【UCHIDA 1】Hitの理由分析レポート〜TikTok今週の1曲 [No.6 - 24.09-03]
こんにちは山本です!
今週は先月から大ヒットしているODAKEiさんとGINTAさんの
「UCHIDA 1」を分析します!
本楽曲は、3月31日にRepezen Foxxを脱退し、DJ銀太から名義を改め新たなスタートを切ったGINTAさんと、みきおだで人気を博し、現在はTikTokを中心とする各SNSはもちろん海外フェスへの出演でも話題を呼ぶODAKEiさんの2人がコラボレーションしています。
7/1にリリース後、話題性はあるものの大きな拡がりを見せることはありませんでした。しかし、7月後半からUGCの数が爆発的に増え、8月には海外にも拡がりを見せており、現在のUGC数は8万を超えています。
今回の記事では、リリース当初なかなかUGCの増えなかった本楽曲が、現在爆発的に拡がりを見せている理由を分析していきます!
1.バズの拡大経路
UGCが増えた理由を知るためには、どのような順序でバズが拡大していったのかを知っておく必要があります。
今回はその拡大経路の順を【イノベーター理論】を用いて、以下3つに区分して説明しています。
(1) イノベーター (一番最初に広まったきっかけ)
(2) アーリーアダプター (初期段階で拡散されたきっかけ)
(3) アーリーマジョリティ (早期段階でさらに拡散されたきっかけ)
(1)イノベーター
本楽曲のイノベーターは最初にダンス動画を投稿した戦慄かなのさんの動画(7/13投稿188万再生)
戦慄かなのさんの動画が伸びたざっくり理由は、彼女のアカウントはファッショニスタとしての魅力に憧れや敬意を持っているフォロワーが多く、本動画は彼女のスタイルやファッションの魅力を存分に発揮できる踊りとサウンドだった事の一貫性であると推察しております。
また元Repezen Foxxのまるさんの動画もイノベーターとして機能しておりました。(7/16投稿559万再生)
①本家動画とイノベーター動画の違い
「ああこの動画がきっかけで真似する人が現れたのねぇ」
で分析を終わらせてもいいのですが、分析中一つひっかかる点がありました。
それはこれらのイノベーターが生まれる前に本家アカウントからリリースされた動画もバズっていた点です。
例えばこれらより前(7/1)に投稿されたODAKEiさんの動画は現在635万再生されており、
7/10に投稿されたGINTAさんの動画は現在310万再生されています。
そのほかにも多数の本家バズ動画が生まれております。
単純に再生数だけ比較すれば『イノベーターの戦慄かなのさんの動画』よりも多いものも多数あり、加えてどちらも同じダンスの動画でフォーマットも似ています。
そこからはUGCがあまり生まれなかったにも関わらず、
何故戦慄かなのさんの動画以降UGCが増えたのでしょうか?
