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大好きな記事まとめ

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2023年10月の記事一覧

「パリ、テキサス」と「東京物語」、心の空白と風景(世界)の光の物語

 10月23日(月)から始まる東京国際映画祭「小津安二郎の生誕120年、没後60年記念」で、小津監督の35本の映画がアーカイブで上映されるという。  コンペティション部門の審査委員長は、ヴィム・ヴェンダース。  映画「ベルリン 天使の詩」は「全てのかつての天使、特に安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐ」と、映画監督:小津安二郎、フランソワ・トリュフォー、アンドレイ・タルコフスキーに捧げられている。  この機会にヴィム・ヴェンダース監督と小津安二郎監督、二人の共通点を「パリ、

自己紹介をします

みはらです。日本出身、アイルランド在住で、植物調査員として働いています。 私の人生の始まりは、ゼルダの伝説というゲームから。アイルランドに住み始めたのも、植物調査員になったのも、全てはゼルダの伝説のリンクのようになりたい!という童心の夢を追って辿り着いたものです。 *植物調査員は、平たく言うと自然保護と開発事業の仲介をする仕事。建物を新しく建てたりする前に、その場所に育つ植物を調べて、事業主に「問題なく工事をするにはこういう環境配慮をしないといけませんよ」、とアドバイスを

一人暮らしの部屋の記録(2020〜2022)

今から約4年前に初めての一人暮らしを東京・蔵前でスタートさせました。 貯金0・計画なんてほぼ無かったに等しい状態で一人暮らしをスタートさせた私。始めの頃はお金の使い方の下手さも相まって洗濯機も買えないほどお金がなく常にギリギリの生活でした。 出費を抑えるためにフリマアプリで物を売ったり、買ったり。さらにお金に余裕を持たせるために、平日も目が回る忙しさだったけどベビーシッターや個人のお仕事をいただき休日や平日の夜に働いていました。今思い返すと働きすぎだけど、、楽しかったな…

フィンランドのおばあちゃんと毛糸の靴下

夜のお月様が綺麗に冴え渡り、澄み渡る空気から冬のおとづれを感じる今日のこの頃。 あったかいお風呂が幸福なこの季節、同じく私が楽しみにしているのは「毛糸の靴下を履くこと」だ。夏の間、引き出しの中で眠っていたカラフルな毛糸の靴下たちを引っ張り出してきて、優しいあたたかさに幸福感を感じるこの季節を私は愛している。 ↓毛糸の靴下は、フィンランドのおばあちゃんが私に贈ってくれた靴下たち。 毛糸の靴下で学校を歩き回るフィンランドの高校生 私が高校時代1年間を過ごしたフィンランドの高

Lifestyle|フィンランドのクリエーター図鑑 〈16.ハンナ・ブロテルス〉

首都ヘルシンキはまた一つ季節が進み、朝晩は氷点下まで気温が下がる日も多くなってきました。今月末にはサマータイムが終わり、時計の針を1時間戻して日本との時差は7時間になります。 この町を拠点に、ダンサー、振付師、監督、作家としてマルチに活躍の場を広げる、ハンナ・ブロテルスさん。多様なバックグラウンドをもつ人々と協働しながら、数多くの作品を創出する舞台芸術のパイオニアとして国内外に知られる一方、専門知識を活かしてボディコンディショニングやエクササイズなどのワークショップも定期的

SHI・KOから始まる私の『朝ルーティーン』

こんにちは、ぷるるです。 お題「朝のルーティーン」の応募概要を読んだら、参加に迷いが生じました。 企画側が求める作品と私の朝が、1mmも重ならない予感がした為です。 でも車は急に止まれない、今更記事は変えられないということで、このまま書き進めたいと思います。 私の朝ルーティーンはこの10年ほど同じでした。 目覚めたら冷たい水で顔を洗い、いっぱいの白湯で一息・・・・ 朝の澄んだ空気に身をひたせば、命があることへの感謝が自然と胸に広がります。それからヨガをやりながら、ゆ

若さの特権

Today is the youngest day in the life. ── unknown 見上げる天井にはスワロフスキーのガラスを散りばめた豪奢なシャンデリア。 ステージ上で黒光りするグランドピアノと、精緻な花鳥画に彩られたチェンバロ。 ゆったりと座り心地の良い暗紅色の座席に、爪先を引っ掛けそうにふかふかとしたカーペット。 居るだけで深い満足感に浸されるようなその場所は、室内楽専門の小さなホールです。 コンサートの開演ベルを待つ客席には高揚した雰囲気が満ち、

