など、人手が必要な時は祖父や父親など家族で協力しながら取り組んでいます。

ーーUターンする前から兼業農家としてサトウキビの生産を考えていたところに、カボチャにも取組むことにした理由は?

インタビューの様子

(嶺)
 カボチャの生産に取組んだきっかけは、祖父です。

 Uターンした3年前に祖父がカボチャを作り始めたんです。
 私の子ども、祖父からするとひ孫が好きな野菜を作りたい!と思ってくれたらしくて、カボチャを作り始めてくれました。

 最近、祖父も年齢を重ねて、カボチャ作りをやめようとしたところ、カボチャの生産をしていて私の同級生である『カボチャ先生』の後押しもあって、私と妻で続けることに。

 『カボチャ先生』には週に1回くらい連絡して助言をもらったり、不安な時は畑をみてもらったりと、ありがたい環境であることも大きいです。

 実は来年くらいに、サトウキビ・カボチャに加えてゴマの生産をしてみたいです!
 ゴマは国内の生産量第1位が喜界島。結構、周りに『ゴマ先生』がいてくれそうで心強いですから(笑)

ーー都会の生活と今の喜界島の生活、大きな違いを時感じることは?

(嶺)
 色々ありつつ、大きく言うと2つです。

 1つ目は、【時間の使い方】

 車でゆっくり1周しても1時間の喜界島は、都会と比べて通勤時間が圧倒的に短いので、仕事のあとに自分の時間が充分もらえます。
 都会で働いていた時は、往復3時間くらいかかっていましたから。
 今では、5分で職場です!(笑)

 自分の時間があるので、畑に行く時間、趣味の野球をする時間、家族と過ごす時間が取れていることが大きく違います。

 給与は下がりましたが、島で生活するには困っていません。
 会社からの給料は生活に。農業の収入は家族旅行などの家族サービスに充てています。

 2つ目は、【家族ぐるみの付き合い】

 都会で呑みに行くときは、職場の人や友人と行くので私個人。
 喜界島で呑むときは、家族ぐるみで呑む機会が増えました。

 私や友人の家に行って呑むときは、私だけでなく家族同士で気兼ねなく楽しい時間を過ごせるのは都会では、味わえなかった嬉しいことです♬

家族旅行、楽しんでいるそうです♬

ーー会社員の仕事に加えて、農業はサトウキビとカボチャと休む暇はないのでは?

(嶺)
 「メリハリをつけること」を父親に言われています。
 土曜日は農業をしても、日曜日は完全にオフの日にしています。
 それでも充分、兼業していけるんですよ!

ーー公園でお子さんと遊ぶ、嶺さんをよく見かけます!(笑)
定時の4時30分を過ぎてまでのインタビュー、ありがとうございました!!

真ん中の嶺さんを挟んで、聞き手として、左にキース、ナオ。右にたけみ、まさ

インタビュー後の聞き手の感想

 平日はお仕事、土曜日は農業、日曜日は完全なオフという嶺さんの「生活にメリハリをつける」スタイルが素敵だなと感じました。
 また、家族のことを話す嶺さんの穏やかな笑顔が印象的でした!

2023.11.21

最後に
 
インタビュー記事を通じて、喜界島の農業をあなたにお届けしたい!!
 そんな想いで始めた、このnote。

 #1~4まで、インタビュー記事としては今回が最後になりました。

 インタビュー記事を通じて喜界島の農業に触れて、興味・関心を持ってくださった、あなた!

↓インタビューの聞き手も対応しますので、是非、安心して御連絡ください↓

喜界町 農業版ハローワーク

喜界町 農業後継者育成事業

 また、過去の記事は こちらです ↓ 

#0 【自己紹介】あなたにお届けしたい喜界島の農業とは!?

#1 【インタビュー】Uターンして畜産業(牛)を営むことって!?

#2-1【インタビュー編】果樹・園芸だけでなく商品開発にも挑戦!

#2-2【トークセッション編】果樹・園芸だけでなく商品開発にも挑戦!

#3 【インタビュー】脱サラからサトウキビやカボチャの生産に取組む!

 2023年12月現在、インタビュー&note制作メンバーは、パンフレット作成の真っ最中です!
 パンフレットの完成や配布予定など、これからもnoteを通じてお届けしますので、お楽しみに♬

パンフレットの文字や配置を決めている様子

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