けもの道の狩猟ノート

狩猟の道を切り開くハンター必読の専門誌『けもの道』のnote版! 猟犬、猟銃、罠、危険…

けもの道の狩猟ノート

狩猟の道を切り開くハンター必読の専門誌『けもの道』のnote版! 猟犬、猟銃、罠、危険、知恵にジビエに獣害問題まで……未知すぎる狩猟の世界をリアル狩猟人たちの取材を通じて真剣にお届けしています!

最近の記事

ジビエに「と畜検査」を応用しよう 〜 “ヘンな肉” の食肉流通を防ぐために

と畜検査はジビエに必要ではないのか?牛や豚などの肉は1頭ずつ “と畜(屠畜)” 検査を受けて流通しているのに、「ジビエは検査を受けてないから危ないんじゃないの?」という意見が、ジビエの問題点としてよく取り上げられます。 家畜由来の食肉は、と畜場法及び家畜伝染病予防法に基づき、と畜検査員である公務員獣医師によって1頭ずつ検査を受けます。 ところが野生獣は家畜ではないので、この法律が適用されず、環境省や各府県で定める野生鳥獣の解体に関する「ガイドライン」などで一応のルールが定

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    • ハンターのためのマダニ媒介感染症講座 〜 致死率25%のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)

      はじめにこれを読まれる多くの方は、マダニに咬まれた経験があるのかも知れません。 「特に何もなかったよ」とおっしゃると思いますが、これを読んだ後は「生きていて良かった」と思うかも知れません。 何故なら、致死率25%の病原体を保有するマダニが皆様の周辺にいる可能性があるからです。 また、飼い犬や猟犬がマダニを運んで来る可能性もあります。マダニ対策の重要性をご理解ください。 著者|前田健 山口大学共同獣医学部大学院 連合獣医学研究科中高温微生物研究センター ↓本稿とあわせ

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      • 【当世猪犬見聞録】紀州系猪犬に情熱を持った狩猟師

        筆者略歴八木進 昭和29年京都府生まれ。猪猟の盛んな丹波地方で育ち、少年期から勢子として山入り、16歳で和歌山県から紀州系猪犬を持ち帰り、現在までに「義清系」「鳴滝系」血統犬を主体に16代まで累代、猪犬として使用する。59歳で大手銀行系企業を早期退職、現在、猟期中は猪猟、期外は鹿を主体とした有害獣駆除での職業猟師を生業とする。実猟紀州系猪犬の系譜と血統を生涯のライフワークとして研究中。 大分県 大山良人(仮名)猪猟を全国的に見ても九州は別格であろう。 昔から九州全域で猪が

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        • [第1話]職業? 猟師です。 - 原案・ちえぞう|協力・吉井あゆみ|作画・里見紀

          原案|ちえぞう 協力|吉井あゆみ 作画|里見紀 (了) 狩猟専門誌『けもの道 2016特別号』では本作を含む、狩猟関連情報をお読みいただけます。note版には未掲載の記事もありますので、ご興味のある方はぜひチェックしていただければと思います。

        ジビエに「と畜検査」を応用しよう 〜 “ヘンな肉” の食…

          肉が食べられなくなる!? マダニ由来のアレルギーとは?

          「ワシは長年、動物を獲って来たが、肉が食べられなくなってしまった。きっと、山の祟りじゃぁ……」 っと、こんなことを言っているベテラン猟師は読者の皆さんの周りにいないだろうか。命を奪われた動物たちの恨み? 山の祟り? 狩猟反対派でなくとも猟師が本当に肉を食べられなくなったらそんな風に考えてしまうかも知れない。 しかし、実はこれがマダニに刺されることによって引き起こされるアレルギー反応の一つだというのだ。SFTS(重症熱性血小板減少症候群)だけじゃないマダニ刺症を避けるべき理

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          肉が食べられなくなる!? マダニ由来のアレルギーとは?