結論ほかインフルエンサーに動画使用イメージを伝えられる動画だった
事です。
リリース日をはじめ初期の本家動画はアーティスト性、アート性が高く、1つの動画としての完成度が高かったです。
例えばこちらの動画はダンス、カメラワーク、編集などはMVのような完成度です。
はじめに断ると筆者的には上記動画の評価は非常に高いです。
何故ならアーティスト独自の世界観を押し出した上で伸びるフォーマットに落とし込んでいるからです。
もう少し伸びた理由を言語化すると、かっこよさと素人感の塩梅が完璧です。
TikTokはどんな動画も素人感がないと伸びませんが、プロ感のあるダンスをしているにも関わらず撮影は自宅ライク(しかし高級感がある)、ビニール傘やシンプルなTシャツなど衣装は日常感があります。
このプロ感と素人感のバランス。圧巻です。
というのも今年はこのような『計算された素人感』が一つのバズ主流です。
TikTokでの数字を担保しつつ、変に崩れすぎずアーティストとしてのブランドと威厳を保っている。数字とブランドの両立企画。
アカウント運用が非常にうまい。
ただし、アカウント運用の正解と楽曲UGCの拡大戦略の正解は似て非なるものでルールが全く違います。
『独自の世界観動画』はUGCにおいては広まりにくい原因になります。
何故なら一般人が真似をするのも難しいですし、世界観が確立しているため二次創作への転用もされにくくなってしまいます。
大前提イノベーターとは「動画企画提案」な訳で、そのプレゼンが通らなかったら動画単体がバズってても負けなわけです。
(提案資料は褒められたけど決済降りなかった的な…笑)
要はインフルエンサーのUGCとは彼らが『使う動機』ーーーーもっというと「これを僕が、私が使って動画を作ればバズるかもしれない!ファンの人にいいねを押してもらえるかもしれない!」という"打算"があるわけで、インフルエンサーの人のフィードにこの動画がインプレッションされた時(=バズった時)それを感じ取ってもらいにくい動画はいくらバズってもUGCは生まれにくいのです。
そこを分かりやすくしたのが戦慄かなのさんとまるさんのダンス動画です。
同じダンスとは思えないほど誰でも踊れるようなダンスを振り付け、アーティスティックでニッチな印象から一気にポップな印象になっています。
実際GINTAさんは8/20に投稿された、まるさんのYouTubeにて、なかなかTikTokで伸びなかったが、振り付けをしてくれて踊った瞬間に伸び始めたと語っています。
まるさんが動画内で、女の子たちの方が再生回数だけでなく、コメントやいいねの数が半端ないという話をしていることから、ダンスはまるさんが考案し、まずは頼みやすい恋人の戦慄かなのさんに踊ってもらったという流れが自然だと考えます。
彼の分析には僕も共感します。
つまり本人動画と戦慄かなのさんの動画は同じ楽曲を使ったバズった動画でも役割が全く異なり、後者がなければここまでUGCヒットには繋がらなかったと言えます。
②なぜこの案件委託は成功したのか
先日のレポートでインフルエンサーへの案件委託はコスパが悪い例も多いという解説をしました。
(気になる方はこちらの『【余談】ダンス系TikTokerへ案件を委託する際の注意』をご覧ください)
そんな中で、なぜ今回の戦慄かなのさんへの案件委託は成功したのでしょうか。(案件フィーが発生したかしてないかはここではあえて触れませんが仮に案件とした時)
結論、戦慄かなのさんの持つインプレッション先とアーリーアダプターの界隈が同じだった点です。
そもそもTikTokのアルゴリズムには視聴者の興味関心を試聴履歴等から把握し、それに基づき動画(投稿者)と視聴者を紐づけるという動きがあります。
つまり「戦慄かなののTikTokアカウント」と紐づいている視聴者属性があり、その中にアーリーアダプターの界隈となるインフルエンサーが含まれていたのです。
イノベーターの役割を狙い案件委託をする上では『どの界隈で広がるのか』というペルソナ設計を明確にした上で、そこにハマるインフルエンサーは誰なのかを考えなくてはなりません。
今回はそこがはまっていたので成功したのです。
