詩　：　滑走するⅡ

「滑走するⅡ」

行き先がない道標の向きに従って
てくてくと歩く

助走に過ぎないと
脅かすように翳んだ声が
背後から薄気味悪く
囁く

明日への一歩は
今　右足軸に乗せかけて
前へと一歩を歩き始める

可能性の路は見えないが
道標の示す
自分の感だけで歩き綴る

一体どこへ到達するというのか？
分からないまま
助走から早足に変わっていく
このまま
より速度を増し
この地を踏み切れるのだろうかと
踏み上げ蹴り上げる
きっと何かが待って
なりたかった自分に変わることを
期待し信じ　景色も楽しみながら
飛び上がってみる

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