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詩 : 天気予報の蝉

雨上がりを知らせてくれていた
蝉の声がなくなった夏

今から限られた短い時間に
どれだけ何が出来るか
やりたいことリストに
想いの胸を弾ませていたんだろう
長い間
暗いけど 暖かく包んで
見守ってくれていた土のおかげで
幸せな時間を送ってこられた
そして 今やっと
目覚ましのベルが鳴り
外へで出ていく

朝が来ると誰より先に鳴き出し
雨が止むことを自慢げに
我先に教えてくれた

やがて時は残酷にも
緑色だったまちの
寝床にしていた樹木は倒され
コンクリートの大平原の中に
誰かが雑草の種を落として
発芽した葉っぱの姿が
墓標にみえた様な気がする

人間には
居住権が有るという
誰からも代替地の事前の転居先の
お知らせも無く
そのまま、お墓にされてしまった
そして
やることリストも出来ず
外へさえ出られなかった
蝉の思いは
一体誰が叶えるてくれるのだろう

僕にとって
煩い狂騒曲は無くなり
晴れ間の虹を知らせてくれてた
遣る瀬無い寂しさだけが残った


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