          狩猟における止め場の対処 〜 咬み止め編

          この号が発刊される頃は、春爛漫の日々の中、過ぎ去った猟期を振り返りつつ、次の猟期へ向け犬の仕込みや犬づくりに余念がない方々が多いことだと思います。 また、各地で猪犬競技会や訓練会がたけなわである時期でもあります。そして、猟期が終わったのも束の間、有害捕獲や管理捕獲などで相変わらず山入りの日々を続けている方もいることでしょう。 ここ最近、狩猟というものが少しだけ脚光を浴びるようになり、狩猟免許を取得する若者が微増し、その中にはすぐに「プロハンター」を名乗る人、自らのことを憚

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          狩猟における止め場の対処 〜 咬み止め編

          【猪犬トリビュート】名著『紀州犬ー名犬語り草』で称賛される紀州三名犬

          著者八木進 昭和29年京都府生まれ。猪猟の盛んな丹波地方で育ち、少年期から勢子として山入り、16歳で和歌山県から紀州系猪犬を持ち帰り、現在までに「義清系」「鳴滝系」血統犬を主体に16代まで累代、猪犬として使用する。59歳で大手銀行系企業を早期退職、現在、猟期中は猪猟、期外は鹿を主体とした有害獣駆除での職業猟師を生業とする。実猟紀州系猪犬の系譜と血統を生涯のライフワークとして研究中。 紀州3名犬とは?昔も現代も、イノシシ猟師にとって、|猪犬は最も大切なパートナーであることに

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          【猪犬トリビュート】名著『紀州犬ー名犬語り草』で称賛…

          北海道エゾ鹿対策最新事情 〜 エゾシカの個体数指数管理

          文|酪農学園大学 伊吾田 宏正 エゾシカの個体数指数管理ここ数年、エゾシカの個体数は減少傾向と言えそうだ。 北海道が招集する研究者などによる「エゾシカ保護管理検討会(現在の名称は『エゾシカ有識者会議』)」が毎年公表している「エゾシカ個体数指数」が、ここ数年減少傾向にあるからだ。 「個体数指数」というのは、少し馴染みのないものだが、「個体数」そのものは、現代の最新科学をもってしても推定が困難である。 緑が豊富で地形が急峻な我が国のような環境において、森林性の動物の個体数

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          北海道エゾ鹿対策最新事情 〜 エゾシカの個体数指数管理

          福岡大ワンゲル部ヒグマ事件|昭和45年|日本クマ事件簿

          はじめに 本稿では、明治から令和にいたるまで、クマによって起こされた死亡事故のうち、新聞など当時の文献によって一定の記録が残っている事件を取り上げている。 内容が内容ゆえに、文中には目を背けたくなるような凄惨な描写もある。それらは全て、事実をなるべく、ありのままに伝えるよう努めたためだ。そのことが読者にとって、クマに対する正しい知識を得ることにつながることを期待する。万一、山でクマに遭遇した際にも、冷静に対処するための一助となることを企図している。 本稿で触れる熊害事件

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          福岡大ワンゲル部ヒグマ事件|昭和45年|日本クマ事件簿

          【肉好き猟師必見】生肉・生レバーは厳禁! E型肝炎ウイルスから身を守る

          文|前田健 山口大学共同獣医学部教授 はじめに2003年に兵庫県でシカ肉を食べた4名がE型肝炎を発症し、シカ肉から検出されたウイルスと、患者から検出されたウイルスが一致したことから、シカ肉が原因であると証明された。 これにより当時はシカが注目されることになったが、調査が進むにつれて、E型肝炎の主な原因は豚やイノシシであることが判明して来た。 これまでの野生動物肉から由来する食品媒介感染症の原因の多くは細菌や寄生虫であったため、「凍らせれば大丈夫」「薄く切れば大丈夫」と

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          日常の中のわな猟 〜 なぜヒトは大物猟を目指すのか?

          文|千松 信也 この日の、いつもの見回り昨猟期、12月中旬くらいのこと。前日の夜に雨が降り、ぐっと冷え込んだ日曜日の早朝、山に仕掛けたわなの見回りに行くため、軽トラに乗り込んだ。 〈昨日はええ感じの雨やったし、ぼちぼちあのシシ掛かってへんかな〉 そんなことを思いながら軽トラを運転し、途中でコンビニに寄って缶コーヒーを買ってから猟場に到着。林道の隅に軽トラを停める。 〈…さて〉 いつものように猟用の上着に着替え、スパイク地下足袋に履き替える。腰には小ぶりの剣鉈をぶら下

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          日常の中のわな猟 〜 なぜヒトは大物猟を目指すのか?