例えばこの後詳しく話しますが有力なアーリーアダプターであった『もえぴさん』に関しては、戦慄かなのさんと同じくアイドル界隈にも属していることからこのアルゴリズムの流れは想像にやすいです。
逆に、楽曲の持つ相性的にアーリーアダプターとならない界隈と紐づいているインフルエンサーに案件委託していれば戦慄かなのさんの動画より高い再生数が例え出たとしてもUGC増大には繋がらなかった可能性も大きいです。
インフルエンサーの案件委託を考える場合は、上記のことを踏まえて選ぶことができれば、成功する確率は上がるでしょう。
(2)アーリーアダプター
その後、アーリーアダプターとして女性TikTokerへのUGCが拡大していきます。
では投稿日時順に並べ替え界隈の遷移を紐解いていきましょう。
①陽キャ女子、ギャル界隈
陽キャ大好き系EDMサウンド×セクシーさを強調できるダンスは、この界隈の女子達にがっつりハマり、UGCが拡がりを見せました。
夏は露出の多い服や水着が多くなるため、よりセクシーコンテンツが映える季節だったというのも大きな要素になっています。
時期の運も味方しましたね。
7/29に投稿されたなかのさんの動画で、現在704万再生されています。
7/15に投稿されたあむさんの動画で、現在77万再生されています。
何故この界隈に最初に遷移したか。
それはそもそもこのタイプのEDMの時点で絶対にこの属性は早期で反応されることが非常に多いからです。
彼らは流行に敏感かつ我が道をいくタイプなので、感性にハマった曲なら流行る前でも取り上げるのです。
②TopTikToker界隈
イノベーターが大手インフルエンサーだったことで、TopTikToker界隈にも一気に拡がりを見せることとなります。
本来であれば、こういった曲調の楽曲は、上記の通り陽キャ女子やギャル界隈を中心にまずは拡がることが多く、Top TikToker達は、かなり流行ってから参入してくる印象です。
しかし、今回はこの界隈へも影響力がある戦慄かなのさんがイノベーターとなったことで、普段EDMを聴かないような界隈へも使い方を示す動画がインプレッションされたことが、この拡がりを加速させたといえるでしょう。
7/21に投稿された桜さんの動画は現在476万再生
7/27に投稿されたMINAMIさんの動画は現在574万再生
特に爆発的再生数を叩き出したのは、
7/30に投稿されたもえぴさんの動画で、現在1458万再生されています。
もえぴさんはこの音源で複数投稿しており、合計で脅威の6,100万回以上再生されています。この動画が再生された理由として、クオリティの高さとジト目&ダンスの相性が抜群だったことが挙げられます。
下記動画は、もえぴさんのカメラマンがどのようにして撮影しているのかを投稿しています。
実はこの動画も1400万回以上再生されており、本楽曲を使ったもえぴさんの動画で2番目に再生されています。
以前と比べ親近感のあるもより本動画のようなクオリティの高い動画が伸びるようになりました。
この『真似できそうなプロっぽさ』という塩梅が一番伸びる。
その理由はここまで読んでくださった方なら改めて語るまでもありませんね。企画提案として真似できそう感がある方が強いからです。
この特大ヒットを受けもえぴさんの表情や動き、カメラワークを真似した動画も投稿されており、UGCの1つの流れになっています。
8/12に投稿された辻優衣華さんの動画(現在168万再生)で、顔が似ているという声も挙がっています。
今では海外でももえぴさんを参考にしたと思われる動画が投稿されています。
これらのUGCの流れも、動画のクオリティの高さからきているもので、動きやカメラワーク、表情など、真似してみたいという感情がUGCを促進させた要因です。
また、もう1つ爆発的再生数を出した動画が、
8/11に投稿された流那さんの動画で、現在1078万再生されています。
結婚報告の翌日に「結婚しました〜」というキャプションと共に投稿されていることが伸びている要因ではありますが、UGCを加速させたことに間違いはないでしょう。
(3)アーリーマジョリティー
ここまで広がった後は、世界でのUGCに繋がっていきます。
本楽曲のサウンドは海外にも馴染みの深いものであるため、韓国、中国、東南アジアを中心に現在広まっています。
EDMはアジア各国でも大規模なフェスが開催されるなど、広く人気のあるジャンルです。
