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KH1992
2021年11月13日 18:10
自らの衰退した血統を呪うときがある。小柄な我々を小さな部屋に押し詰めて、課せられた労働は残酷なものだ。しかし、だからといってたかが蚕に同情してくれる組合などあるまい。 人がそうであるように、蚕も一人孤独となり成虫となるための心構え、準備が必要となる。繭に入りこんだ同志はなにを考えていたのか、なにを期待していたのか、大概の場合は分からずじまいのまま釜茹でにされ、我々の儚い生命を喰い物にした連中が
2021年11月7日 20:09
つい先日、叔父が亡くなったことを聞いた。十年ほど前から彼とは疎遠であったし、こちらに電話を寄越した父も、自らの弟の死についてどこか他人事のようにも感じる、そんな簡易的な連絡だった。 念のために言う。我々は叔父のことを嫌っていたわけでも、疎ましく考えていたわけでも、そして実際に他人事で済まされるような関係性では決してなかった。ただ、彼が彼なりの人生を歩んだ道程に、我々が存在していなかった。それだ