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愛の残響

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コロナ禍の中、世の中は冷め切り、人間関係も絶たれていった。 人々は人とのつながりを求めて音声配信アプリに集まった。 そこは複雑な人間関係が存在し、妬み嫉みが渦巻く世界だった。 そ… もっと読む
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はじめに|愛の残響

はじめに|愛の残響

かれこれ3年前、背骨を考えると何十年も前から考えている小説のネタがあります。

文章は下手くそだけども、「個性がある」とは小学校の時に言われています。

漫画家になりたい時もありましたが、実物と同じものを描けない才能しかありませんでした。
ただ、中・高学校の時には「個性がある」と美術の先生に言われました。

星新一に憧れて、小説家になりたいと考えたことがありました。
人に伝わらない文章しか書けませ

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01話 心を癒す声

01話 心を癒す声

コロナ禍の夜の静けさが都市を包み込むなか、優斗は音声配信の世界に足を踏み入れた。音声配信アプリは数たくさんあるが、単に人の声を聞きたいだけだったので人気のなさそうなアプリ「VoiceVeil」(ボイスヴェール)を選んだ。人気がないのはもちろんだがライブ配信を聞く時に自分の姿はほかの方には見えないという、人見知りな優斗にとっては絶好のアプリだった。

このアプリは人気が低いため、ライブ配信の数も少な

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02話 出会い

02話 出会い

結菜がコメントで「こんばんは」と入力した。
優斗はちょうどギターの弾き語りをしているところだった、結奈のアイコンを見た時に歌が詰まってしまったのだ・・・
まさかあの心のアイドルの「結菜さま」が自分の配信にやってくるそんなこと考えたこともなく、今まさにとんでもないことが自分の配信枠で起きているのだった。

優斗は配信の画面を見つめながら、結菜とのコミュニケーションを深めていった。彼女のコメントにはい

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03話 共感

03話 共感

結菜と優斗は連絡を取り合いながら、会う約束を進めていた。ある時、結菜が「私、何歳に見える?」と優斗に尋ねた。彼女の声を聞く限りでは20代後半と優斗は推測したが、女性に対しては実年齢より若く見積もるべきだという教訓を過去の経験から得ていた。その教訓は、ある時女性の年齢を上に見積もった結果、その女性を傷つけてしまったという痛い体験から来ていた。しかし、あまりにも幼すぎる年齢を推測するのも失礼だとも考え

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04話 君とつながる

04話 君とつながる

コロナ禍という無情な時間が、都会の騒がしさを一瞬で静めた。新型コロナウイルスの脅威はなおも拡大の一途をたどり、賑やかだった街は不要不急の外出自粛の声に押され、人々の足は停まってしまった。街全体が灰色の影に包まれ、通りを歩く人々も無表情で、街の喧噪は一気に静寂に変わった。

優斗はテレビやSNSで連日流れ込んでくるコロナ感染者のニュースに苛立ちを覚えていた。「外出自粛」という不透明な要請を出しておき

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05話 夢の中から現実へ、恋は深まる

05話 夢の中から現実へ、恋は深まる

土曜日の朝、優斗は目覚まし時計を止めると、すぐにスマホを手に取った。結菜からのメッセージがないか確認したかったのだ。しかし、画面には何も表示されていなかった。彼女はまだ起きていないのだろうか。それとも、約束を忘れてしまったのだろうか。優斗は不安になりながら、出かける準備を始めた。

土曜日の待ち合わせに対して、優斗の心は浮き立つ一方で、同時に不安を抱いていた。新型ウィルスが蔓延し続ける厳しい現実に

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06話 『二人』の初恋

06話 『二人』の初恋

昨日の言葉には深い背後意図が隠されていた。結菜が昨日「また会おうね」と口にした瞬間、彼女の中には「二度と優斗には会わない」という誓いが燃えていた。結菜は自分が幸せになることで、同時にそれが彼女を不幸にすることを恐れ、それを回避しようとしていたのだ。