アジアは、日本人アーティストの海外進出において入口のような場所です。
先人達が道を切り開き、多くの成功を収めてきたからこそ、日本人アーティストはアジア諸国から歓迎されるのです。
楽曲的な特徴に関しては次章で記述しますが、世界的ビートメイカーであるRicky Lunaが楽曲を手がけていることや、ODAKEiさんとGINTAさんが海外との繋がりも強いことから、今後さらに拡がりを見せていくでしょう。
①韓国
※顔を隠しているのはテレグラムの影響と考えられます。
②中国
③フィリピン
特に海外の動画で伸びているのは、8/26に投稿されたKate Valdezさんの動画で、現在735万再生されています。
一緒に動画を撮っているのは、フィリピンで1番有名な日本人と謳われているFumiyaさん。6/12にアーティストとしてデビューしており、5/15にはデビューに先立ちODAKEiさんとコラボしています。
2.楽曲の音楽的特徴
続いてこの項では、楽曲自体の魅力からバズが生まれた内的要因を解説します。
(1)爽快感のある音色
楽曲を使ったUGCとはつまり、楽曲を劇伴(BGM)として使っているわけで、つまり映像の感情をよりブーストするものが伸びやすい傾向にあります。
本楽曲は映像の『イケてる感』を出すのにマッチし感情をブーストさせる太くてクールな音色が使われておりました。
例えば筆者が特に気に入った所で言うと、
・"これ私のStyle"の後のスネア
・サビ裏のシンセリフ
など。
スネアに関してはリバーブ成分が多めで、ハイが詰まっているにも拘らずミッドも強調された迫力のあるサウンドでクラブで思わず興奮するようなタイミングでいい音が入っているなぁと感じます。
サビ裏のシンセリフも同様で、ぶっとい束感のある音作りで抜けます。
サイドチェインのノリも絶妙です。
TikでUGC増加を狙うなら、単にいい音色の曲ではなく、
UGCの映像の感情をブーストさせるいい音色が必要であり本楽曲はその要点を抑えていたと言えるでしょう。
(2)耳馴染みのある中毒性サウンド
この楽曲を聴いた時、なんか聴いたことあるなと感じた人は多いのではないでしょうか。
リリース日に投稿された動画のコメントにもありましたが、2012年7月15日にリリースされ、世界的に人気になった【GANGNAM STYLE(カンナムスタイル)】に非常に似ています。
この楽曲の人気は根強く、
2024年でもプチバズりしていました。
この圧倒的知名度のある楽曲に似ている耳馴染みのあるサウンドが、スワイプ率を下げていると考えられます。
『既聴感』『既視感』はショート動画市場にてスワイプを止めるのにとても重要な役割を果たします。
つまり音楽UGCに限らず何かしら一定の知名度がある型を踏襲することで、親近感を呼び起こさせる事でとりあえず見てもらうハードルを下げる施策がショート市場では有効だと言う事です。
分かりづらいので具体例を出しましょう。
人気の映像型として「すみません」と街中で声を掛ける型が存在します。
例えばストリートスナップ系。
街中で聞いている曲をインタビューするという動画も人気です。
変化球で言えばこのひったクッキングなども該当します。
これらは「型の既視感」を利用して、ユーザーに「知っている企画だ」と認知させることでスワイプを防止することに成功しているのです。
本楽曲の場合それを"カンナムスタイルっぽさ"で実現していた点はUGCの再生数平均を向上させる役割として機能していたと言えるでしょう。
3.楽曲構成の整理
続いて切り出し箇所の楽曲構成を見ていきましょう。
(1)期待感を煽るスネアロール
一気にスピードをあげるスネアロールと「Everybody wanna say」という歌詞の煽りが次の展開の期待感を膨らませ、冒頭2、3秒のスワイプ率を下げています。
弊社ではTikTok流行曲の冒頭をパターン分類しているのですが、伸びるパターンは大きく約6つあります。
本楽曲はその中でも典型的な「2~3秒のビルドアップ型」に該当します。
この曲以外のヒット曲は以下の通りです。
冒頭スワイプ率を低下させるための期待感を持たせるサウンドとして機能しているこの型は非常に優秀でTikTokUGCヒット黎明期から現代に至るまで定期的にヒットが出る王道パターンです。
