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〜高齢者の賃貸について考える〜

売買VS賃貸との話題は尽きない。
そのたびに、専門家のポジショントークと揶揄されたり、ポータルサイト側の仕掛けだと言われたりと、、、
コメント欄へ投稿している件数や賛否について見ていると、この議論?話題?はまだまだ続いていくのだろうと思う。
メディアとしたら鉄板ネタですからね、、

さて、
「高齢者の賃貸について」実はこの話題にも通ずる部分があると思ったので、私の実務経験や見解を書いていきます。

まず、大前提として押さえなければならないことは、誰でもいずれは高齢者になるということ。そして、今はパートナーがいても離婚や死別、その他の理由により、「高齢者のおひとり様」にもなりうるという点も重要です。

先日、とある自治体主催の居住支援及び空き家活用のセミナーにお邪魔してきました。
市から依頼されていた、セミナー講師の大学教授と家賃保証会社担当者のお二人とも仕事上でのお付き合いがあったため、改めて意見交換をさせていただく機会にもなった。

その際、家賃保証会社の担当者からこんな話しを聞いたので紹介します。
「親族と疎遠になってしまっている高齢者の割合が想像以上に多い」
どういうことか、、、
以前は、賃貸を借りるときに連帯保証人を付けることが一般的だったが、いまは家賃保証会社を付けることが主流となっている。
その際、緊急連絡先(親族など)を原則必要としているケースが多いなか、頼める相手がいないということも珍しい話しではないようだ。

ちなみに、私自身も団塊世代の父親がいます。実家をすでに売却し、今は賃貸マンションに1人暮らしだが、私は連帯保証人になっている。
地元の老舗不動産会社が管理している物件で、高齢者1人では「大家さんが不安」と言われている理由から家賃保証会社のみならず、連帯保証人も付けるといったケースになっています。
思うところはありましたが、書いているとおり高齢者の賃貸1人住まいは、現実的に厳しいことも知っているので。

回りくどくなってしまったが、これだけ空き家(空室)率も高い状況にもかかわらず、受け皿である大家さんや管理会社は、高齢者の入居について厳しい判断をされていることは現実です。とくに高齢者の1人住まいは、孤独死リスクがついてまわる問題でもあり、賃貸経営にも影響を及ぼす可能性が高いためです。

売買VS賃貸という話し以前に、賃貸派の方は数十年後の現実的なイメージを持っておいた方が良いでしょう。
・借りたい部屋を貸してもらえないケース
・子や親族に頭を下げる必要性があるケース
・高齢者OKの物件が希望エリアに少なく、選択肢が狭まれてしまうケース

※身元保証サービス


〜まとめ〜
私は数年前から、居住支援事業や空き家対策事業にかかわり行政や所有者である大家さん、熱量を持って活動をされている方々と様々な形で取り組んできていますが、時間と労力のかかる問題なのだと日々感じています。

自由や身軽さがメリットと言われている賃貸。しかし、現実は貸主である大家さん次第(管理会社)で条件などが判断されるということ。
すなわち、属性が良い(勤め先が良く収入も安定)方にはお客様待遇になるが、そうでない方には厳しい対応をされてしまうケースも多い。

高齢化社会に向けて、「介護付き」賃貸住宅も増えていくと私は予測している。
大家さんや管理会社は、それらの事業者がライバルになってくるでしょう。
入居者側(消費者)は、早くから情報収集をおこない、様々なシナリオに対応出来るよう準備しておいた方が良いと思います。

住まいとは誰でも必要なもの。
たとえば、手が届く範囲の中古戸建(空き家など含む)を購入し、一定期間賃貸※1へ出して賃料収益を確保する。
将来的には、そこをリフォームして終の住処にする、または建て替えたり、土地を売却して介護施設などの資金にあてる。
※1→契約形態には注意が必要

私は不動産投資推奨派というわけでもないが、立地条件さえ間違えなければ、土地は現金化できる資産と考えている。損得勘定の目線ではなく、老後生活のリスクヘッジともいうべきか。
そのため、若いうちは賃貸で身軽に生活をし、現役を引退したときの選択肢を、幅広く持っておくという考え方もありだと思っている。

高齢者の賃貸探しは本当に苦労しますし、賃貸だから身軽というよりも、肩身の狭い思いをされている高齢者を多く見てきています。
孤独死保険などの商品も出ているとはいえ、そもそも貸し手(大家)側の心理的要素も強い。
この心理的要素は、高齢者主体の時代に合わせどのように変化していくのか、、

※国や地方自治体は、民間企業と本格的に取り組んでいるようです。
引き続き、空き家対策や居住支援事業といった社会問題に取り組んでいきたいと思う。


現場の視点や情報が役立てれば嬉しいです♪

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