「パパ朝だよ、日曜だから遊びに連れて行ってよ」と小さな娘の声で目覚めると、理解れない感情が吹き荒れ、目の前には実在する娘がいるにもかかわらず、結菜に

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07話 再会

07話 再会

結菜は優斗との再会に胸を高鳴らせながら、公園に向かった。彼女は優斗に会うために、特別におしゃれをしていた。彼女は優斗に自分の気持ちを伝えたいと思っていた。彼女は優斗が既婚者であることを知っていたが、それでも彼のことが好きだった。彼女は優斗と一緒になることができると信じていた。

公園に着くと、彼女は優斗を見つけた。優斗はベンチに座って、彼女を待っていた。彼は彼女に気づくと、笑顔で手を振った。「結菜

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08話 透き通る記憶

08話 透き通る記憶

ある晴れ渡った日、結菜と優斗は小さな公園を訪れた。二人はそこで一緒に写真を撮ることになった。ベンチに並んで座り、赤いセルフタイマーが明滅するのを待った。初めての経験に胸躍らせる結菜の顔は、潤んだ瞳が陽光に反射して輝いていた。

そして、その次の瞬間。優斗はいきなり、結菜のほっぺにちょっとしたキスを落とした。彼女はその予想外の行動に、驚きと照れを感じつつも、その幸せ感に満ち溢れていた。

ちょうどそ

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09話 刹那

09話 刹那

クリスマスが近い年末と言うこともあり、お互い家族には忘年会と言って出かけた。優斗と結菜は、クリスマスが近づく年末の夜、親密な一日を過ごしていた。二人はお互いにパートナーと子供がいるという事実を抱えながらも、その事実を忘れるかのように笑顔を絶やさず、楽しい時間を共有していた。

プラネタリウムでは、優斗と結菜は手をつないで、暗闇の中でお互いを見つめ合っていた。星々が天井に広がり、幻想的な雰囲気に包ま

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10話 存在

10話 存在

優斗は思い悩んでいた。年末の忘年会デートが、結菜と自分の間に深い溝を作ってしまったことに。それ以上深い関係になることは、お互いに傷をえぐり出すだけだと感じていた。だが、彼の心の中には、結菜への愛情が溢れており、それに抗うことは出来なかった。
一方、結菜は、優斗が自分だけを見つめてくれる日が来ると信じていた。その信念は彼女の心の中で固く根を張り、何事もなかったかのように彼女は関係を進めていった。

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11話 嫉妬

11話 嫉妬

毎日のように優斗の配信を見つめていた千鶴は、彼と結菜が特別な関係にあることを少しずつ感じ取っていた。配信の中で優斗が結菜に向ける微笑み、彼女に対する優しい言葉遣い、そんな些細な変化からも彼らの繊細な関係性を察知していたのだ。

千鶴は自身の心の中で混乱していた。彼女は優斗に対する独特の感情を抱いていたが、それが何なのか、自分自身でもはっきりとは把握できていなかった。しかし、一つだけ確かなことは、優

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12話 出会い再び

12話 出会い再び

ある日、千鶴は深呼吸をして、スマートフォンの画面を見つめていた。画面に映し出されているのは「ボイスヴェール」という音声配信アプリで、そのアプリで使用している彼女のハンドルネーム「千鶴」と「アイコン」が並んでいた。

千鶴は「ボイスヴェール」のハンドルネームとアイコンを見つめながら、もう一つのアプリを開いた。それは写真投稿アプリ「イメクスト」である。千鶴はハンドルネーム「夜空の星」から「千鶴」に変え

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13話 隔離

13話 隔離

千鶴が自宅で優斗を待ち受けていた時、彼が到着した。千鶴の姿はやせて見え、その青色のシャツが彼女の顔色の悪さを際立たせていた。しかし彼女の顔は彼を見てすぐに明るい笑顔となり、弱々しさを一瞬にして隠した。彼女は彼に手を振った。「優斗さん、こんにちは。お越しいただき感謝しています。どうぞお入りください。」と彼女は言い、優斗は礼を言って家の中に入った。

優斗は千鶴の体調に少し心配そうな表情を見せたがすぐ

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