正解をそのまま踏襲している優秀な入り口です。
(2)「これ私のスタイル」というパンチライン
ブレイクしたところで発せられる「これ私のスタイル」という歌詞は、周りの目を常に気にして生きている現代人にとって、最高のパンチラインになっています。
ここで作詞時のとても重要なヒントをお伝えします。
TikTokで人気の出るパンチラインの法則は「1秒で意味が伝わること」と「現代のニーズに合致していること」そして「かっこいいこと」です。
TikTokはーーーーいえ縦型動画の体験は、テレビや映画のように1つ1つの動画をじっくり見てもらう事を目的とした体験をしていません。
つまり体験中ユーザーの感情は所詮暇つぶしであり、動画に何も期待などしていないのです。そんな彼らにとって意味を深読みさせる歌詞は基本的に理解されません。これが「1秒で意味が伝わるフレーズ」が強い理由です。
この条件を意識しつつ、現代のニーズを満たしかっこいいフレーズを開発しなければいけません。
このフレーズはそこにストレートでどハマりしています。
シンプルにフレーズ開発力が120点なので伸びています。
(3)聴き心地の良いキック
単調なリズムでもずっと聴いていられるのは、Ricky Lunaさんが作る聴き心地の良いキック音があるためです。結果、現在はどんな動画にも合うことに視聴者は気づき始めており、ダンス動画に留まらず様々なジャンルに拡がりを見せています。
UGCクリエイティブの幅が広いというのは、UGCを増やすのに非常に重要になってくるので、UGCを考えた楽曲制作では意識していきたいですね。
4.時代背景における本楽曲の立ち位置
この項目では、本楽曲が楽曲流行の流れにおいてどのような立ち位置だったのか分析していきましょう。
(1)抑圧からの解放を後押し
本楽曲が提供する視聴者への価値提供は「社会的抑圧への反抗」です。
前回のレポートでもお話しした通り、このトレンドは19世紀からずっとあり、特にコロナ禍以降日本では爆発的に人気になったムーブメントへの迎合だと考えております。
しかし、2024年に流行しているトレンドは少し形を変えてきていると考えています。
これまで同じようなトレンドに迎合したHit曲は
などが挙げられます。
これらが流行した理由は、共感を生み易いメッセージにありました。
それに対して、同じようなトレンドに迎合した2024年のHit曲である
はいよろこんで/こっちのけんと
I am I/とうあ
は、【背中を押してくれる】【引っ張ってくれる】など迎合ではなく扇動するようなメッセージ性が強いです。
ex;「Everybody wanna say」「もっと鳴らせ」「OKOK」
コロナ禍を抜けて自由度が高まった世界であるにも関わらず、周りの声が邪魔をして一歩踏み出せずにいる人達(特に若者)の後押しをしてくれていると考えられます。
このように今までの流行を踏まえ、大きなトレンドには乗りつつ
2024年では「扇動する」という切り口がキーワードだったと言えます。
5.バズった結果得られたものまとめ
(1)成果
TikTok音楽チャート1位
(Xの銀太のサブ垢のポストによると、7/25時点では43位)
7カ国でREMIX決定
アメリカ
ラオス
ミャンマー
韓国
タイ
日本
ジャマイカ
GINTAとODAKEiのYouTube対談にて、9月頭にはラオス、9月後半にはミャンマーと話しており、今後さらに海外へ広まっていくと思われます。
すでに投稿されているREMIXで、再生回数は37万回を超えている。
ちなみに、2023年11月1日にリリースされた「UCHIDA」はREMIXが出ていないため、今回のREMIX決定は、TikTokでバズったことによる大きな成果と言えます。
(2)YouTubeへの動線設計の改善案
ちなみに、TikTokでは一気に拡がりを見せた本楽曲ですが、YouTubeの再生数やTikTok以外のチャートはそこまで芳しい数字は出ておりません。
その要因は、楽曲を見つけてもらうための動線が引けていないことです。
本レポートでは何度もお話ししている事ですがTikTokUGCバズはあくまで曲を知ってもらうきっかけであり、その後ろの動線設計がしっかりしていない場合ファンの増加やサブスクやYouTubeの再生数に繋がらないです。
