さびしさは、抱えたままでいい
「さようなら、お元気で!」
一期一会病、と家族に呼ばれる症状が、幼い頃の私にはあった。道すがら出会った人とお話をする。昔から私は話すと簡単にその人に愛着が湧いてしまって、つながりを感じてしまう。向こうからしたら馴れ馴れしいしちょっと不気味な奴だろう。そして道すがらは道すがら。別れはすぐにやってくる。幼い私には、それが耐えられなかった。もっともっとこの瞬間のキラキラが続けばいいのに。名残惜しさを、惜しさとして飲み込めず、「さようなら、お元気で!」と、その人が見えなくなるまで叫び