あぶらよ

石川県金沢市で、伝統食の魚のぬか漬け「こんか漬け」を製造・販売しています油与商店です。…

あぶらよ

石川県金沢市で、伝統食の魚のぬか漬け「こんか漬け」を製造・販売しています油与商店です。代表的なものは「こんかいわし」「ふぐの子(河豚の卵巣の糠漬け)」といったものです。因みに自分で7代目となります。

最近の記事

【こんか漬けとお酒】「能登ワイン マスカットベリー」

約2か月ぶりの投稿となります。先月の父の日商戦、そして今月はお中元商戦と慌ただしく過ごし、ようやく本日の連休初日にPCに向かう時間を作れました。 今回のお話は再度、石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合うお酒のお話ですが、紹介するお酒は最近量は多くないもののちょくちょく出る(売れる)地ワインについてになります。 1.能登ワイン マスカットベリーについて今回紹介するのは石川県の奥能登、鳳珠(ほうす)群穴水(あなみず)町にある醸造元・能登ワインのロ

    • 【こんか漬けとお酒】「菊姫 山廃純米」

      今回も再び石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合う石川県の地酒のお話です。 1.「菊姫 山廃純米」について今回紹介するのは石川県白山市の旧鶴来町にある菊姫合資会社の「山廃仕込純米酒」です。 このお酒でよく目にする商品の宣伝コピーや蔵元自身の紹介文は以下の通りです。 しっかり造った麹と強健な山廃酒母で、米の旨味を目一杯引き出された一本。 酸味がしっかり効いた、山廃ブームの先駆けとなった濃醇で飲み応えのある「男酒」です。 個性的な味わいですの

      • 【こんか漬けとお酒】「能登ワイン ヤマソーヴィニヨン」

        今回も再び石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合うお酒のお話ですが、今までは清酒ばかりでしたが趣を変え今回は地ワインを紹介します。 1.能登ワイン ヤマソーヴィニヨンについて今回紹介するのは石川県の奥能登、鳳珠(ほうす)群穴水(あなみず)町にある醸造元・能登ワインの赤ワイン、「ヤマソーヴィニヨン」です。 このお酒でよく目にする商品の宣伝コピーや蔵元自身の紹介文は以下の通りです。 山ブドウに由来する野性的な香りと、どこか日本の原風景を彷彿さえる

        • 【こんか漬けとお酒】「手取川 山廃仕込純米酒」

            久々の投稿となります。今回も再び石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合う石川県の地酒のお話です。 「手取川 山廃仕込純米酒」今回紹介するのは石川県白山市の吉田酒造店の看板商品である人気銘柄「手取川」、その中の山廃仕込純米酒です。 このお酒でよく目にする商品の宣伝コピーや蔵元自身の紹介文は以下の通りです。 コクとキレのバランスを楽しむ純米酒で、蔵に漂う乳酸菌を取り込むという昔ながらの山廃酒母を用い、石川県産五百万石を60%まで磨き低温でじ

        【こんか漬けとお酒】「能登ワイン マスカットベリー」

          【こんか漬けとお酒】「竹葉 能登純米」

          今回は久々に地酒とうちの商品…石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合う石川県の地酒のお話です。 「竹葉 能登純米」 今回紹介するのは石川県鳳珠郡能登町宇出津(能登半島の内浦…富山湾に面した地域)の数馬酒造の人気銘柄「竹葉(ちくは)」、その中で人気のある能登純米です。 このお酒でよく目にする商品の宣伝コピーや蔵元自身の紹介文は以下の通りです。 甘味・酸味・渋味・苦味・旨味のバランスが良く、一口でそれらの味わいが楽しめる飲み飽きのしない酒。 し

          【こんか漬けとお酒】「竹葉 能登純米」

          ぬか漬けの良さ ~効用と個性的な風味について…魚のぬか漬け「こんか漬け」編

          うちの商品「こんか漬け」は、石川県の郷土発酵食で魚のぬか漬けのことを言います。 前回の記事では米ぬかにはビタミン、食物繊維ほか数多くの栄養成分があり、それらの栄養素が持つ効用(抗酸化作用、体の毒素の排出、腸内を掃除)について書きました。 今回は製品自体の持つ効用、つまり「ぬか漬け」は何故身体に良いのかという話をしようかと思います。 腸内環境の改善「ぬか漬け」とは、その名の通り米ぬかに野菜や魚を漬け込んだ食品ですが、発酵食という側面からみると乳酸菌によって発酵した食品なの

          ぬか漬けの良さ ~効用と個性的な風味について…魚のぬか漬け「こんか漬け」編

          米ぬかの良さ

          うちの製品である「こんか漬け」は塩蔵した魚を米ぬかに漬け込み1年以上熟成させる保存食的側面が強い発酵食品です。その熟成期間中に不可欠なのがいわしの魚醤である「いしる」で、前回はその「いしる」についての話をしました。 「いしる」には旨味成分である総遊離アミノ酸等が豊富であり、これを漬物の差し汁に使うことで、味の決め手(旨味をふんだんに取り込む)となり、且つ漬け込まれた魚のたんぱく質を分解する酵素の供給源としての役割も果たします。 また、魚由来の醤油「いしる」には様々な健康効

