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【当世猪犬見聞録】古家系紀州犬を信望する単独猟人
本稿は『けもの道 2020春号』(2020年4月刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。
文・写真|八木進
今回の猟人:岸本康則氏(兵庫県新温泉町)
実猟紀州犬 ー古家系ー
我が国で犬猟をする猪猟師としては優秀な猪犬を使役して結果を出すことは大きな目標である。その数ある猪犬の中でも、昔から「紀州犬」は猪猟人にとっては格別の存在であり、優れた猟技を持った紀州犬を追い求める猟人も多い。
その猟人の草分けであり、猪犬としての紀州犬研究に生涯を捧げたのが兵庫県在住であった古家弥知夫氏(大正14~平成28年 / 1925〜2016年)である。
兵庫県下の御猟場であった「杉原谷」近くに生まれた古家氏は、猪猟で紀州犬を早くから使役する中で育成と研究に没頭するようになり、紀州犬に関する見識とその系統犬は「古家系紀州犬」として猟界に広く知られるようになった。
古家氏の家系は山林地主の素封家であり、杉材を通じて私の大叔父と氏の先代が若干の親交があった。私が子供の頃(昭和30年代の終わり頃)大叔父と古家氏宅を訪れた際には、白毛と胡麻毛の紀州犬が数頭飼われていたのを記憶している。
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