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私的妄想シルクロード

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大陸から朝鮮半島を経て、日本という島へつながるシルクロード。実は、八王子や諏訪など、日本の中でもミクロなシルクロードが続いてるのではと、その道すじを勝手に想像力を働かせて、再現し…
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福知山で丹波生活衣を見る

福知山で丹波生活衣を見る

綾部からの帰り道、福知山で途中下車をしてみた。何気なくGoogleマップを見てたら、
「丹羽生活衣館」とやらいうのが目に入り、
せっかくなので訪ねてみた。

衣にまつわるコレクション約3600点!(すごい量)の資料を収集・展示している資料館で、
主に庶民の生活のなかで日常的に使われていた着物などを「丹波生活衣」とカテゴライズした衣を主に収集している。

この「生活衣」っていうのがいいな!と思った。

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関西の生糸が集まる神戸生糸精査所

関西の生糸が集まる神戸生糸精査所

綾部で製糸会社であるグンゼの歴史を調べていたら、綾部など京都兵庫の山間部で製造された生糸は、神戸港へ集められ、海外へ輸出されていたと知り、気になって神戸港の旧検査所を訪ねてみた。

三宮の駅を降りて、港に面した倉庫街を目指して歩くと、KIITOが見えてくる。
KIITOは、2012年に開業したデザイン・クリエイティブセンター神戸のことで、図書館や企画展示場などの文化センターとして活用されている施設

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グンゼの企業城下町、綾部を巡る

グンゼの企業城下町、綾部を巡る

生糸の製糸で世界的に有名なGUNZE。
創業の地である京都府綾部の町を、
グンゼと製糸業、企業城下町にてついて考えながら歩いてみた。

グンゼはこの綾部の地に年に創業した。それまで京都近郊のこの地域では品質の低い生糸の産地であったが、グンゼの登場とともに瞬く間に生糸の一大生産地へと登りつめた。

綾部の町は、丹波の山々に囲まれた非常に山深いエリアにあり、なぜここでグンゼは創業できたのか、と思うぐら

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西陣のまちと西陣織のルーツを巡る

西陣のまちと西陣織のルーツを巡る

※下記基本的にメモなので、適当に読み流しください。

12:30 西陣織会館

西陣織の歴史と織物の実物が見たくて最初に西陣織会館へ向かう。

【西陣織の歴史】
・応仁の乱の後、西軍の本陣跡一帯に機屋や流通業者が集住
・京都という立地から為政者の庇護もあり、華やあかな高級織物を中心に発展した。
・明治維新後、東京遷都により一度衰退するも、ジャガードをはじめ
とする近代織物技術を導入し、精密な高級織

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諏訪の町と製糸産業

諏訪の町と製糸産業

諏訪の町は、多摩の山々をこえて山梨・長野方面にドライブに行く時に通る町だった。
絹のことを調べたり、登山をするようになってから、この町は通りすがりの町ではなく、目的地として訪れる場所となった。

夏、霧ヶ峰に登って、諏訪湖の方面を眺めると、湖面がきらきらと輝く湖を中心として穏やかに広がる街並みに、人の気配を感じてほっとする。そんな諏訪の町と生糸と蚕の物語を今回はお話していきたい。

山から水は降り

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