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聖地巡礼記チベットへゆく⑤輪廻転生活仏劇

チベット(西蔵)へ聖地巡礼の旅

仏教は長い歴史において
実は今大きな転換期をむかえている

仏教史において後世語り継がれるであろう
時代を僕らは生きている
そして歴史の目撃者となる

輪廻転生活仏劇

チベット仏教が面白い!と
興味をもったのは
不思議に満ちているからに
他ならない

その一つに
ダライ・ラマの転生劇

ダライ・ラマはチベットで
宗派を超えて指導する
チベット仏教界の最高指導者

観音菩薩の化身とされ
輪廻転生により継承される

科学が発達し
オカルト話や都市伝説や霊的な話が
溢れる現代のなかで

生まれ変わりを探すという
継承方法に興味を惹かれた


現、法王はダライ・ラマ十四世
十四代目になる

ダライ・ラマの物語が
チベット仏教史を面白くしている

輪廻転生による活仏劇を
科学的でないとか
そんな話ではない事を
理解する必要はある




どうやってダライの継承者を探すのか!
これがなかなか面白い

ダライ・ラマ法王が
お亡くなりになれば
チベット仏教での思想では
四十九日後に転生をする

四十九日という期間は魂が
この世にいない時間を指す
この特別な期間をバルドゥと呼ぶ
厳密にはバルドゥは4つの段階
に分類される
細かい話は省略する

その期間
死者の耳元で
正しく魂を導くお経を唱える
いわゆるチベット死者の書と
呼ばれるバルドゥの経典

バルドゥが終わり
魂は転生し
この世に堕ちてくる

その魂を探すこと
こそが
チベット仏教の面白さであり
伝統的に行われてきた継承作業

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ではどうやって探すのか?

一般的には
先代の遺言、お告げ、占い、夢
古くからあるシャーマン的な
霊的インスピレーションも得て
選定していく流れになる

有名な例として十四世の場合は
かなり神秘的でもある

ダライ・ラマは亡くなれば
その肉体はミイラ化し仏塔に
納められる
チベット仏教最高の埋葬方となる

十三世が亡くなり
遺体を王座に座らせ南向きに安置
数日後確認すると顔が東を向いていた
その事から東側に
次の転生者が生まれ落ちると
高僧はインスピレーションを感じ
方角を読み取つた

昔からダライの選定時に
インスピレーションを受ける
聖なる湖があり
この時も湖畔で権威あるラマが瞑想し
湖に浮かぶ文字や色やイメージを
読み取とる

そこから
地名や村や場所を選定していく

そうやって
いくつかの情報からエリアを絞り込み
最終選考に残ったいくつかの村や寺を調査し
ダライラマを探す派遣団を秘密裏に送り込む

死後3~5年程をかけ発見作業が行われ
時にはみつからず長い年月を費やす時もある

十四世の場合は
いくつかの霊的インスピレーションを
頼りにアムド地方の ある村に絞り込まれた
今でいう青海省にある青海湖の近くの村

その村に派遣団が探しにいくと
インスピレーションを受けた家と同じ建物を
発見し、家を訪ねる

その探索作業は全て秘密裏に進む

わからぬように僧が家遊びに行き
路に迷ったので一晩泊めて欲しい
とつたえ様子をうかがう

その後2度調査にきて
そこに住む男の子の
ハモ・トンドゥップという子の
調査を進める

三度目に来た時にさりげなく
調査をする

十三世の遺品と いくつかの似たモノを
並べ好きなものを選ばせると
ことごとく十三世の遺品を選んでいく
それ 僕の!といって
十三世の数珠を掴む

いわゆる,前世の記憶を試す

いくつかのテストを試されて
この子は転生者で間違いないと
確信し拉薩へ報告された

3歳のハモ・トンドゥップは
ダライ・ラマの転生者と選定された

ダライ・ラマ14世

十四世の場合
他にも幾つか逸話があり
彼の眼力はある種
能力者の域に達している


色んな書物を読み
彼に関わる出来事を
見聞きしていくと
僕が思うに本者の能力者だと
感じる逸話は数多く出てくる

しかし長い歴史の中で
全てのダライ・ラマが
能力者かと言えばそうではない
そこが面白い

選ばれた幼い子が
ダライ・ラマとして能力を
発揮するかは正直判らない

幼少期に発見され
出家し拉薩に入り
チベット仏教道の教育を受ける
厳しい教育を経て大人達から
チベット仏教界の期待を一身に受け
ダライとして生きることを
宿命づけられる

ポタラ宮殿は
ダライ・ラマの城でもあり下界から
切り離す籠城のようにダライを教育する

この城を中心に
ダライの物語は繰り広げられる

しかし現在の法王 
ダライ・ラマ十四世の玉座は
ポタラ宮殿には存在しない

十四世は中国との衝突で
1959年にインドに亡命を
余儀なくされた

ダライ・ラマが拉薩を去った後
チベットは中国の手に堕ちた

苦渋の決断を迫られ
ダライ・ラマ十四世は亡命し
決死の逃走劇が繰り広げられていた

彼が亡命を決断し
逃走していなければ
もっと多くのチベツト人の血が
流れていたかもしれない

決して逃げたわけじゃなく
違う戦い方で
再び拉薩へ戻る事を夢みた

しかし未だに
生まれた地
チベットに足を踏み入れる事は
許されていない

主を失ったポタラ宮殿は現在
博物館として一般公開され
僕達は貴重な仏品と部屋を
見学する事が出来る
この転生劇は色んなドラマを生む
そして、それは現在進行形

現、十四世は伝統的な転生活劇に
終止符をつけ
自分が転生活劇による
最後のダライ・ラマと告げた

輪廻転生活仏劇

不思議で神秘的な継承方法
チベット仏教の魅力の一つでもある

⑥ヘ続く  ダライ・ラマ     エピソード0の物語

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↓↓↓聖地巡歴記 インド編 はこちらをどうぞ!

↓↓↓聖地巡歴記 西安編 はこちらをどうぞ!

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