          狩猟の原点 我、犬に会い、ケモノに会う。 〜 なぜヒトは大物猟を目指すのか?

          文羽田 健志 はじめに まずは『けもの道』復刊おめでとうございます。 私が狩猟を始めて間もない頃、毎月、狩猟に関する雑誌が家に届くことが楽しみの一つでした。そこには狩猟者の主観たっぷり、思うがままの文章が掲載してあり、ときには無茶苦茶と思われるようなことも書かれていましたが、ゆえにそれがとても面白く、また、勉強になりました。 文章というものは、読む側の受け取り方次第でどのようにでもなるものだと思っています。毒にも薬にもなり、また発する側が毒を発していても薬になることも

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          狩猟の原点 我、犬に会い、ケモノに会う。 〜 なぜヒトは…

          シカ・イノシシに潜む寄生虫のコワ~い話( ジビエを安全に食べるための正しい知識)

          ジビエに潜む寄生虫猟師の皆さんが昔から食べていたシカやイノシシが、最近は「ジビエ」という小洒落た名前で呼ばれるようになって来ました。 増え過ぎたシカ・イノシシを有効活用するために、全国各地の自治体でもジビエを推進しようとしています。 お役所が介入して食品として流通させるならば、安全性に気を配らないといけません。知事推薦のジビエで食中毒が起きてからでは遅いのです。 ということで、各自治体・厚生労働省などはジビエを衛生的に取り扱うための指針(ガイドライン)を出しています。

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          シカ・イノシシに潜む寄生虫のコワ~い話( ジビエを安全…

          復興の有害鳥獣捕獲活動 〜 福島県浪江町・町民帰還を迎えた捕獲隊の今

          平成23年3月11日、三陸沖に発生した巨大地震によりもたらされた東日本大震災。地震と津波による甚大な被害に加え、東京電力福島第一原子力発電所の放射能事故の影響により、福島県浪江町を含む県内の一部市町村には大規模な避難指示が出された。 浪江町では全町民が避難。人がいなくなった町では、人の代わりに猪などの野生動物があふれた。除染、復興活動が進むにつれ、町では有害鳥獣捕獲隊を結成し、町内各所に箱わなを設置するなど町民帰還に備えて捕獲活動を行った(その模様は旧誌『月刊けもの道』平成

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          復興の有害鳥獣捕獲活動 〜 福島県浪江町・町民帰還を迎え…

          木古内町クマ事件|平成11年|日本クマ事件簿

          はじめに 本稿では、明治から令和にいたるまで、クマによって起こされた死亡事故のうち、新聞など当時の文献によって一定の記録が残っている事件を取り上げている。 内容が内容ゆえに、文中には目を背けたくなるような凄惨な描写もある。それらは全て、事実をなるべく、ありのままに伝えるよう努めたためだ。そのことが読者にとって、クマに対する正しい知識を得ることに繋がることを期待する。万一、山でクマに遭遇した際にも、冷静に対処するための一助となることを企図している。 本稿で触れる熊害事件は

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          木古内町クマ事件|平成11年|日本クマ事件簿

          ジビエサテライトユニットとは? 〜 箱モノ問題をコンパクトに解決!! 移設可能なジビエ処理施設

          有害駆除や狩猟で手に入れた野生肉をジビエとして利活用したい自治体や個人猟師たちは数多い。 しかし、最大の関門となるのが「野生肉の解体処理施設」=「箱モノ」の建設だ。土地の入手をはじめ、多額の初期費用が掛かる上、関連法令の施設基準を満たす必要がある。しかも施設は土地に固定されているが、いつまでも近くに目当ての野生動物がいてくれるとも限らず、近在の従業員を確保できる保証もない……。 そんな、あれもこれもと「箱モノ」にまつわる不安と悩みを解消するべく、岐阜県に登場した新たなコン

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