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2021年4月の記事一覧
#175_身体が、コップの水の波のように穏やかに整っていくのを邪魔しないために、ヨガでは呼吸を用います。
ヨガセッションでは、ほぼかならずセッションの最初に「呼吸を整える」時間があります。
生まれて初めて「呼吸を整える」と聞くと、それは当然「整っていないモノに、意志の力で秩序を与える」という行為だと考えてしまいますが、実際には「整うのを待つ」が正解です。
コップに入った水をテーブルに置いてゆっくり待っていると、水面が波立っている状態から波立っていない状態へと整います。
同じことが、身体に起こりま
#174_未来はすべて想像であり、まったく無防備でいることが出来ること。
ヨガを続けていると、樹木から枯葉が落ちるように、おだやかに気づきが訪れます。
周囲からどう見えているかが自分を成立させていること。
心身が肯定したり否定したりする対象になっていること。
生きる目的が「自我」を守ることになっていること。
未来はすべて想像であり、そこに不安という意味を与えることも安心という意味を与えることも、あるいはまったく無防備でいることが出来ること。
ヨガがなぜ身体の動きを静
#173_「がんばる=辛い」と「がんばらない=楽」というモノサシのほかに「意識と身体が受け入れあっている状態」と「意識と身体が受け入れあっていない状態」というモノサシがあります。
アーサナの時間(ポーズを保持している時間)は、決してなにか辛いことに耐えている時間でも苦しいけどがんばっている時間でもなく、身体が身体に起こっている出来ごとを心地よく受け入れて幸せを感じている時間です。
「がんばる=辛い」と「がんばらない=楽」というモノサシのほかに「意識と身体が受け入れあっている状態」と「意識と身体が受け入れあっていない状態」というモノサシがあります。
後者がヨガの入り口。
#171_ぼくらの使うコトバは、身体とは意識の命令に従って動くものという前提で出来ていますが、ヨガではコトバに規定されない意識と身体の関係を模索します。
ヨガ講師は「ユルいポーズ」をたくさんセッションでやりたいと思っています。
トレーニングを重ねて出来るようになる難しいポーズにほとんど興味がありません。
最小限の身体の動き、最小限の身体への負荷で、最大限の身体への癒しを与えている状態を追求することは、ヨガの本質につながる一歩です。
身体が、いま身体に起こっている出来ごとを受け入れている状態、いまから身体に起こる出来ごとを受け入れている状態は、
#170_たとえば仰向けに眠るようになったり、肥満が解消されたとしたら、それは氷山の一角です
アーサナ(身体を使ったヨガ)を一定期間続けると、体調が整います。
体調が整うと、日々が快適になり、不調を我慢している時間がなくなります。ストレスを解消するための嗜好品の摂取やネガティブな生活習慣が不要になり、気分や機嫌が良くなるので周囲のひとびとも快適になります。
健康法としてのヨガは有効ですが、それはぼくらに馴染みがある対処療法とは対局的に、体感出来る症状を解決するのではなく、体感出来ない下
#169_時間と空間を日常から切り離し、その場にいる者はお互いにコミュニケーションを持たず、講師は眼を閉じます
アーサナ(ヨガのポーズ)をしているひとの状態にはふたつの種類があります。
意志の力で身体をポーズのカタチにして筋力で動かないように固定している状態と、調和がとれて緊張が消えて動く必要がなくなって静止している状態。
ヨガでは後者を良しとします。
後者であるために、つまり、他人から見た自分の姿を整えるために身体をコントロールしているのではなく、自分の心身が静かに澄んで深い気づきと癒しが実現する準
#168_なにを捨てられずにいるんだろう。しがみついていたくないし、いらないものを捨てるとしたらそこかなあ。
こうやって坐って、時間をかけて静かになっていって、自分の身体をわすれて、そうして、身体のことを思い出す必要がないことに気づきます。
思い出してもいいけど、わたしってそれじゃないなあ。
わたしってそれかもしれないけど、思い出したのはコトバだし、コトバなので良いとか悪いとか未来とか過去とかいろいろくっついてるし、しがみついていたくないし、いらないものを捨てるとしたらそこかな。
精肉売り場に並んでる
#167_気持ちの良いところを見つけたらそこで動きを止めて、吐く息を待って、その姿勢のまま力を緩めていきます。気持ちよければ気持ちよいほど良いです
「手のひらと膝で四つ這いになって、そうっと少し背中を降ろして、真ん中に大さじ一杯ぶんくらいの水を溜めておけるくらいの浅いくぼみが出来たとイメージします」
「水がこぼれないように、背中の高さが変わらないように、首を肩より少し高いところまで持ち上げます」
「ひとつゆったりと呼吸をしてから、目線を上げて目の高さを見ます」
「もういちど深い呼吸をしてから、気持ちの良いところを探すように、ゆっくり頭を
#166_「それを手離したらどうなるんだろう、自分がなくなっちゃったらどうなるんだろう、さびしいなあ、こわいなあ、という嵐のような波が、長い時間をかけておさまって、おだやかになって、鏡のようにつるつるの平らになって、そうしてやっと、握っている指を開きます」
「お葬式にたくさんの人が来てくれるような生きかたのお話を聴いたんですが」
「へえ」
「でもじつは、なにか気になっていて」
「そうなんですね」
「みんなが自分のことをどう思っているかが、わたしにとって一番大切なことのような気はするのですが」
「大切ですよね」
「でも、一番大切なことがそれ以外にあるひとが、わたしの周りにもたくさんいて、ほんとはそっちのほうがいいってわたしは思ってるんじゃな