Petorashika_zine

関心ごとは、手仕事とローカルエコノミー。趣味はお散歩と地域史。 大学での八王子織物に関…

Petorashika_zine

関心ごとは、手仕事とローカルエコノミー。趣味はお散歩と地域史。 大学での八王子織物に関する卒業研究から始まった、個人的な自由研究。メモとして書いているので時々書き途中の原稿をアップすることもあります。悪しからず。

マガジン

  • 実践編_手を仕う事

    色々考えてばかりじゃ面白くないので、実践編として自分の手を仕って衣食住を組み立てる試み。

  • 文字通り「羊をめぐる旅」

    某作家(○上春樹)の小説の主人公さながら、私は行く先々で、羊に関連する事柄に出会うことが多い。まったく、これはどういう訳なのかは分からないが、某作家に倣って、ここに私が出会った羊をめぐる旅について書いてみる。無意識の井戸でも掘るように。 ♯私はハルキストではない。

  • 手仕事エトセトラ

    おばあちゃんが作るアクリル毛糸のお人形、ヤップ島で貰ったココナッツをくりぬいたお椀、藁葺きの屋根など、伝統工芸や工藝などという枠組みには収まらない手仕事と、その他諸々の事柄について。

  • おさんぽと地域史

    いろんな町や山をお散歩して、出会った地域史の記録。 主に神戸が多め。

  • 私的妄想シルクロード

    大陸から朝鮮半島を経て、日本という島へつながるシルクロード。実は、八王子や諏訪など、日本の中でもミクロなシルクロードが続いてるのではと、その道すじを勝手に想像力を働かせて、再現してみる試み。

最近の記事

衣|野良着を自分で縫う

4年越しに出来上がった藍染のはかま 今年になって、4年越しの藍染のはかま(ズボン)が完成した。9月から始めた畑に合わせて、新しい農作業用のユニフォームが欲しくなって、4年間も放置していた作品づくりに取り掛かったのだ。このはかまは大学を卒業して就職した最初の1年目の春に縫い始めたのだが、慣れない8時間労働の日々の中、こういう藍染の服を縫ったり着る気分になれず、ほったらかしていた。そんなこんなでコロナ禍を経て、気づいたら4年の時の経っていたのだが、やっと自分ではかまを縫いたいと

    • フィンランドの手仕事「フェルティング」とセルフケアのお話し

      ハロウィンも終わって、冬が到来する頃、クリスマスの準備のためにフェルトでできた小人の飾りを出してみた。この小人は、フィンランドに留学していた時に羊のフェルトをチクチクして自分で作ったもの。フィンランドの手仕事といえば、編み物や刺繍が有名だが、フェルティングの存在も欠かせない。小人を眺めていたら、なぜフィンランドではフェルティングという手仕事が広く愛されているのか、そんな問いが浮かんできたので、実体験をもとに少し考えてみた。 フェルティングという手仕事 フェルティングは、細

      • 「自分どんな人間?」と、北加賀屋の街に問われる。

        生まれも育ちも関東なので、いまだに大阪のまちは未知数で、私のGoogleマップ上では「行きたいスポット」のフラグが立ちまくっている。そんな大阪の中でも、中心地から離れているくせにやたらとフラグが乱立してて、異様な光を放っていたのがこの北加賀屋なのだが、この度お散歩しに行ってみたら、やっぱり思った通りとんでもないまちだった(2023年10月29日のお散歩の記録) クリエイティブセンター大阪で自己喪失 今回、北加賀屋にきた目的は、このクリエイティブセンター大阪を会場にして開催

        • フィンランドのおばあちゃんと毛糸の靴下

          夜のお月様が綺麗に冴え渡り、澄み渡る空気から冬のおとづれを感じる今日のこの頃。 あったかいお風呂が幸福なこの季節、同じく私が楽しみにしているのは「毛糸の靴下を履くこと」だ。夏の間、引き出しの中で眠っていたカラフルな毛糸の靴下たちを引っ張り出してきて、優しいあたたかさに幸福感を感じるこの季節を私は愛している。 ↓毛糸の靴下は、フィンランドのおばあちゃんが私に贈ってくれた靴下たち。 毛糸の靴下で学校を歩き回るフィンランドの高校生 私が高校時代1年間を過ごしたフィンランドの高