一対の金具

長年使っている、小さめのショルダーバッグがある。 ちょっとしたお出かけから旅行まで、使い勝手が良くて気に入っている。 私は大きな荷物を持つのが苦手で、最小限の物しか持ち歩かない。 そしてバッグも、小さいものしか持たない。 他にバッグを買っても、結局そのバッグに落ち着いてしまうので、かなりの頻度で使っている。 そのバッグを、先日また使った。 ふと何気なく目に入ったそのバッグの金具に、私は驚いてしまった。 金具部分が、大きくすり減っていたからだ。 記事に書こうと思い調べたら、

あなたの身体はどれくらいの原子で出来ているか

何だか難解な物理学の本のようなタイトルですが、私はこの問いの正確な答えを知っています。 多いものから順に、私の身体は 2760000000000000000000000000個 のH(水素)原子と 1060000000000000000000000000個 の O(酸素)原子と 530000000000000000000000000個 のC(炭素)原子とで出来ています。 さらにこれから窒素、リン、カルシウム…と続くのですが、きりがないのでこのへんでやめにしておきましょう。

エディンバラ暮らし|スープ日記

カフェで見かけるSoup of the Day(今日のスープ)というメニュー。 野菜系のどろっとしたスープにパンの付け合わせといったシンプルな一皿で、派手ではないけど温かく、物価高の英国でそれでも安く、味も失敗が少ない。1人暮らしを支えた安心の存在の一つであった。 今日はそんなスープを取り巻く暮らしの話。 気を取り直してのカレンスキンク(スモーク魚のスープ) - スコットランド海鳥センター 5月末。英国に着いて1週間くらいがたち、この頃は毎日家探しに奔走し、そうじゃな

【おすすめ本】暮らしは芸術でできている(鶴見俊輔/限界芸術論)

今週もこんにちは。一昨日あたりから、急に寒くなりましたね。短い秋という感じです。芸術の秋(これも不思議な言葉だな)ではないけれど、本日取り上げるのは鶴見俊輔の「限界芸術論」。 限界といっても、芸術はもう駄目だという意味では(それだと「芸術限界論」ですね)なく、生活のなかに「芸術」を見つけてみよう、というこころみです。 ▼▼今週の本▼▼ まずは冒頭から。 これだけでも引き込まれますね。この美的経験として、鶴見さんは町並を見ることや家族の話を例に挙げています。そんなのでい

夢を解く

夢は挿し絵だ、魂があなたについて書いている本の。 ── ネイティヴ・アメリカンのことわざ 私は人の夢の話を聞くのが好きで、特に「よく見る夢は何か」という質問を、誰彼となくぶつけていた時期がありました。 「ぐっすり寝入っていて、気がつくともう夜が明けてるんだよ。 それで、しまった!今夜は一人で当直なのに、患者さんを放り出して俺は何をやってるんだ!って真っ青になって、病室までダッシュするんだ。 目が覚めても動悸がおさまらないし、毎回めちゃくちゃ落ち込む」 医師である友人は

アキ・カウリスマキと私

私がアキ・カウリスマキの映画に出会ったのは、今からもう30年以上も前のことで、たまたま映画館で「真夜中の虹」を観たのがきっかけだった。 失業した炭鉱夫カスリネン(トゥロ・パヤラ)は、寒々とした北からひたすら南へと向かうが、数々の不運が彼を襲う。しかし、カスリネンは泣きも喚きもせず、当然ながら笑いもしない。のべつまくなし煙草をふかすだけだ。 仏頂面のぱっとしない男は、いくつもの仕事を掛け持ちしている薄幸そうなシングルマザーのイルメリと知り合い、その息子ともども愛情を感じるように

みる「心と体と」・きく「What He Wrote」ローラ・マーリング(転記)

【イギリスSSW】 映画「心と体と」。 イルディコー・エニェディ監督(2017・ハンガリー)のエンディング曲。 はじめてローラ・マーリングを聴いた。 この動画は、その映画の切り取り。 (上記動画が見られなくなったため、  今回、記事自体を移し、予告篇を貼り付けた。2023/10/ 1) 食肉工場で働いている管理職、派遣で働く事になる女性。 その二人が、自分らでも知らないところで会っていたのは、 夢の中の(実在しない)沼のほとり。 彼らは、雄鹿、牝鹿として会っていた。