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焦らなくなったら就活がうまくいった話

焦りは禁物。理屈ではわかってはいるものの、焦っているときほど、そういった理屈は忘れてしまいますよね。

そしてかなしいかな、焦っている人ほど、焦らされてしまう気がします。逆に言うと、焦っていない人を焦らすのは難しそうです。ゆったりと構えている人に焦らし技は効かない感じがします。

好きな人にほど振り向かれないのもよくある話で、きっと好きすぎて焦ってしまって、相手からすると余裕がないように見えて、結果、適当に焦らされる。焦らされたほうは、さらに恋焦がれて、焦ってしまうというなんとも不思議なスパイラルに入っていきます。

探すのをやめたとき、見つかることはよくある話で、焦ることをやめたとき、相手が振り向いてくれることもよくある話だと思います。

これは、別に恋愛に限った話ではなく、他のシーンでもよくある話だと思います。

例えば、就活。

私が就活をしていたのは、2009年でリーマンショック直後のころでした。これからまさに不況がくるぞっていう不穏な空気をずんなりと感じていたときです。そんな空気の中では、さすがに焦りは増すばかり。内定すら貰えないかもしれない、そんな焦りが日々押し寄せてきて、日々押しつぶされそうでした。

そんな焦りまくりな状態で、エントリーシートやら、面接やらを散々やりましたが、まぁもちろんうまいこといかずでした。うまくいかないと余計に焦りがどんどん増してきました。

周りに内定が出始め、自分にはまだ内定がない。どんどん道が閉ざされていきました。きっと、焦っている人って、相手からすると、何がしたいのかがよくわからず、魅力が伝わっていないんだと思います。結果、採用する企業にも魅力が伝わらず、採用されない。企業も内定欲しい人を採りたいんじゃなくて、活躍してくれそうな人を採りたいので。

そんな焦りまくっていた私も、とある会社の最終面接までいくことができました。そこで焦りの頂点の私は、あろうことか、これまでずっとマーケティングをしたいと言ってきたのに、営業をしたいですとかってほざいてしまいました。その瞬間、役員の方たちが、一斉に「えっ、きみ営業したいの?」ってかなりざわつき始めました。

なぜそんなことを言ってしまったかというと、営業が強い会社だったので、マーケティングするにもまずは営業で現地のことを知ってからマーケティングしたほうが良いと勝手に考え、まずは営業をやらせてくださいと言ってしまいました。ずっとマーケティング採用で選考を通してくれていたのにも関わず。。

結果、内定が欲しいという恋に焦がれて、見事に焦げ落ちてしまいました。

そこで、完全にプツンと就活の糸が切れました。もう何してもダメだ。何がダメかわからない。どうしようと、焦りが諦めに近くなっていきました。

しばらく放心週間が続いたと思います。とはいえ、就活はしないとまずいと思い、ひょんなことからIT業界に目を向けました。IT業界が自分にとって、ある意味よかったのは全く未知な業界だったことです。文系な私にとっては縁遠く感じていた業界だったので、その分、IT業界について結構勉強するようになりました。業界本だけでなく、エピソード本なども読みました。

そんな感じでIT業界について知れば知るほど、面接官の人たちとの会話がどんどん楽しくなってきました。それまでの面接では必死に焦って自分を良く見せることに集中していて、企業については表面的な興味しかなかった気がします。

業界に詳しくなっていくうちに、より自分の強みを活かせそうなポイントを業界の特性にあわせてアピールできるので、バンバン面接が通っていきました。驚いたことに一気に3社の最終面接までいくことができ、無事に第一希望の会社から内定をいただくことができました。

一度失恋をし、夢から醒めたあとは、結構冷静になれた気がします。粛々と業界の研究をして、職種のことを調べてたりして、日々が充実していました。時期的には、内定がないと焦る時期なはずなのに、だいぶ落ち着いていたました。

落ち着くと、周りがよく見えて、相手の求めることと自分の求めることがクリアになっていきました。そうなると相手ありきな就活はわりとうまくいきました。

盲目な時ほど、焦って焦がしてしまう。でも、それで気づく気がします。
焦っていた自分、相手にされていなかった自分、恋焦がれていた自分に。
それに気づくと夢から醒め、心の迷いが醒めていきます。

冷静に、ゆったりと、行動ができると、周りのことがよく見えてくるので、自分の魅力が発揮しやすくなります。

焦り焦らされ、恋焦がれ、夢から醒める

恋愛と就活を例えに出してきましたが、日常においても言えることだと思っています。

今年は人類すべてに共通の課題が出され、世界的な焦りが生まれました。

日常に戻りたいという焦りが生まれ、耐えても耐えても焦らされ続け、以前のように普通に外出できていた日々に恋焦がれてしまいます。

厳しい現実を幾度となく突きつけられ、以前の日常に戻るということがあたかも夢のような気もします。

でも、焦って動いて、無理矢理に前の日常に戻ろうとしても、それは幻想な気もします。その夢から戻ってくるたびに現実を突きつけられます。

では、焦らずに何もしないのが良いのか。それもそれで疲れてしまう気がします。ただ指をくわえて夢を望んでいても、前に進むことはできないので。

であらば、焦らずに動くのが良いと思います。動くというのは外出をするということではなく、いまある情報の中で、自分の動ける範囲で、動いていく。やるべきことを粛々とやっていく。そうすると、自分がいまやっていることに自信が生まれ、焦りが消え、ゆったりと構えられると思います。

前の日常に戻りたいという夢をただ嘆くのではなく、自分のできることを粛々とやっていく。

その先に叶う夢は、もともと描いていたものとは違うかもしれません。でも、きっといいことな気がしています。

そう信じて、私は粛々とnoteを書きました。

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