          米ぬかの良さ

          いしるについて

          今回は「こんか漬け」の味の源・決め手となる「いしる」についての話になります。 いしるとは「いしる」は石川県(能登半島での生産量が多いです)で作られる魚醤のことです。魚介類に食塩を加えて漬けこみ、1年以上かけて発酵し熟成させた浸出液を言います。秋田県の「しょっつる」や香川県の「いかなご醤油」とともに、日本三大魚醤の一つとされています。 いしるの語源「いしる」の語源は諸説ありますが、魚のことを古語(平安時代中期ごろ用いられた日本語)で「いお」または「い」といい、その魚の汁が転

          いしるについて

          【こんか漬けとお酒】日本酒のうま味②

          前回の記事では、日本酒にはよく旨味があるという紹介がありますが、そもそも旨味とは何ぞやという話を投稿しました。前回の記事を要約すると、旨味とは、甘味や塩味とバランスよく合わさることで、その味わいにコクや深みを与え、美味しさを膨らませてくれる味のことで、代表的なものはグルタミン酸(アミノ酸の一種で昆布に多く含まれてます)、旨味物質は単独よりそれらを組み合わせることで更に旨味が増す事、また長期寝かせることでも旨味が増すという内容でした。 さて今回は日本酒にも旨味があり、そして日

          【こんか漬けとお酒】日本酒のうま味②

          【こんか漬けとお酒】日本酒のうま味①

          今まで自分の地元・石川県の日本酒の紹介と、自分のところの商品・魚のぬか漬けで、昔からの発酵食品である「こんか漬け」との組み合わせや相性を投稿してきました。その際に紹介してきたお酒はいずれも純米酒、しかも山廃仕込みのものばかりでした。 純米酒とは、アルコール添加がなく米と米麹、水だけが原料のお酒のことです。また精米歩合(米の磨き具合ですね)でいうと、純米吟醸酒の精米歩合は60%以下、純米大吟醸酒の精米歩合は50%以下に規定されているので、単なる純米酒はこれらに比べ米が磨かれて

          【こんか漬けとお酒】日本酒のうま味①

          【こんか漬けとお酒】「天狗舞 山廃仕込純米酒」

          今回は再び石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合う石川県の地酒のお話です。 「天狗舞 山廃仕込純米酒」 今回紹介するのは石川県白山市の車多酒造の看板商品である人気銘柄「天狗舞」、その中の看板商品である山廃仕込純米酒です。 このお酒でよく目にする商品の宣伝コピーや蔵元自身の紹介文は以下の通りです。 このお酒は、純米酒・山廃造りの代名詞とも言われる天狗舞の看板商品で、山廃仕込み特有の濃厚な香味と酸味の調和がとれた個性豊かな純米酒です。 濃い山吹色

          【こんか漬けとお酒】「天狗舞 山廃仕込純米酒」

          【こんか漬けとお酒】日本酒の甘辛との相性

          日本酒で甘口、辛口という表示を目にしたり、また味の説明で耳にすることがあると思います。今回は日本酒における甘口、辛口の話、プラスうちの商品である「こんか漬け」にはどの味の日本酒が合うのかという話をしてみたいと思います。 日本酒の甘辛を作り出す要素はいくつか挙げられますが、日本酒は米が麹菌の働きによって分解され糖になり、その糖が酵母の働きによって、アルコールと炭酸ガスなどに変わり、お酒は完成します。 甘辛でいうとここで大事な要素は「糖」になります。この「糖」ですが、酵母の働

          【こんか漬けとお酒】日本酒の甘辛との相性

          【こんか漬けとお酒】「常きげん 山廃仕込純米酒」

           今回は石川県の伝統的な保存食である魚のぬか漬け「こんか漬け」と、それに合う石川県の地酒のお話です。 「常きげん」山廃仕込純米酒  今回紹介するのは石川県加賀市の鹿野酒造の「常きげん」、その中の山廃仕込純米酒です。 まずは簡単に蔵元の紹介、鹿野酒造は霊峰白山を望む加賀の地で、文政2年(1819年)に創業しました。「常きげん」という名は、ある年の大豊作を村人たちと祝う席で、4代目当主が『八重菊や酒もほどよし常きげん』と一句詠んだことにちなんだものです。  鹿野酒造が代々受

          【こんか漬けとお酒】「常きげん 山廃仕込純米酒」

          ごあいさつ

           はじめに はじめまして。石川県金沢市にある油与商店と申します。「あぶらよ」と呼びます。  この屋号ですが、創業時は家に明かりを灯すための油を売っていたために付いた称号だそうで、今から凡そ300年前のことになります。その後、現在の水産加工の商いに生業を移行するのですが、それが今から16,70年前になります。少々分かりづらいのですが、この仕事を始めてからの7代目が自分になります。  先ほど、唐突に水産加工の仕事と書きましたが、油与商店は魚のぬか漬けである「こんか漬け」というも

          ごあいさつ