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授業 〜個別化×生徒主導×達成度基準

『ブレンディッド・ラーニングの衝撃』の衝撃

授業と学習指導の悩みを解決すべく、本を乱読しています。その中で、衝撃だったのが、マイケル・B・ホーンとヘザー・ステイカー著(小松健司 訳)『ブレンディッド・ラーニングの衝撃』です。

この本では、従来の「一斉講義型授業」を「工場型モデルの教育」と言い、変化スピードが早く個人のニーズが多様化する現代に必要な教育のあり方とのギャップを説いています。要するに、社会に合わせて学校のあり方が大きく変わる転換点にいるというのです。

一斉講義型に代わる新たな授業や学校の形として、「学習者中心学習」をあげています。その中でも「個別学習」「習熟度基準学習」の重要性を強調しています。

(個別学習とは)一人の生徒特有のニーズに合わせた学習ということです。学習者の成功を支援するために、学習の個別化ないしカスタマイズがなされます。
(習熟度基準とは)次の単元へ進むには現在の単元の知識やスキルを習得し、応用し、または作成できる能力を示さなければならないということです。生徒は、クラスの平均スピードや事前に決められた規定時間で学習を進めるのではありません。生徒たちは次の単元へ進むには自身が理解するまで取り組む必要があるので、粘り強さや気概が必要です。ただ授業が終わるのを待っているだけでは先へ進めません。

そしてこれらの学習を、併用することを可能とする方法として「ブレンディッド・ラーニング」を提唱しています。これは多くの人数のニーズに対応できるテクノロジーを使い、オンライン学習で誰もが好きなペースで学習することを「大規模」に実現する方法です。

まさに私が追い求めている学びの提供っ!と気分上々です。雑多な感想と今後の展望をまとめてみます。

ブレンディッド・ラーニングのモデル

2014年時点のアメリカを中心としたプログラムがタイプごとに仕分けされています。その中で、今の自分がチャレンジしたいと思った現実味のあるものをあげてみました。

ただ、時間的には少し前の定義なので、最新のものは随時調べてみようと思います。

ステーション・ローテーションモデル

(ローテーションモデルとは)1つの科目の授業で、教師の指示により、生徒が異なる学習形態をローテーションで移動して回る。学習形態の少なくとも一つはオンライン学習で、それ以外は、全体講義、グループ活動、問題演習などが含まれる。

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図にあるように、従来型の対面指導と、これからの社会で必要となる力を育む協働学習、そして個別化されたカリキュラムを個人で進めるオンライン学習の3つを組み合わせたものとなっています。

生徒はオンライン学習でのみ自分のペースで、習熟度に合わせた学習ができます。そこでのつまづきや達成度は、教員がメンターとしてサポートしていく仕組みを作ります。始めからオンライン学習で習熟度別の問題や到達度の基準を決めておけば、教員が工面するコストが減ります。かわりに、生徒たちがいまどの段階にいて、どのように学習に取り組んでいるのかを把握し、一対一で指導することで伸ばすというメリットがあります。

また、演習だけではなく講義も動画で復習できるというメリットがあるので、一回の講義だけでは理解しきれなかった子でも安心して復習することができます。

自分で実現するとしたら

残念ながら、学校のカリキュラム全体を変える力はありませんので、自分自身の授業のカタチを変えるための指針にしてみることにしました。

いまの学習指導で1番悩んでいるのは、成績の伸び悩みです。特に学習習慣がなく、授業にも集中できない子たちは、個々で付いて指導しはじめてようやく少し変化する程度です。なんとか、放課後などの時間ではなく授業中にできるだけ解決したい。そこで次のように変えていこうと考えます。

まず一斉講義は短時間で行い、余らせた時間を使って、オンライン学習を行わせます。主に問題演習ですね。いまある環境は恵まれており、一人一人にタブレットを持たせており、演習できるアプリも揃っています。

私が整える必要があるのは、以下の3点。

・講義の要点を最小にすること
・オンライン学習の方法と到達度のしくみを伝えること
・できるだけ、協同学習のワーク中心にすること

さて、具体的にどう組み立てようかなあ。


次回に続きます。





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