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駆け引きと裏切りが白熱!『さよならの言い方なんて知らない。6』を読みました。

「さよならの言い方なんて知らない」の第6巻が上梓されました。
5巻で架見崎の世界の秘密が暴かれたので、てっきり5で終わりなのかと思ってましたが、まだ続くようでした。今までに引き続き、楽しく読ませていただきました。感想を綴ります。

5巻より前の感想も書いてますので、よかったらどうぞ!

あらすじ
裏切り。疑念。騙し合い。
戦争の果てに起きる、奇跡。
架見崎に現れた新たな絶対者。ウロボロス。「彼」の登場は、戦う意味をすべて変えてしまった。勝者に与えられる報酬「欲しいものをなんでも1つ」を本気で手に入れるため、香屋歩はエデンの実質的リーダー、ユーリイとの共闘を決意する。一方、新たなチームを立ち上げた冬間美咲は、三国が戦争状態に陥る中で、ある目的のために暗躍していた……。
裏切りと奇跡の青春劇、第6弾!

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「ヘビ」の出現によって、新しい野望が示されました。
大きな展望を書くと、「ヘビ側」VS「ヘビではない側」です。ここで面白いのは、最終的な目的は2分されるが、チームは三つ巴であることです。
中規模のチームがほぼ消滅し、大きなチームに吸収されて3つのチームが幅をきかせています。

今までの戦いで、主戦力の能力が明らかにされてお互いの手札の強さが把握できるようになっています。また、戦闘スタイルやオリジナルの使い方から戦闘における相性も明らかです。

6巻でも特に大事だったのは、「誰につくか」です。
同じチームといっても一枚岩ではありません。裏切りが多発し、戦場のパワーバランスが一瞬でひっくり返ります。ここが最高におもしろかったです。いつから裏切っていたのでしょうか。どこで裏切りのでしょうか。

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「誰につくか」で興味深いのは、リーダーのカリスマ性です。
特に、「トーマ」のカリスマ性には目を見張るものがあります。(読んだ人はわかりますよね?)派手さもあるのですが、入念な準備がモノをいいます。どれだけ先を読んでいたのか。。。

トーマほどカリスマ性を持たない香屋は次にどんな戦略を立てるのか楽しみです。勝てる分野で勝つ。これが鉄則のようです。強い人は弱点で戦わず、勝てるスタイルに引きずり込みます。このあたりがきっちり書かれています。

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言葉の駆け引きが魅力的な作品です。しかし、言葉だけで動くわけではありません。ロジカルな理由で動かせるのは、目的がはっきりしていて論理思考を持つ人です。感情で考える人もいます。(↓引用の「〇〇」はネタバレしないように名前を〇に置き換えています。)

ウォーターは言った。
「〇〇はまだ生きている。彼は確実に助けよう。オレの仲間になれ、ホミニに」状況はシンプルだ。論点ははっきりしている。~略~
「お前は、〇〇〇の仇だ。どうやって手を組める?」
「俺を殺しても〇〇が生き返るわけじゃない。復讐に意味があるかい?」
「復讐っていのは、なにかかがほしくてやるもんじゃないんだ。胸につっかえて息もできねぇ、気持ち悪いもんを吐き出すためのもんだ。」
「うん。たぶんそうなんだろうね。」

p218~219

感情も書いているところがすごいです。戦場の絆が見え隠れしてますね。香屋のような戦術家の視点で書かれると、各メンバーは強さと能力だけで見がちです。ところどころに、割り切れない感情が入っています。戦場には血も涙もあるのです。

元キネマのメンバーは各チームに離散しています。元々同じチームでいた人が戦場で何を語るのかが見所ポイントです。

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次巻7巻は夏ごろ発売のようですね。次も楽しみです。
フィナーレを心待ちにしましょう。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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