畠山健太

中小企業診断士の畠山健太です。 現在、副業としてベトナムのスタートアップ企業への投資と…

畠山健太

中小企業診断士の畠山健太です。 現在、副業としてベトナムのスタートアップ企業への投資と、当該企業へのコンサルティングを実施しています。 クラウドソーシングのような時間を売る副業ではなく、投資型の副業にチャレンジし、 その経験を伝えて行きたいと考えています。

最近の記事

9.クッキー工場の今後について

世界的に広がっているCovid19の影響で、外国人観光客のベトナム入国が制限されています。普段は外国人観光客で賑わっているドンコイ通りのお店の多くは閉店してしまい、お土産店に卸していた競合企業の多くも撤退、もしくは休業を続けています。私が好きだったお店の多くもホームページやSNSは残っているものの、更新が止まっており、休業なのか廃業なのか分からない状態です。(トップ画像はテナントが全て撤退してしまったホーチミンのLucky Plazaショッピングモール。いつもは通路が無くなっ

    • 8.投資型副業を通じて実現したいこと

      今回、ベトナムの投資型副業にチャレンジしている理由の一つは、副収入を得ることです。私の本業は会社員ですが、第一線で高い報酬を得られるのはあと10年程度です。その後は、役職定年を迎え、嘱託勤務となり、徐々に存在価値も収入も下がり続けます。変化の激しい現代社会においては、いつ会社が無くなってしまうかも分かりません。副業だけで生活するのは不可能ですが、本業を失ってしまった時にも、収入源を確保できている事は大きな安心に繋がります。 そして副収入よりも大きな理由は、社会人としてのキャ

      • 7.ベトナムの起業環境

        ベトナムの物価は感覚的には日本の1/10程度です。その為、起業に必要な投資も日本での起業と比べると、とても低く抑える事が出来るので、起業の練習にはとても適しています。また、道徳観のレベルが日本人とベトナム人は近いと感じており、信用できるビジネスパートナーも見つけやすいと思います。 しかしながら、起業に必要な周辺サービスがほとんど整備されていないのが実情で、日本の感覚で起業準備すると、必要以上の手間が掛かってしまいます。日本では、資金調達もWebを通じたクラウドファウンディン

        • 6.ベトナムの労働環境

          中国の賃金上昇と政治リスクの回避先として、ベトナムはネクストチャイナの最有力候補となっています。中国からの工場移転に伴う労働需要も高く、平均賃金も年々上昇しており、毎年6%台のGDP成長率に繋がっています。 しかし、ベトナムでの作業は、組み立てや縫製が主流であり、タイのように部品や素材を製造する工場がありません。こうした組み立てや縫製作業は付加価値が低く周辺産業も育たない為、「低賃金」以外の差別化が難しい領域となります。その為、ベトナム全体の失業率は2%程度にも関わらず、工

        9.クッキー工場の今後について

          5.ベトナム社会

          ベトナム社会主義共和国はその名前の通り社会主義国になりますが、1986年のドイモイ(刷新)政策により、市場経済の導入と海外投資の受入れを徐々に開放しています。しかし、開放する業種をコントロールしているのと、行政は社会主義のままなので手続きがとても複雑です。日本では、医療や金融等、特定の業種以外は行政の許認可は必要ありませんが、ベトナムでは全ての業種において、事業ライセンスを取得する必要があります。私は菓子製造業のライセンスを取得していますが、販売する事は出来ません。 改革開

          5.ベトナム社会

          【番外編】ベトナム北部の避暑地サパ

          ベトナムの都市は何ヶ所も行きましたが、最も印象に残っているのはサパです。ベトナム北西部に位置し、ハノイからバスで6時間の距離にあります。標高1,600mの高地に位置しており様々な民族が暮らしています。現在は、ハノイから毎日、数十台のバスが就航しており、欧米人を中心に多くの観光客で賑わっています。欧米人と少数民族が混在している街中は、とても不思議な光景ですが、高地の透き通った空気と、段々畑の緑が異世界に来たような特別な光景です。 バスもスリーピングバスという寝台車を利用すれば

          【番外編】ベトナム北部の避暑地サパ

          4.当初の計画と実際の進み方(3)

