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国語の授業/物語文の導入

2021.9.16【77限目】

2学期も始まり、学校に子どもたちの元気な姿がもどってきました

緊急事態宣言中ですが、今のところ、休業せず学びの場も安心・安全な場所になっています。

学校では、感染症対策に留意し、2学期は予定されている行事を出来るだけ実施する方向で計画され、学習面でも、昨年と違ってカリキュラムに沿って学習できています。

子どもたちは、友達と一緒に学び遊べることを喜び、充実した2学期がスタートしました。


話し合いから始める授業(国語/物語文)

物語文の指導をする時、最初にする学習方法があります。まず段落分けから入ります。分けるために文章を何度も読み返し、内容を理解し、作品を読み取り、感想を持つためには効果的です。

1. 最初に範読する。
2. 形式段落(1マス下がって2マス目から文が始まっている所)の行の上に番号を付けていきます。最後の番号を確認して、正しく書けているか確かめる。
3. 文章の内容が、どこで切れているかを考える。
4. 段落ごとに自分で分ける。
5. 発表
 それぞれ考えた最初の文章の分かれ目の番号とその理由を発表します。

田中さん(仮名)が「 ②の終わりで切れています。」と、発表したら、黒板に
  ①~② 田中流
と、書きその理由も聞きます。

他の意見が次々と出てきますので、黒板に書きます。
  ① ~③ 山田流
  ①~④ 鈴木流  
と、書き、意見が出なくなったら、他の子どもたちに、どの流派がいいかを考え、自分が思う流派に手を挙げていき、その人数を黒板の流派の下に書きます。


ここから話し合いをスタート

なぜその流派を支持するかの意見を発表していきます。

「私は、田中流ですが、③の最初の文の書き出しが、『ある日、』と、なっているので、日が変わっているから、②で、切れていると思います。」とか、内容を読み取って「①と②は、登場人物の紹介をしているから②で切れています。」また、「私は山田流です。②と③はまだ話の内容が続いているから、田中流ではないと思います。」などと、他の流派が違っていると、発表する子もいます。

各流派が、対決型のコミュニケーションになって、勝ち負けが決まっていくのを、子どもたちは楽しんで、盛り上がっていきます。

私は、出来るだけ内容だけではなく、発表する子の態度や声の大きさなども褒めます。話し合いをしていくと段落の切れ目がはっきりしてきて、途中で、変更タイムがあり、話し合いの後、もう一度手を挙げ、流派を決めます。その時点で無くなる流派もあります。話し合いを積み重ねていくと、物語文の第一場面が決まります。

例えば、田中流の田中さんの発表した①~②が決まれば、田中さんは、みんなから拍手をもらって大盛り上がり、それを支持した子供たちも大満足。次も、同じように進んでいきます。最後の場面まで決まります。

時には、一人だけで、賛成してくれる人が無い所からスタートして、自分の考えを皆に理解してもらおうと、その理由をわかりやすく、話したいことを具体的に説明した結果、みんなが、納得したという事もあります。そんな時は、大拍手です。たった一人でも、正しいことは、正しいという経験をします。また、みんながほぼ同じですぐ決まる時もあります。

子どもたちはこの学習を通して、それぞれの場面や様子を想像しながら読み、好きなところを見つけ、登場人物の気持ちに寄り添って、物語の中に入り込み、文章を楽しみます。そして、物語文から何を感じたかという感想を持つことが出来ます。


友達と話し合うことで、学び合う教室づくり

この授業は、高学年では、話し合いからディベート的になり、より深い話し合いになります。対話に必要な態度や技術が身に着きます。1年生は、どこでお話が分かれているかという事を、教師が教える方法をとります。

指導の際、気を付けていることは、出来るだけ子どもを褒めて、いい所を見つけてあげ、良い理由も伝え、みんなで喜び合い、話しやすい雰囲気を作るようにしています。これは学級づくりにも大切な事です。

話し合いのある授業をすることで、安心して自分の気持ちを表現できる学級になり、優しい気持ちが育ちます。

このように物語文の学習を通して、友達と学び合う楽しさや、わかる喜びを感じさせたいです。

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【編集担当より】
今回は、国語の授業のお話です。流派をきめて議論するのは、なかなか面白いですね。意見した内容と個人が切り離されるので、よい話し合いができそうです。仕事の会議などでも使えそうですね。

コミュニケーションをとる上で、しっかりとした関係構築が大切です。また議論をしていくためには、相手の価値観や考え方を知っておくことが必要です。そのうえで、議論する際に、ルール決めをしっかりとしておくことが円滑な会議運営では、有効であると思います。ファシリテーション関係の書籍を読んで、会議がうまくいかなかった頃にやってみたら大変よくなりました。ファシリテーションのスキルでは、「場のデザインのスキル」というようなことでしょうか。

(参考)日本ファシリテーション協会
https://www.faj.or.jp/facilitation/

一人ではできる仕事が限られますので、いろいろな方と協働することが、特にこれから必要となります。またコミュニケーションの手法も対面だけでなく、オンラインや音声、バーチャルなど多様化していくでしょう。最も効果的なのは対面だと思いますが、オンラインなど対面よりも難易度が上がるコミュニケーションでは、意識的に会議をデザインすると、よりよい議論や対話ができるのではないかと思います。

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