本楽曲の場合カリスマ的人気だったYouTubeの活動も更新が滞っていることもあり、熱心なファン以外はなかなかTikTok→MVの動線を辿らなかったのでは?と推察できます。
誠に恐縮ながら弊社からの改善案を出すとすれば以下の通りです。
①YouTubeやサブスクへの動線として泥臭い施策を打つ
TikTokのセルフUGCに力を入れていた事はとても良かったのですが、
TikのUGCが増え始めたフェーズでそれと同じ熱量をYouTubeへも向けられていたら多少数字は改善していた可能性があります。
例えば以下の通りです。
MVのコメントに返信する事をSNS上で宣言
お店等で本楽曲をかけてくれたファンをX上で引用ポストする
サブスク再生に応じてプレゼントを渡す
DSPへの泥臭い声掛け営業回り
など。
②YouTube単体でもオーガニックで回る映像とサムネ作りをする
前回レポートでも解説しましたが、YouTubeをオーガニックで回すにはサムネのクリック率を上げることと、視聴維持率を上げることなどをはじめとするいくつかの要件を満たす必要があります。
これを分析し始めてしまうとプラス1万文字程となり今回の趣旨とずれすぎるので詳細な言及はしませんが、YouTubeMVに関してはオーガニックで回るような構成になっていなかったように思えます。
例えば…で一つ触れるならサムネイル。
本編を再生しなければ背景のシーンが理解できず、感情もあまり湧きづらいです。またせっかくTikでヒットしているにも拘らずこれ1枚で「TikTokで散々聞いたアレだ!」となれるユーザーも少ないように思えます。
この辺りをもっと強い感情が湧くシーンに差し替えつつ、TikTok切り出し部分との関連も匂わせられるような(例えばダンスをしている人物を配置するなど)ことが出来ていれば、TikTokとYouTubeのシナジーが生まれていたでしょう。
6.再現性のある要素
(1)王道サウンド×セクシーダンス
陽キャ大好き系EDMサウンドは'18年ごろから毎年数多くのHit曲がTik内で定期的に出ているので、今後もこの流れはしばらく続くと読んでいます。
例えば陽キャ大好き系EDMサウンドの例はこちら
セクシーコンテンツもTikTokが生まれてから今日まで根強くミリオンヒットを連発している王道の動画スタイルです。つまり特に夏強いですね。
TikTokでのバズを狙うなら、この組み合わせは非常に有効です。
(2)流行った楽曲を踏襲
今回の【GANGNAM STYLE(カンナムスタイル)】のように、過去にHitした曲を踏襲することで、聴く人の興味を惹くことができます。
ただし、ただの模倣ではなく、サウンドとメッセージ性が現代人にマッチしていることの一貫性がマストです。哲学のないオマージュは逆効果です。
流行った楽曲を踏襲する際は、本楽曲のようにその時代の背景や流行を理解して作れるかどうかが、TikTokでのバズに繋がります。
(3)UGCが増えるための再生数をとりにいく
本楽曲は冒頭でもお伝えした通り、リリース当初はあまり広がりを見せませんでした。
しかし、戦慄かなのさんがダンス動画を投稿してからは、爆発的に拡がっています。このことから、TikTokでのバズを起こすには、その動画の再生数を伸ばすだけでなく、UGCとして使われやすい動画にしなければいけないということが分かります。
インフルエンサーや視聴者が使いたい、真似したいと思えるような動画かつ、イノベーターを案件依頼する場合は、誰に見てもらいたいかを意識して依頼するようにしましょう。
【お仕事大募集中!】
作編曲のご依頼
SNS運用代行のご相談
楽曲PR施策代行のご相談
がある方はこちらまでメールください!
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今後も毎週新しい曲を分析しますので、
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今回の執筆助手は「宮本隆平さん」でした。
ありがとうございました!
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