独立して3ヶ月が経ち、吹っきれたこと
ビジネスでも人生全般でも「信頼関係」は大切です。
ビジネスの観点でいうと、フリーランスのライターであるぼくには、以前のような「所属している会社の信頼」はありません。
有形の商材を売っているわけでもないので「あ、こういう感じの商材なのね」という「可視化された信頼」もありません。
つまり「ぼく自身への信頼度」がそのまま「ビジネスにおける信頼度」に直結します。
もともと、人としてもビジネスパーソンとしても「信頼関係」には気を使ってきたつもりでした。
さきほども書いたように、フリーランスのライターはその重要性が増すので「もうめちゃくちゃ信頼関係に気をつけよう」と思っていました。というか、いまも思っています。
ただ、個人事業主になり3ヶ月が経って気づいたのは「完ぺきな人間になるのは無理だな」ということ。
25歳にもなって、ようやく「この世に完璧な人間などいないのだ」というこの世の理に気づきました。
どれだけ気をつけていても、人間は誰でも失敗をするし、ビジネスの失敗という意味であれば、思ったような成果が出ないこともあります。
失敗例で言うと、たとえば最初にクライアントへ伝えた原稿の期日に間に合いそうになくて期日を延ばしてもらうことがあったり、ビジネスの失敗で言うと、思ったより記事の反響がないことがあったりと、まあ挙げ出すとキリがないです。
あと「失敗」という話からはちょっと逸れるのですが「完ぺきな人間」なんて無理だっていう話でいうと、個人的にショックだったのは「好きな人たち全員と平等にお付き合いするのって難しいのだな」ということ。
たとえばぼくが独立するっていう話を聞いて、何人もの友だちや先輩・後輩が仕事の連絡をくれました。
その気持ち自体がもうめちゃくちゃ嬉しいしありがたいので、できることなら全員と一緒にお仕事したいのですが、いかんせんぼくの体はひとつしかありません。
スケジュールや仕事内容、予算などの関係でせっかく相談をもらっても一緒にお仕事できないことがありました。
あと、直接的に仕事をしていない人に対しても申し訳なさを感じることも増えて。
予定よりも仕事が押してしまって、飲みの開始時間に間に合わないとか、そもそも仕事のスケジュールの関係で断ってしまうとか。
こういっちゃめっちゃ失礼ですけど、ぼくも生きていかないといけないので「仕事」と「友だちとのご飯」だったら、ほぼ100%前者を優先せざるを得ません。
そんなこんながあって「ああ、いまの俺ってなんだかイケてるやつじゃないな」と感じる瞬間が、フリーランスになってから増えました。
ただ、あまりにもそういった自分に向き合う回数と時間が増えすぎて、最近はもう開き直ったというか諦めたというか「完ぺきな人間になるのなんて無理だ」と思うようになりました。
生まれた瞬間から今日まで、そしてこの先もずっと、ぼくは神ではなくてただの人間。
ミスをするし、時間に遅れることもあるし、成果が出ないこともあります。
良いのか悪いのかはわかりませんが、それも含めて全部「藤本 健太郎」だなと思うようになりました。
大事なのは「ミスをしないこと」ではなくて「ミスをしてしまいそうなとき」や「ミスをしてしまったあと」の対応。
「あーミスった。もうこの世の終わりだ・・・」ではなくて、まずは失敗した事実を受け入れて、その「起きたこと」と「今後の対応策」を伝えて、実行すること。
それこそが「完ぺきな人間」ではない「誠実な人間」のやるべきことではないかなと、考えるようになりました。
こうやって書いてみると、めっちゃ当たり前のことなんですけどね。
「フリーランスは信頼関係が大事だ。めっちゃ完ぺきな人間にならなければ・・・!」の呪縛が強すぎて、ひとつの失敗に対してすんごいデリケートになっていました。
「信頼関係」はその性質上、自分ひとりでどうにかできるものではないです。
だから目の前にある一つひとつの事象に対して、フラットな気持ちで「より誠実な言動」を選択する。
仮になにかひとつ失敗したとしても、それに対して適切な対処さえすれば、次の事象には切り替えて、再びフラットな気持ちで「より誠実な言動」を選択しつづける。
ぼくにできることは、それくらいしかないのかもしれないです。
最後はちょっと抽象的な感じになってしまったんですけど、要は「誰でも失敗はするから、失敗自体にそこまで落ち込まなくてもいいよ。大事なのはそのあととその先」という話でした。
「完ぺきな人間」ではなくて「誠実な人間」になるんだ。
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