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海と魚とスパイスのにおいを感じる街・イスタンブール

昨日、ジョージアからはるばるバスに乗ってトルコのイスタンブールへやって来ました。

長いバス旅で疲労困憊かと思いきや、意外に快適だったバスの設備のおかげで、到着後はすぐに活動を始められました。

宿まで重い荷物をゴロゴロ引っ張っていき、いざ街中へ繰り出します。

先日の大地震でトルコに行くことを心配してくださった方もいらっしゃいますが、イスタンブールは震源地から遠かったこともあり、全くと言っていいほど影響はありません。

ただ、観光客は減っているのでしょう。そんな様子を感じました。

今回はそんなイスタンブールを歩いて感じた情緒的なことについて書いてみたいと思います。

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アジアとヨーロッパの境目、と言われることの多いイスタンブールは、街の中央に大きな海峡(ボスポラス海峡)が位置しているのが特徴です。

そのため、この海峡を境に西側を「ヨーロッパ側」、東側を「アジア側」と呼びます。

トルコ最大の都市ながら、アンカラに首都を譲っている為、ここは首都ではありません。

しかし、世界史を勉強した人なら、ここがかつてオスマン帝国の首都「コンスタンティノープル」であったことはご存知でしょう。

オスマン帝国のコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)は、紀元前660年頃にメガラの植民都市として創建され、その後、東ローマ帝国の首都として栄えました。

1453年、オスマン帝国のスルタン、ムハンマド2世が率いるオスマン軍がコンスタンティノープルを包囲し、4月6日に陥落させました。この出来事は、東ローマ帝国の滅亡を意味し、オスマン帝国が東ローマ帝国の後継国家としての地位を確立する契機となりました。

オスマン帝国は、コンスタンティノープルを自らの首都とし、都市の再建と発展に取り組みました。スルタン庁舎、モスク、宮殿、市場、公園など、多くの建物や公共施設が建設され、都市は美しさと繁栄を取り戻しました。

20世紀初頭、オスマン帝国は第一次世界大戦に参戦し、敗北したことで崩壊しました。その後、トルコ共和国が成立し、首都はアンカラに移されましたが、コンスタンティノープル(イスタンブール)は今でもトルコの最大都市であり、多くの観光客が訪れる人気の観光地として知られています。

ChatGPTより

第一次世界大戦で敗れるまでおよそ1600年間、世界の中心地と言われた場所が今のイスタンブールになります。

そんな栄光の歴史を抱えたイスタンブール。

ヨーロッパ側の遺産群は世界文化遺産として登録されており、昨日はその辺りを中心に歩いてみました。

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ハリチュ湾(金角湾)にかかるガラタ橋に来ると、開放的な気分になります。

ガラタ橋からの景色

東側にボスポラス海峡を臨み、その向こうには対岸のアジア側がくっきりと確認できます。どこまでも広がる市街地にこの街の大きさを感じます。

どことなく風が吹き、潮のにおいに包まれます。

以前までいたジョージアのトビリシは内陸地だったため、潮のにおいを感じて懐かしい気持ちになりました。

ここは海のある街。黒海とマルマラ海に挟まれ、大洋からは遠い場所ではあるけれど、れっきとした海の街。

名物・鯖サンド(バルク・エキメキ)を売る人たちも目に移ります。魚を焼くにおいにも懐かしさを感じます。

ただ、ガラタ橋の鯖サンドは観光客向けで値段が少々お高め。またの機会に食べようと思います。

今日は天気が良く、太陽がぎらぎら輝いてます。雪降る地域を通り抜けたため、この気温差に驚きつつ、少し汗ばむ気候に春の訪れを感じてワクワクした気分になりました。

トルコ語が覚えられないから手に書いてた

橋を渡るとエジプシャン・バザールと呼ばれるスパイス市場があります。一気につつまれるイスラムの空気に驚きが隠せません。

ありとあらゆるスパイスが混じった独特のにおいに、異国情緒を強く実感します。

イスタンブールとは、アジアとヨーロッパの境目と呼ばれるけれど、イスラームの文化が色濃い街だ。直感的にそう感じました。

なんとなく、この街の魅力的な部分がわかってきたような気がします。

エジプシャン・バザールの熱狂的な市場

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細い路地にはなぜか女性用の下着がたくさん売られており、なぜか販売しているおじさん達は僕に声をかけてきます。

不思議だ。

以前、とある人のTwitterに書かれていた言葉を思い出します。世界三大人懐っこい国は、インド、メキシコ、トルコだと。

確かに。

この国に来てから、現地の人からよく話しかけられます。特におじさんと美女。主に何かを買ってくれ、という勧誘です。

話しかけられることは嫌じゃないけれど、いらないものは買いたくない。笑いながら逃げるようにその場をやり過ごします。

そのうち、イスタンブールの有名な観光エリアにやってきました。ここにはアヤソフィア、ブルーモスク(スルタンアフメト・モスク)という二つの巨大なモスクと地下宮殿があります。

今回は中に入ることを見送ったものの、その観光地ならではの雰囲気に楽しい気分になります。

アヤソフィア、列が長くて中には入らなかった

近くでは焼き栗や焼きとうもろこしを売っている屋台があり、その美味しそうなにおいにつられそうになりました。

しばらくモスクを見ながら休憩していると、とある青年が話しかけてきます。メキシコから観光で訪れている24歳の青年は、イスタンブールが大好きになったそう。

彼は、お世辞にも上手くない英語でこの街の魅力を熱く語ってきます。僕はまだ来たばかりだけれど、その青年の姿勢に微笑ましくなってきます。

そして、かつて僕がメキシコを訪れて、タコスでお腹を壊したことを伝えたところ、申し訳ない顔をして謝ってきました。いやいや、あなたのせいじゃないから。その話をしなきゃよかったと思ったけれど、仲良くなれました。

そんな出会いもありつつ、夕日の沈んでいく海を求めに青年と別れを告げます。

ブルーモスク(スルタンアフメト・モスク)と太陽

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長い坂を降りて、南側のマルマラ海沿岸にやってきました。ここは海沿いに遊歩道があり、散歩やランニング、サイクリングをしている人たちがいます。

午後6時、ちょうど海の向こうに日が沈もうとしていました。開放感のある場所で、ここでも潮のにおいを全面に浴びます。

素敵

この街で歴史を感じるのも楽しいけれど、大自然から受けるエネルギーを感じるのも楽しい。

ちょっとずつ見えなくなっていく太陽を見て、今日という一日の終わりを感じていきます。

この時、無に近い感覚になっていました。

長いバス移動を経てたどり着いた地は、栄光と没落の歴史を持つ世界都市でした。そういった長い歴史やトルコの独特な文化に触れつつも、改めて自然から受けるパワーに感動している自分がいました。

生きててよかった。そう思えた瞬間でした。

マルマラ海に沈む夕日

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初めて訪れたイスタンブールは、たった半日の探索でも、多くの驚きや発見がありました。また、潮や魚、スパイス、屋台の美味しそうな食べ物など、あらゆるにおいがあったことも印象的でした。

シンプルにこの街が好きだと思ったし、もっともっと知りたい気持ちが湧きました。

人々がイスタンブールに思いを寄せる理由がわかったし、この街の魅力を身に沁みて感じました。

今日の夜、ギリシャに向けて旅立つけれど、来月再び来る時はまた違った一面を見てみたいと思いました。




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それでは、また明日お会いしましょう!

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