事業と個人の目標を接続する
「会社のビジョン」と「個人の業務」に繋がりを見出すことはとても大切です。今回はその2つの接続と、目標設計について書いてみます。
事業と組織の接続
まずは「会社の目標」と「自組織の目標」の繋がりについてです。こちらの記事を参考に作成しています。
中央に位置しているのが「戦略的意図」です。自組織がどのような戦略によって何を達成するのか。それは事業戦略に繋がっているべきであり、自組織のビジョンに適合しているべきだ、ということ。青の図形同士が繋がることで関係性を表現しています。
そして戦略的意図の下部に位置するのは、自組織から枝分かれした3つのチーム(黄)である。この部分については、既存フレームワークに私の考えを反映させてみました。各チームで目的・存在意義が細分化されます。
それぞれ目的は異なるが、上部の戦略的意図に繋がり、大目的のビジョン実現に繋がる行動であること。その位置関係と設計が重要です。そして、目的達成のための「成果指標」をチームごとに設定します。
利益に繋がる指標を追う
我々はデザイナーであるため、課題探索から仮説検証を通して具体のアウトプットを生み出していく。それも素晴らしい価値ですが「アウトカム(成果)」を求められることも事実です。
目指すのは当然「利益」ですが少し距離があります。よって、利益を目標とするのではなく、利益に繋がる仕組みをつくる。中間地点の指標をステップとして設定し追求していくことが重要だと考えます。
デザインの力で事業貢献していく。中間指標が共通していれば、他部署と同様に「利益」を目標としていることに変わりはありません。主語と目的を揃えることで、協業は噛み合い加速していきます。
組織と個人の接続
自組織の目的と成果を追いかけていくために、手段の実行が必要となる。その手段を、個人の具体的な行動に分解していきます。
個人目標設定での重要事項は「成長を設計すること」です。そのためには、自組織の目標を達成するために必要な能力を言語化する。そして、その能力を体得するための具体行動を設定する。その達成が成長であり、評価に繋がっていく設計です。
さらに、個々によって「期待値」が詳細に異なるため、その個人に適した期待値と目標をそれぞれ言語化します。よって、まずは個々の成長段階とWillを把握していくことがスタートラインになります。
総論
会社と個人は遠い。デザインをしたい、マーケティングをしたい、体験を向上させたい。全て事業のために重要であることは間違いないです。しかし、経営からすれば「体験が向上した結果どうなるのか」が最も知りたいと思うのです。
感情をデザインし、体験が向上し、心が動く。それは素晴らしいことですが、さらに大切なのはその先。自分たちが「どの指標を意識して、目の前の業務を遂行しているのか」その先の成果に繋がるステップを明確に言語化し、やる意義を説明するべきなのだと思います。
そしてそれは、各メンバーへ日々の業務がどれだけ重要であるかを説明することにも繋がります。「目の前の業務は、ビジョン実現のためにやっている」全員がそう心から思える目標設計を目指したい。