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【日米同時介入の真相✨】「日本の為替介入の分析」:経済論文解説 No.17

Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛


私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います

私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖

今回の参考文献📚

今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍

『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003

前回の内容📖

前回は、安定的な投機者としての通貨当局について議論を展開し、為替介入政策の局面などに着目しました

介入額とタイミング💴


10年間を総合してみると、介入の方向は、125円を境にして分かれていることが判明しました
また、為替介入政策の意思決定ならびに介入のタイミングなどにおいては暗黙のターゲット・ゾーンがあったと考察できたのです
もちろん、時代により、そのゾーンは動いていましたが…

為替レートの中立幅

そこで、円買い介入エピソードの最安値と円買いエピソードの最高値のギャップにどのくらいの幅があったかということに着目したのです
ある意味で、介入をしない「中立」地帯の幅を類推するのに、適したものであると言えますね

また、この為替介入政策に対する評価は、以下の観点に基づく問題を3点ほど残していることを確認しました

まとめると、少なくとも、2001年3月の金利水準、 円・ドルレートの水準を考える限り、この10年間の介入による財政コストは発生することなく、逆に、むしろ介入による利益を生んでいると結論づけることができたのです
ここまでを前回のお復習いとします📝

今後は、この論文で研究されている内容について、研究意図やモデルなどを考えていくことにしたいと思います

日米当局による同時介入の効果

ここまでの論文解説は、日本の通貨当局による(単独)介入について考えてきました

しかし、介入については、日本 の単独介入の場合と、ほかの通貨当局との同時介入の場合を区別することが重要なのです📝

ここでは、介入データを公表しているアメリカのデータから、日米の同時介入についての分析を試みたいと思います

これまでの研究では、単独介入よりも、協調介入(複数の中央銀行による 同時介入)のほうが、為替レートに対する介入効果がある、という結果がえられることが多かったです🌟

日本通貨当局により、t日におこなわれる介入は、東京市場で行われる場合もあれば、 ヨーロッパ市場、あるいはニューヨーク市場で、委託介入として行われる場合もあるのです

ただ、公表データでは、どの市場で介入がおこなわれたか、判断できないことが謎に包まれる点になると考えられますね💦

一方、アメリカの通貨当局による介入においても、ニューヨーク市場で行われる介入なのか、東京市場で行われる介入なのか、については情報が必ずしも公表されていないという事実があります💦

そこで、「同時介入」という概念も、必ずしも同じ時間帯、同じ市場で介入が実行されることを指すわけではないということです

例を挙げると、日本の委託介入とアメリカの介入がニューヨークで行われる場合でしょうか

単純に考えると、日本の介入データで、t日に介入が行われ
アメリカの介入データで、t日に介入が行われているのが、「同時介入」である、と定義
できますね💖
ただし、委託介入のケースも考えると、このような日次介入データの同時性にも、いくつかのパターンがあるということになるのです

想定されるパターンの第1としては、日本の介入が東京市場で行われ、アメリカの介入がニューヨーク市場で行われる場合となります

このとき、東京市場で介入が行われた時点では、これが、同時介入となるかどうかは、判定不可能な状態です💦

したがって、結果としてこの場合には、 東京市場における介入への反応を見るときには、単独介入と変わりはないはないということになってしまいます

同日の遅い時間帯においてニューヨークでの介入があってようやく、今回の介入が、日米同時介入であったことが、市場の知るところとなるのです
従って、同時介入の効果は、ニューヨーク市場の終値には反映されるでしょう

第2のパターンとしては、日本の介入が委託介入とアメリカの介入が、ほぼ同時にニューヨーク市場で行われる場合で、これは、同時介入の効果がニューヨーク市場の終値に反映されることになるでしょう

第3のパターンとしては、アメリカの介入が委託介入 で東京市場で行われ、同時に日本の介入も東京市場で行われる場合です

第4のパターンは、あまり実施される可能性が低いケースにはなりますが、アメリカの介入が東京市場で委託介入として実施され、日本の介入が委託介入として、ニューヨーク市場で行われる場合です
この第4のパターンの場合もニューヨーク市場の終値に同時介入効果は反映されることになるでしょう

上述した第1から第4までのパターンはいずれも、日本とアメリカが同じ日に介入をしていたという事実に対応していることになります

そして、このような日米同時介入の効果を見る場合には、ニューヨークの終値をみることが適切であるということを心得ました📝

つまり、同時介入が記録されたのがt日だとすると
t‐1 日のニューヨーク終値から
t 日のニューヨーク終値までの変化が
同時介入を捕らえる最低時間単位の効果
ということになるのです

この流れを後々の解説にて「超短期」と定義し、説明することにしましょう

つぎに、アメリカの介入がt日で、日本の介入が(t+1)日に行われる第5のケースについて議論することにしましょう

各市場での介入が委託介入を含まないとすると、これは、ニュー ヨークでの介入が先行した例となります

アメリカの介入が、まずニューヨーク時間で行われ、それに引き続き、日付が変わった東京市場で介入が行われるケースをイメージしてください👍

この場合は、 時間の経過から考えると、第1のケースよりも、より「同時」に近いかもしれないということが考えられますね

国際金融の歴史で有名なプラザ合意は、1985年9月22日(日)でありましたが、23日(月)は、東京は祝日のため休場でした

協調介入は、23日のヨーロッパ市場で始まり、ニューヨーク市場と続き、24日(火)の東京市場でも介入が行われた(Ito (1987))という先行研究が残っています
ただし、この時期は、今回の介入データには、入っていません

今回、日本の「介入データ」が開示された1991年 4 月から、2000年12月を通じ て、すでに公表されているアメリカの介入(ニューヨーク連銀の四季報(Federal Reserve Bulletin))とつき合わせることで実証分析を試みていることがこの論文の大きな経済学的貢献であると言えるのです

なお、この期間に、アメリカの介入は、22回行われていますが、 アメリカが介入をおこなった日には、必ず日本も介入を行っているということが判明しています
つまり、上記のパタ ーンでいうと、第1から第4のケースいずれも区別はつきませんが、同時介入の全てで、第5のケース以下はなかったことになりますね👍
また、アメリカの単独介入の日もありません

つまり、日米の介入パターンは、日本の単独介入の178回、日米同時介入(データの上で、同じ日付に実施された介入)の合計22回に分けることができるのです🌟

為替介入の開示データ
同時介入のタイムライン✨

第4表のエピソード別の表を、単独介入と同時介入について分けて考えたのが、第6表となります
これらの事実ならびにデータをしっかり今回の論文でも考慮して執筆していきたいと思います

本日の解説は、ここまでとします
単独介入と同時介入の差異や考慮すべきことについてアウトプットできたと思います👍

今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな経済政策
ということを再認識できたような気がします💖

私の研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺

マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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