        衣|野良着を自分で縫う

        マガジン

        • 実践編_手を仕う事
          2本
        • 文字通り「羊をめぐる旅」
          1本
        • 手仕事エトセトラ
          2本
        • おさんぽと地域史
          2本
        • 私的妄想シルクロード
          1本
        • 民話の中の八王子
          1本

        記事

          諏訪の町と製糸産業

          諏訪の町は、多摩の山々をこえて山梨・長野方面にドライブに行く時に通る町だった。 絹のことを調べたり、登山をするようになってから、この町は通りすがりの町ではなく、目的地として訪れる場所となった。 夏、霧ヶ峰に登って、諏訪湖の方面を眺めると、湖面がきらきらと輝く湖を中心として穏やかに広がる街並みに、人の気配を感じてほっとする。そんな諏訪の町と生糸と蚕の物語を今回はお話していきたい。 山から水は降りて…まずは霧ヶ峰へ 上の写真は、霧ヶ峰の登り口にある山小屋「コロボックルヒュッ

          諏訪の町と製糸産業

          舞鶴の東西

          ある日の金曜日、ふと映画が見たくなって偶々入った映画館にて「ラーゲリより愛を込めて」を見た。嵐の二宮和成と北川景子が主演という豪華な出演陣による映画で、ラストシーンではまんまとボロ泣きしたのだけど、「日本人」の目線だけに偏ったストーリー仕立てになっているのが気になった。 その翌日、大陸から戦後に引き上げてきた人が最初に行き着いた舞鶴の町に行って見たくなったので、朝一番の高速バスに乗って、舞鶴を訪ねてみた。 教養人としても名高い武将 細川幽斎の城下町として栄えた西舞鶴。東郷

          八王子の民話『猿塚』

          八王子の民話を読み解くシリーズ第1話目『猿塚』 ※参照『元八王子のむかしばなし』元八王子地域住民協議会広報部著 八王子の民話を絵にして読みときながら、 当時の八王子での暮らしや出来事を掘り出してみようという実験。 今回は『猿塚」のお話を取り上げてみる。 ①話の流れを読み解いてみる 「無心」様というお名前のお坊様という事だけど、 「無心」という名前に、このお話の核をつくような意図がありそうな予感。 お猿が差し入れてくれた八王子の里山で採れた木の実。もしかしたら桑の実など

          八王子の民話『猿塚』

          衣 |ひまな日曜日の「よもぎ」染め

          今朝、畑に向かう川ベリを歩いていたら、大量の蓬の葉が生えているのが目に入った。きっと新鮮なので綺麗な黄緑色に染まるだろうなと思って、 ひとつまみほど、周りの蓬を摘んで持って帰ってきた。 朝ご飯の準備をしながら、摘んできた蓬を水に晒し、少し時間をおく。 コーヒーを飲んで、パンを食べて、お腹いっぱいになり、 洗濯物も干し終わって、日曜日の家の仕事も終えて気持ちも晴れ晴れしたので いよいよ、よもぎ染に取り掛かってみる。 下準備とよもぎの色水を作る 毛糸の薄い束を作って石鹸を

          衣 |ひまな日曜日の「よもぎ」染め

          まずは自己紹介(更新途中)

          このZINEのテーマにあたる「手仕事」と「サスティナビリティ」という 2つの関心ごとが私の中で生まれていった経緯について、まず、最初にお話しをしたい。色々な事項が人生に関連しすぎて整理しながら書いてみるも、えらく長くなってしまったのは、悪しからず。 小学生時代の織物と草木染めに関する自由研究 小学生といえば、自由研究。 類に漏れず毎年テーマを考えあぐねていた小学5年生の私が、苦し紛れに家の中を見回してみると、たまたま家にあったドイツ製の織り機が目に止まった。それは、シュタ

          まずは自己紹介(更新途中)