【回帰モデルの推計結果と考察🔖】「日本の為替介入の分析」:経済論文解説 No.23 2023/08/22
Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛
私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍
何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました
これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍
論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います
だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います
私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖
今回の参考文献📚
今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍
『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003
前回の内容📖
介入効果に対する回帰モデルの推計結果
それでは今回も引き続き、GARCH(1,1)モデルの確認と、実際に先行研究のなかで言及されていた推計結果についての考察を進めていきたいと思います💝
$$
\\
GARCH(1,1) Process\\ \\s_t -s_{t-1}=\beta_0+\beta_1(s_{t-1} -s_{t-2})\\ \\+\beta_2(s_{t-1} -s_{t-1}^T) +\beta_3Int_t+\\ \\\beta_4IntUS_t+\beta_5IntIN_t+\epsilon_t\cdot\cdot\cdot(1)
\\ \\ \\where,\epsilon_t=v_t\sqrt{h_t} with v_t\backsim N(0,1)\\ \\h_t = \alpha_0 +\alpha_1\epsilon_{t-1}^2+\alpha_2h_{t-1}
$$
上記に示した(1)式を回帰分析した結果が、以下の表にまとめられています
今回の投稿は、この投稿の意味を解釈しましょう📝
全期間と、その期間をほぼ前半と後半に分けた推計も行っている点に着目していきたいと思います💝
以前の投稿でも述べましたが、対象期間における前半と後半の分かれ目を、榊原英資氏が国際局長に就任した日としていました
これは榊原氏自身が「為替介入手法を変えた」とおっしゃっていることと、またその時期が、10 年間の観察期間の半分くらいの時点だったということもあり、構造の安定性テストのために、サンプル分割することが、より適切だったからであると本研究では述べられていました📝
日本通貨当局の介入の効果(β3 < 0)は、全期間と、後半の観察期間では、統計的有意に確認されています
しかし、前半の観察期間では、効果が無かったという結果になっている (符号が逆で、かつ、統計的には有意)点は見落とせないポイントですよね💦
この 10 年間の前半と後半で結果が逆に出ていることについては、次のような説明が考えられると言われています
①もし榊原氏の言うことが正しければ、 介入手法により効果が異なり、榊原氏およびその後任の介入責任者の介入手法が効果的で あり、榊原氏の前任者の介入手法は効果的ではなかったことになってしまいます
②介入手法はともかく前半の効果を持たない、という結果は、特定の中でも特定の期間の結果かもしれません
そこで、同様の回帰分析を、前半のさらに二分割して行ったと、先行研究では述べられています
その結果、単独介入が理論とは逆の符号を統計的に有意に持つのは、1993年4月1日から 1995 年6月20日の観察期間であることがわかります
つまり、100 円から80 円へと突き進んだ、超円高期を含む観察期間において単独介入が逆効果であったことが判明したと考察されているのです📝
そしてアメリカの通貨当局による(同時)介入は、全期間、前半、後半を分けた場合それぞれについて、いずれも、強い効果を持った(β4 < 0)ことがわかりますね👏
同時介入の効果は「係数の値で、日本の通貨当局の単独介入の、20 倍の強さを持っていた」といえます🔥
日本の通貨当局の介入でも、一週間以上間を置いた「最初」の介入は、それ以降連続的に行う介入よりも、効果が強いことも、全期間について、(β5 < 0)という重回帰分析の係数により確認できます
つまり、 しばらく介入を実施していなかったときに、あるタイミングで介入するということが、通貨当局のシグナルを送る効果があることを示していると解釈できるのです
次に、介入効果がどの程度の大きさも持っているのかを考えてみましょう
1900 年代後半の期間についてみると、β3=-0.0000009 という数値は、1000 億円の介入は、為替レートを約 0.1% 動かすことを意味しています🌟
またβ4=-0.000051とは、アメリカの通貨当局が1,000億円分の円売りドル買い介入を(日本が介入した日に)同時にすることによって、為替レートをなんと5%も 円安方向へ動かす事を示唆していることになるのです
すなわち同時介入が為替レートに与える影響は、単独介入の 50 倍以上の効果を持っていたといえるのです👍
1週間以上介入が無かった後の「最初の介入」は、同様にして、為替レー トを約 0.2%動かすことを意味しているとわかります
総じて、1000 億円規模の介入はたびたび実施されていましたが、それが為替レートに対して0.2%の効果を持っていたことを大きいと見るか、小さいと見るかは、意見が分かれるでしょう
また円高が進行しているときに、介入によって少なくとも円安方向に、あるいは、稀には、1兆円規模の介入も行われていたケースも存在します
すなわち、この実証分析の結果に基づけば1兆円の介入では、2%の円安を引き起こすことができることになると考えられるのです🌎
本日の解説は、ここまでとします
このような歴史や先行研究をしっかり理解した上で、卒業論文執筆に取り組んでいきたいです
次回も引き続き、この先行研究からインプットできることをを詳しく考察していくことにします🔥
そして今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな経済政策
ということを再認識できたような気がします💖
私の研究テーマについて🔖
私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝
日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)
経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します
だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています
決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています
ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥
本日の解説は、以上とします📝
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
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