他人と違う道が、あなたの道
多くの情報に囲まれた私たち現代人にとって、選択するという行為は非常に重要な生きるための要素です。
現代人の一日に得る情報量というのは、江戸時代の人間の一年分に相当し、平安時代と比較すると、なんと一生分だということです。
そして、そのような膨大な量の情報から、私たちは一日に60,000回以上も思考を行い、さらに、自身の行動を決定づける選択を一日に35,000回以上も行っているという説もあります。
このことから、情報そのものの大切さだけでなく、情報の取捨選択であったり選択する行動も大切になってきています。
さまざまな情報をもとに、私たちは仮説を立てて行動し、改善を繰り返していくのですが、この最適化のサイクルの中で忘れられているモノがあるのではないでしょうか?
ということで、今回は情報の選択について考えてみようと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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一日あたり35,000回以上といわれる私たちの選択…いわゆる決断回数について、少し考えてみましょう。
あなたは日々の暮らしの中で、どんなことを決断していると想像しますか?
朝、脳がゆっくりと覚醒していく段階で、まぶたをいつ開くのか、背伸びをするのかしないのか、いつ上体を起こすのか…などなど。
考えだしたら、キリがないと思います。
では、重要な決断は35,000回以上ある中で、どの程度あるでしょうか?
…個人的な意見ですが、この「重要な決断」というのは、大きな1回ではなく、たくさんの決断の繰り返しの延長線上にある概念だと考えています。
つまり、重要な決断には、たくさんの決断が必要であるということです。
このことから、些末なことに限られたリソースを使うことを避ける、という決断をする考え方が出てきました。
スティーブジョブスやマークザッカーバーグが、変わり映えのない服装を好むのは「服を選ぶ」ということに決断回数を消費しないためだそうです。
このような成功者の思考から、重要な決断に備えて、シンプルな生き方をしようという潮流が出来上がりつつあります。
しかし、私はここに問題点があるのではないかと思うのです。
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「学ぶことは真似ること」という言葉があります。
自分の理想とする生き方や思想を持つ人物の行動や思考のパターンを模倣することで、その人のような成功を収めるスキルとマインドを手に入れることができるという理論です。
これは、まだ情報が限定的であった時代には重要であったと思います。
限られた情報をいかに集め、いかに学ぶかを考える行為そのものが、成長を飛躍的に高める行為であったと考えるからです。
ですが現代では、多くの情報が二次情報としてインターネットの海に浮かんでおり、模倣がしやすい環境となっていますし、目標とする人物も多くの他者と共有しているような状況となっています。
他者と同じ目標を目指す行為は、コモディティ化と呼ばれ、イノベーションとは対極の環境になります。
不思議な日本語ですが、イノベーティブな思想がコモディティ化することで、パラドックスが生じることがあるのです。
このようなパラドックスが生じている場合、時代の潮流は一度逆行する傾向にあると思います。
たまに「トラジショナル志向」と呼ばれる「古き良きものに触れる」ことにフォーカスが集中することは、このコモディティ化が影響しているのではないかと感じるのです。
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このブームやトレンドのような流れは、非常に読みづらく、ビジネスの成長曲線に不規則な値を刻みます。
要するに、正攻法が通用しない時期の存在を意味します。
現代は、多くの人が勤勉に精力的に学び続けていますが、それゆえに多くの挫折者も生み出しているように思うのです。
ここには、学びの法則に則した行動が原因の一部を担っているのではないでしょうか?
35,000回もの選択肢があるのに、正解を求めすぎて自分らしい選択ができていないと思いませんか?
人と同じである必要はないと、私は強く感じるのです。
他人にとって、ムダで非効率で遠回りでイノベーティブではない道であっても、それがあなたにとっての最適な成長の道かもしれないのです。
なぜ、人と同じ道を歩む必要があるのでしょうか?
人と同じ道が正解であると、あなたは本気で信じているのでしょうか?
万が一、その道が行き止まりとなった際、あなたはちゃんと納得できますか?
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一般的には、確かに最適解を導く正攻法は、多くの人の行動に追従することです。
しかし、そこはレッドオーシャンであり、競争することが必然の世界です。
そこで決断し続けることの方が、ストレスではないかと私は思います。
ときに失敗しようとも、自分で決断したのだと納得感をもって他人と違う道を歩むことこそが、あなたらしい決断なのかもしれないことを、今一度考えてみてはいかがでしょうか?
私は他人に追従した経験も、失敗や挫折を味わった経験もあるからこそ、このように考えます。
あなたの心は、どういった決断をされますか?
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。
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