見出し画像

しなやかな強さがニューノーマルを制する

2020年8月14日のマッキンゼーのレポートの要約と考察になります。

今回のコロナ禍のような出来事を経験したとき、かなり多くの共通点を見出さない限り、私たちは「経験をしたことがないことを今、目にしている」と捉える傾向があると僕自身は思っています。
確かに、全く同じ体験をしたことはないということは事実である一方、「今起きていること」と「過去に起きたこと」をリンクさせ、深掘りすることで小売業界にとって何が必要なのか?について道筋を照らしてくれるレポートでした。


超要約

コロナウイルスの影響がまだ続いており、先行きが非常に見通しにくい状況にあって、ニューノーマルな時代に向けて生き残るために必要な「しなやかな強さ」を身につけるためには何が必要なのか?
2008年にリーマンショックが世界経済にネガティブな影響を与えた時であっても「成長した」企業を分析。
どのような方向性に「前進」することが未来を掴むことに繋がるかを示唆しつつ、ニューノーマルな時代でも消費者から必要とされるリテール会社になるために進化が必要な業務領域について考察しています。

『しなやかな強さ』を生み出す5つの取り組み

①.ブランドの在り方について1から考え直す
②.戦略的に資源を再配分する
③.スピード感をもって実践することを習慣化する
④.自動化できる業務は全て自動化する
⑤.一人一人が対応できる業務領域を広げる


5つの取り組みについて、それぞれに記述がありますが、この記事では、特に自分がクライアントの方と話す中で実際に出てきた事例について触れたいと思います。

ファッションの現場での取り組み

コロナ禍の影響で、不要不急の外出の自粛が要請された結果、SEEP(新井の進めている事業)が主戦場とするファッション業界、商業施設は大きなダメージを受けました。
この影響は現在進行形で進んでいるのですが、6月の営業再開間もないタイミングでお話をする機会を多く得る中で、会社によっては「静観しようと思う」とおっしゃる方や「動こうと思っているけど、状況も変わるから」ということで、結果今に至るまで考え込んでしまっている方もいらっしゃいます。
一方で、このような状況下でも行動をとり、前進をしている会社の方が特に実践していたのは、この記事でも触れられている①~③の取り組みでした。

①.ブランドの在り方について1から考え直す
①について、あるブランドの方は、「ブランドの理念」をこのタイミングで改めて「店舗での行動指標」にまで店舗ごとに具体的に落とし込むことで、ニューノーマルな時代にも必要とされ続ける自分たちのお店が「本来やるべきことは何か?」を一人一人が考えることをスタッフレベルにまで求めていましたし、

②.戦略的に資源を再配分する
②については、改めて今までの業務内容についての棚卸をした上で、優先順位をつけ直し、さらに「この状況だからこそ取り組めること」を新たにタスクとして組み込むことで、モチベーション高く、明るく、楽しく、前向きにチームメンバーが仕事に取り組める工夫をしていました。

③.スピード感をもって実践することを習慣化する
そして③については、改めて設定しなおしたニューノーマルな店舗運営についての検証を、適切なタイミングそしてツールで見直すことをルールとして共有化することで、店舗の運営についての効率化を図っていました。

俯瞰して見た上で「自分事」にしていく

マッキンゼーの記事は、企業を経営している方を読者として想定して書かれている一方で、その内容については「店舗」という、ひとつひとつのお店が最小の経営単位になっている存在のリーダーである、店長の方が読んでも非常に参考になる内容だと思いました。
①~⑤の領域について、どのようなことが具体的に記載してあるかの詳細はまた機会があれば記事にしたいと思いますが、記事の最後のパラグラフのタイトルは「まず始めよう」でした。
ファッションをはじめとしたリーテル業界は、非常に長く繁栄してきた業界であり、その分負の遺産が習慣として引き継がれている業界でもあります。
これから数年での生き残りをかけて磨いていくべき3つの重要ファクターとして挙げられている

『EC化とオムニチャネル化』
『数値化とデータ分析』
『柔軟なサプライチェーン』


について、リアルな店舗が大好きだからこそ、一旦俯瞰した大きな絵で物事を見た上で、自分の立ち位置や取り組むべきことを見直し、現場の方とファッション業界を盛り上げていくためにアクションをとることが大切だと信じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?