吉川歩

アフリカと日本を行き来しながら暮らしています|1993年生|毎週日曜更新

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こんな葉物野菜を食べるよ|ウガンダ生活

今週もこんにちは。祖父から名古屋は梅雨の只中と聞きました。みなさんの住む場所はいかがですか。 今来ているウガンダはアチョリ地域。アチョリ料理が薄味でおいしいんだよという話をあちこちでしてますが、日々の献立に欠かせないのが葉物野菜です。日本だとキャベツにレタス、ほうれんそうに白菜などですが、ここではこんな感じ。 ボー(Boo) マメ科植物の葉っぱです。葉っぱ自体の味はクセがないですが、日干しで乾燥させすぎると苦くなるそう。アチョリではポピュラーな野菜のひとつで、農家が庭先

    • 【おすすめ本】ひとの数だけ歴史はあるの?(バスケス/コスタグアナ秘史)

      今週もこんにちは。早くに目が覚めてしまいました🥱ウガンダは朝の5時・・・ 「歴史は勝者が作る」と言われます。歴史は中立ではなく、起きたことを書き残せるのは勝者だけだということ。理屈は分かるけど、「どういうこと?」と聞かれたら答えに詰まってしまいそうです。 コロンビアの作家ファン・ガブリエル・バスケス(1973-)は現代南米文学の旗手として知られます。彼の「コスタグアナ秘史」はそんな歴史のゆがみを「作家に名作のネタを提供した一般人」を主人公に描いた長編小説です。 ▼▼今回

      • ウガンダのソウルフードはロレックス

        2024.06.10 月 前回の出張で、お土産にボールペンを持ってきたら、ウガンダ人の同僚には青色が圧倒的人気で赤色が余ってしまったと日記に書いた。(ボールペンは基本的に何本あっても困らないし、日用品だし、日本で安く品質の良いモノが買えるのでお土産に重宝する。ウガンダでは通常の筆記は青や黒だ。赤ペンはマイナーなのでみんな欲しがらなかった) 残り物の赤ペンになってしまった同僚に前回申し訳なかったので、今回は同じ黒の同じペンを全員に買ってきた。10名の同僚に10本の黒ペン。これ

        • アフリカは冒険じゃなくて生活だよ

          今週もこんにちは。思うことあり、長め&気合の入った記事です💪アフリカと日本を行き来する暮らしについて。よければお付き合いください。 冒険と探検のあいだ 先日面白い記事を読みました。あるカメラマンの方が洞窟探検と向き合った半生を書いた記事です。特に印象的だったのが、冒険と探検は違う。冒険は「危険を冒すこと」で探検は「未知の領域を踏査すること」。洞窟探検は探検であって冒険ではない、という書き出しでした。 これ、本当にそうだと思うのです。アフリカで働くのも同じ。「危なくない?

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          【おすすめ本】「アートは自由だ」と言うために(村上隆/芸術闘争論)

          今週もこんにちは。ウガンダに来ました🇺🇬〜こちらは朝夕涼しく、過ごしやすいです。 今日紹介する村上隆さん(1962-)は日本を代表する現代アートの作家。アート好きなら知っているよって方も多いでしょうし、作り手なら好き嫌いはあれ影響を受けている人だろうと思います。僕は本を読んだのは今回が初めて。 本書には、村上さんが一人のアーティストとして、アートという業界をどのように捉えているか、日本の人たちがそこに躍り出て生き残っていくためにはどうすればいいのかが書かれています。 ▼

          【おすすめ本】「アートは自由だ」と言うために(村上隆/芸術闘争論)

          虫歯を治したら遠くへ

          2024.05.20 月 最近漫画を読んでいなかったが、「スキップとローファー」を読んだ。 面白かった! 少し体調を崩していたが、明るい気持ちになれた。大きな事件は起きなくても、みんな感情がちゃんと揺れていて、嬉しい時は嬉しいし、悲しい時は悲しい。それが読んでいて気持ちが良かった。青春は魂の状態で年齢は関係ないと個人的に考えているけど、こういう繊細さは久々に思い出した。繊細さに埃を被せて今日も歩いていられているのは奇跡みたいなものだな、とも。 登場人物がみんなかわいくて都会的

          虫歯を治したら遠くへ

          いざはじめての名建築【池袋・自由学園明日館】

          今週もこんにちは。暖かい日も増えてきましたね〜 本日は番外篇です。建築好きの友人に誘われて、池袋まで行ってきました。前から見てみたかった建築があるというのです。「名建築を見に行く」という発想自体が新鮮でしたが、「名建築」ってわりと一般的な言葉なんですね。とても楽しかったので、今日はその話を。 その名も自由学園明日館。1921年に建設された女子校自由学園の校舎で、設計者は僕でも名前くらいは知っている、近代建築の巨匠アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト。現在は重要文化財に

          いざはじめての名建築【池袋・自由学園明日館】

          ゆっくり荷造りをはじめる

          2024.05.06 月・祝 久しぶりに何もない一日だった。朝起きて、自転車をこいでカフェに行き、珍しく新書を読んだ。日本の農業が今どうなっているかを解説した本で、著者は化学肥料を使わない有機農業を「安全だから」「美味しいから」と手放しに称賛するのではなく、むしろ批判的に「知的で面白いから」という理由で続けている農業人だ。 早めに帰宅して、近所の公園までランニングする。なんか、身体重いなあ。今日は10時半くらいに寝ようかな。 2024.05.07 火 珈琲館に入ったら、お

          ゆっくり荷造りをはじめる

          【おすすめ本】50年かけて書く、15年越しに読む(埴谷雄高/死霊)