          この時点から、性善説に基づいたマネージメントではなく、性悪説に基づいたマネージメントに切替えました。性悪説=悪い人向けのマネージメント、という意味ではありません。お願いベースで動いてもらうのではなく、「私のタスクを完結させる事=本人のメリット」になるようなスキームを作るように心がけました。 まずは、業者から最大限の返金を求める事と、必要書類を取得するまでに必要なプロセスと費用の確定です。これも日本では当たり前なのですが、ベトナム人に理解してもらう事はとても困難な事でした。そ

          4.当初の計画と実際の進み方(3)

          4.当初の計画と実際の進み方(2)

          代行サービスを申込むにあたり、私はベトナム人スタッフに「しっかりと契約内容を精査し、自分で理解し、それを自分の言葉で私に説明する事(契約文書の単純な翻訳ではない)」を求めました。彼女は登記上の社長ですが、出資金額は全て私が出していますので、「他人の金」という感覚ではなく当事者意識を持って対応してもらいたかった事と、目が届かない場所で働いてもらっていますので、主体的に自分事として動いてもらいたかったからです。 その時は分からなかったのですが、ベトナム人は、良く言えば、その場で

          4.当初の計画と実際の進み方(2)

          4.当初の計画と実際の進み方(1)

          東南アジアでのビジネスはスケジュール通りに進まないという話をよく聞きます。私もある程度の遅延は想定していたのですが、始めてみると想像を大きく上回る想定外の出来事のオンパレードでした。 ベトナムは社会主義国なので、全てのビジネスに当局の許認可が必要となります(事業ライセンス)。また、私の会社は食品製造業になるので、製造拠点に食費衛生許可も必要になります。さらに、お土産店に商品を卸す際、その商品が正しく製造されている事を証明する商品証明書の提示も必要になります。 今回は、ベト

          4.当初の計画と実際の進み方(1)

          3.ビジネスモデル

          投資型副業を検討するにあたり、ベトナムと日本の物価の差異に着目しました。最もオーソドックスな形態は、現地工場で生産した商品を、先進国が輸入し販売するモデルです。これは電子機器や衣料品で多いパターンです。韓国サムソン電子はベトナムでスマホを製造しており、ベトナムの輸出総額の約1/4を占めています(2018年)。また、フィリピン在住の英語講師がSkypeを利用して英会話サービスを提供するのも、サービスの輸出、販売モデルとなります。こうして、様々な形態で各国の物価差に着目したビジネ

          3.ビジネスモデル

          【緊急】ベトナムの入国制限

          ビジネスモデルは順を追ってnoteに書いていこうと思っていますが、ベトナムで外国人観光客向けのお土産用クッキー製造業を営んでいます。販売してくれるショッピングセンターとも契約が済み、来週、初回ロットを納品する予定でしたが、コロナウイルスの影響でベトナムへの入国制限が発令されてしまいました。 入国制限期間は18日から30日間との事なので、4月17日には解除される予定なのですが、ゴールデンウィーク中の日本人観光客は激減する事が予想されます。幸い、数か月であれば売上が無くても会社

          【緊急】ベトナムの入国制限

          2.なぜベトナムなのか

          日本でビジネスを始めようとすると、業種にもよりますが、初期投資として最低でも1,000万円は必要になります。私は副業としてこのビジネスを始めましたので、大きな借金を背負い、人生のリスクを取ってまで起業する事は考えていませんでした。 そんな中、ベトナムの物価は日本の1/10程度ですので投資リスクも1/10で起業する事が出来ます。もちろん、リスクとリターンは比例しますので、リターンも1/10になります。あくまで副業として始めるビジネスですので、ローリスク・ローリターンで十分です

          2.なぜベトナムなのか

          1.投資型副業について

          昨今、働き方改革の影響で副業がブームとなっています。世間には、クラウドソーシングのマッチングサイトが乱立しており、誰でも隙間時間で自由に副業が出来るようになりました。私も中小企業診断士の資格を持っていますので、空いた時間を利用して比較的単価の高い副業が出来ます。 しかし、せっかく残業が減って早く退社出来るようになったのに、工数でお金を頂くコンサル業務を副業にするのは、働き方改革として本末転倒な気がして、違和感を感じていました。また、私は毎年、中小企業診断士の仲間と東南アジア

          1.投資型副業について