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アルバニアの首都は食の宝庫だった

バルカン半島の国々をいくつも訪れると共通項のようなものが見つかっていきます。

キリスト教とイスラム教は混在しているものの、だいたい教会かモスクはどの街にもあり、それを中心にまちづくりがされています。

どの国もアジア人自体が珍しく、まして日本人だとわかると手を振ってくれたり、自分が使っている日本のもの(車やバイクなど)を自慢してきます。

食では、圧倒的にトルコ料理の文化圏で、どこに行ってもケバブやキョフテ、またはそれをローカライズしたものを食べられます。

歴史を見てみると、オスマン帝国の勢力が侵食していたことの証左でもあり、まして大国において首都コンスタンティノープルからほど近い地域で強い影響を受けるのは当然だと思います。

また、オスマン帝国没落後に発足したユーゴスラビアという共産主義の大国も、これらの国々の文化や生活を語る上では欠かせないことでしょう。

そういった事柄を踏まえると、アルバニアという国は異色かも知れません。

英雄スカンデルベクがオスマン帝国と対等に張り合ったり、ユーゴスラビアに侵食されなかったり、独自の国を守り続けました。

そんなアルバニアの首都・ティラナ(Tirana)を訪れてみました。

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バスの車内からみた第一印象は、雑多なアジアのような雰囲気。フィリピンやベトナムなどの少し街の郊外に行った時に感じるあの煩雑さに近いものがありました。

しかし、市の中心に近づくにつれて、街はおしゃれで都会な雰囲気を受けます。

いくつもの高層ビルを建設しており、おしゃれなカフェにおしゃれなレストランが立ち並び、人々は上品な雰囲気を振りまいています。

要塞の跡地を利用したおしゃれストリート

ある意味、こちらも最近のアジアな感じを受けたものの、でも何か精錬された安定感のようなものも感じます。

その正体はなんだろう?

トルコから来たと思われるカフェ文化は非常に強く根付いており、町中の至る所にカフェがあります。Wi-Fiがあったり、充電できるところも多く、店内ではパソコンで仕事をしているデジタルノマドも多くいるように見受けられました。

人々は東欧の顔立ち。白人が多く、すらっとしています。

この国何かが違う。

それまで行った北マケドニア、コソボ、モンテネグロとは明らかに違う雰囲気がありました。

もしかしたらギリシャの影響も受けているのか?そんな感覚すらありました。

街の中心・スカンデルベク広場

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そんな僕がいちばん驚いたこと。それはです。

事前に情報は調べていました。トルコ、ローカル、そしてアドリア海の対岸にあるイタリア。アルバニアの食はこれらの文化が混ざり合っている、と。

トルコやローカルはまだわかるものの、イタリア料理に親しみがあるとは驚きです。

疑問に思った僕は、着いて早々街の食堂みたいなところに入ってみました。

メニューにはパスタやピザ、リゾットなどが当たり前のように書かれています。やはりイタリア料理が定着している。

しかも安い

ピザは、一枚丸々注文してもわずか300円〜400円程度。

実際にマルゲリータを食べてみたところ、熱々でとても美味しい。釜で焼いて作られており、本格的でした。

マルゲリータ。美味しかった

この国、すごいぞ。

徐々にアルバニアという国に対する興味が増してきました。

通貨は独自の「レク」(Lek)を使い、しかもキャッシュレスはまだまだ進んでいません。ユーロは使える箇所はあるものの、ぼったくり目的なども多いと聞きます。

いちいち現金を引き出す必要があるものの、レクは1Lek=1.2円という、日本人にとってはとても計算しやすい通貨です。路上で売っているスブラキは250Lek、つまり300円。なんて計算が簡単なんでしょう。

予想外のアルバニアに驚きが欠かせないとともに、この旅で食事量を制限していた僕にとって大食い魂に火がつきました。

ピザ、スブラキ、パスタ、ビーフシチュー、そして宿で提供される無料の朝ごはん。

たくさん食べてしまいした。

タスチェバプ(Tasqebap)と呼ばれるビーフシチューは、長時間煮込んだスープがとてもまろやかで、スパイスが効いてとても独特な風味を出していました。

路地裏のあまりおしゃれではないローカル食堂でしたが、あまりの美味しさに笑顔が止まりませんでした。追加でピラフも注文したくらいです。

タスチェバプ。絶品

カフェに行ったら、コーヒーやサレップ、そしてアイスクリーム。

止まりません。しかもどれも安い。

この国すごい。すごすぎる。

露店のアイスクリームも絶品

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肝心の観光に関してはほぼ見るところがなく、バンカーと呼ばれるシェルターを改造した博物館を見に行ったり、公園でゆっくり湖を眺めた程度です。

共産主義の影響が残る無機質な建物とストリートアートは、こちらも健在。

だからこそ、アルバニアという国の食のユニークさが際立ちます。

街中に多くあるカフェでは、パソコンで作業をしているノマドワーカーのような人たちをたくさん見かけました。

春はもう来ている

人々がこの国に魅力を感じる理由は僕もよくわかりました。

観光地ではないものの、観光地ではないゆえに目の前の食を楽しめたり、作業に集中できます。僕もパソコンを持ち込んで作業をしたくらいです。

意外にハマってしまったアルバニア。みなさんもぜひ訪れてみてください。

僕はこれから再びギリシャに入り、次はあの紫冠の都を目指します。

まだまだ旅は続きます。




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それでは、また明日お会いしましょう!

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