          今週もこんにちは。今日は朝から仕事です。日曜日なのに〜GWなのに〜〜😭 それはさておき。きれいでも小粒な作品より、荒削りでもスケールの大きな作品が好きです。それはぼくの性格かもしれないし、仕事で効率性や完成度を求められるから、本くらいはのびのび読みたいと思っている反動かもしれません。 今日の一冊は埴谷雄高(1910-1997)の「死霊」(しれい)。著者が36歳で発表し始め、87歳で亡くなる直前までなんと半世紀以上にわたり書き継いだエネルギーの塊のような未完の大作です。

          【おすすめ本】50年かけて書く、15年越しに読む(埴谷雄高/死霊)

          ボダボダはそこにいる|ウガンダ生活

          今週もこんにちは。関東は今週後半から急に暖かくなりました。みなさん、お元気でお過ごしですか。 ウガンダで道を歩いていると、ヒュイッ! と口笛を吹かれることがあります。振り返ってみるとバイクの兄ちゃんが親指を立てている。「乗っていかないか?」とボダボダ(バイクタクシー)に誘われているのです。 ボダボダはウガンダ人にとって自転車やバスより身近な移動手段。バイクの後ろに乗って料金を支払い、運転手に好きなところへ連れて行ってもらいます。首都カンパラでは、嘘か本当か、人口150万人

          ボダボダはそこにいる|ウガンダ生活

          しばらくカツカレー

          2024.04.15 月  仕事で帰りが九時を過ぎた。会社を出ると同居人からLINE、明日の朝の食パンが残り一枚なので買ってきてほしいと言う。最寄駅にいくつかあるスーパーはどこも九時で閉まるので、帰り道にローソンへ寄った。 駅から駐輪場までの途中にあるローソンだ。店舗としては小さめで、夜は海外の方とシニアの方の二名体制で回しているようである。なぜか、野菜が安い。この間はピーマンが八個入りで百円(!)だった。 いつもの「超熟」が売り切れていたので4個入りのロールパンを買って

          しばらくカツカレー

          【おすすめ本】本棚の遠い女性たち(アトウッド/侍女の物語)

          今週もこんにちは。関東はよく晴れた週末です🍡 今週の一冊はマーガレット・アトウッド「侍女の物語」(1985年発表)。男性が支配する、出生率の低下した近未来で、自由を奪われ、囚われの身となった女性たちの戦いを描いたディストピア小説です。 アトウッドは元々詩人としてデビューしたカナダの作家。1939年生まれの大ベテランですが、80歳だった2019年に(!)、本書の続編「誓願」でイギリス最高峰の文学賞ブッカー賞を受賞しています。 ▼▼今回の本▼▼ 本作のフォーカスは「女性」

          【おすすめ本】本棚の遠い女性たち(アトウッド/侍女の物語)

          アフリカのことばを触る|ウガンダ生活

          今週もこんにちは。なんだか今週は疲れました🥱 新年度ですね〜〜 仕事で、一年のうち五ヶ月ほどをウガンダ北部のアチョリという地域で過ごしています。そう話すと、よく聞かれるのは「英語は通じるの?」ということ。はい、英語は通じます。でも、それとは別に現地語もある。 現地語を少しでも話せると「おまえしゃべれるのか!」とみんな喜んでくれるのが嬉しくて、ちょこちょこ勉強しています。 それがアチョリ語。話者100万人弱と言われるマイナー言語です。 正しい書き方がないことば アチョ

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          アジア料理店と引越し病

          2024.03.25 月 会社近くの安中華屋が、**楼という店名から漢数字が三つ並んだ不思議な店名に変わっていた。「一二三」とか「七七七」みたいな名前である。メニューや価格はそのまま(例:豚肉ときくらげの炒め物定食八〇〇円)で、変わったのは名前と看板だけだった。ビルの二階にあり、窓がなく、床が少しべたべたしていて、全席喫煙可で、ランチを頼むとまずレタスと大根のサラダが出てくる店だ。 同じ日の夜、ランニングしたら、別の場所にあったインド料理屋がいつも走るコースの途中に移転して

          アジア料理店と引越し病

          【おすすめ本】僕が僕になるまでの長い助走(西加奈子/サラバ!・夜が明ける)

          今週もこんにちは。日本に帰ってきました。思ったより、寒い! セーターを着ています。 帰路の飛行機と車で西加奈子さんの本を続けて読みました。「サラバ!」(2014年)と「夜が明ける」(2021年)です。西さんは「サラバ!」で第152回直木賞を受賞しています。 「サラバ!」は主人公の歩(あゆむ)の一風変わった家族や友人、恋愛や成長を描いた長篇小説。「夜が明ける」は主人公の「俺」とその親友アキの人生を貧困や過重労働をテーマに描いた作品です。 ▼▼今回の本▼▼ 個性的な「サラ

          【おすすめ本】僕が僕になるまでの長い助走(西加奈子/サラバ!・夜が明ける)

          ピーナッツソースのなぞ|ウガンダ生活

          今週もこんにちは。思い立ち、ヘッダをデザイナーさんに作ってもらいました。いい感じです。 さて、今日も今日とてごはんの話。僕はウガンダ北部のアチョリと呼ばれる地域にいますが、常々書いているとおりここは料理がバリエーション豊富。薄味で日本人の口にも合うおいしさです。 そんなアチョリ料理に欠かせないのがオディと呼ばれるラッカセイ(ピーナッツ)&ゴマを挽いて作るペースト。野菜や魚、肉を煮たりするのに使いますが、一口にオディといってもいろんな種類があります。図にまとめたものがこちら

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