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ごあいさつ

 はじめに

 はじめまして。石川県金沢市にある油与商店と申します。「あぶらよ」と呼びます。
 この屋号ですが、創業時は家に明かりを灯すための油を売っていたために付いた称号だそうで、今から凡そ300年前のことになります。その後、現在の水産加工の商いに生業を移行するのですが、それが今から16,70年前になります。少々分かりづらいのですが、この仕事を始めてからの7代目が自分になります。

 先ほど、唐突に水産加工の仕事と書きましたが、油与商店は魚のぬか漬けである「こんか漬け」というものを製造・販売しています。

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こんか漬けって?

 「こんか漬け」とは塩で締めた魚を米糠に漬け込み、長期間保存し熟成させた発酵食のことで、北陸から山陰にかけて作られている伝統食品の一つです。石川県のお隣、福井ではこれを「へしこ」ともいいます(こちらの呼称の方が知れ渡っていますかね) 。
 この「こんか漬け」ですが、沿海部の漁家を中心にかつて冷蔵施設がない時代の保存食として、根強く生産が続けられてきました。また海が荒れて魚が獲れない時期や、山間部の貴重なタンパク源として重宝されてきたという歴史があります。長年保存食として親しまれてきた「こんか漬け」は、現在では嗜好品として、また北陸ならでは名産品として注目を集めています。

製造者としての思い

 ただ、伝統的な保存食として発展してきたこの食材は、やはり塩分濃度が強めであり、風味(これに関しては後日、改めて記事にします)が魚醤ベースであるので、癖が強い(平たく言えば、万人受けするものではない)ものであるというのは否めないところです。現代は昔と違い、食の嗜好の変化が激しく、また種類も豊富な時代です。

 そんな時代の流れの中で伝統的な食品を、伝統的な製法を頑なに守りながら作り続けている製造者としての自分が今にどうアジャストするか、このnoteという場を借りて作り手側の思いを書き連ねていけたらと思っています。

お酒の話も

 昨年末ですが、酒販の免許を取ることが出来ました。一般販売に加え、通信販売の免許も兼ねてます。「こんか漬け」とお酒(石川県の地酒が中心です)との組み合わせ、うちの商品で言うと「ふぐの子(河豚の卵巣の糠漬け…石川でしか製造販売されていない珍味です)」とどのお酒が合うのかなんてお話もできたらと考えています。こんかとお酒のマリアージュ

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今後ともよろしくお願いいたします。

余談

 最近よく耳にするマリアージュという言葉、フランス語だそう。飲み物と料理の良い組み合わせ、互いに香りや味を高め合う組み合わせの際に用いられるみたいですね。まるで自分とうちの嫁はんの関係みたいというおふざけ的な惚気はさておき(笑)、フランスと自分はあまり縁がないです。行ったこともないかな…フランスと言えばサッカーのジダンか、これしか思い浮かばなかったです。高校卒業時くらいに良く聴いていました。

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ヴァネッサ・パラディ。


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