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短短編:ボイスパーカッションだったのだ
電車に乗ってから気づいた、
天井から異音がする。
結構な騒音だ。
グォングォングォン
ガーガーガー
ガガガガガガ
ブィーブィーブィー
ギーギギギギー
ダダ ダダ ダダ
疲れている上、満員電車で移動も出来ない。
目の前に立っていた人は、天井の音の聞こえる方向を見上げて、苦笑いをしていた。
二駅分騒音を聞いた後、降車駅に着いてほっとした。誰かが駅員に声を掛けるのを、横目に見ながら帰路についた。
家に着いてくつろいでいると、テレビから電車の異音点検で不審者を発見、と聞こえてきた。
リポーターが冷静な顔で伝える、「自称ミュージシャン住所不定の男の身柄を確保しました。」
続けて、その一部始終を見ていた乗客が興奮気味に様子をこと細かく話していた。
あれは、相当リアルだったけどなぁ、と声に出して呟いてしまった。
あんなに長く途切れなく鳴っていた、モーターに何かが挟まったような異音は、自称ミュージシャン住所不定の男が披露した、ボイスパーカッションだったのだ。
Fin
あとがき
このおはなしは半分フィクションです。
昨日の電車でのものすごい異音を、駅員さんに言おうかな…と思いつつ、ホームに駅員さんが見つからなくて断念してしまいました。
とはいえ、プロペラみたいなものが外れるんじゃないかと思うくらいの音だったので、心配しつつも、ふとよぎった想像をおはなしにしてみました。楽しんでいただけたら嬉しいです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!とっても嬉しいです!
⚠︎写真はイメージです
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