見出し画像

20231102_アッバース朝の税制改革から考えたこと_覇権で読み解けば世界史がわかる_紹介と感想26


はじめに

こんにちは、Keiです。

 今まで私にとって"元気が出た"と思ったコンテンツや"役に立つかもな"と思ったコンテンツや考え方を紹介してきました。今回も良い人生にするために"役に立つかもな"と思った考え方を紹介していきます。

参考書

この度、参考にした本は
『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』神野正史
です。

内容と感想

 前回の記事では"正統カリフ時代"までの部分を読んで感じた事を書いきました。

 今回の記事では"ウマイヤ朝"までの部分を読んで感じた事を書いていきます。

内容

 イスラームはビザンツ・サーサーン戦争で弱っていた両大国を呑んだのを機に領域を拡大していった。イスラーム帝国が拡大する初期段階では異民族(アラブ人以外)の者がイスラーム教徒に改宗する事はほとんど無かった。そのためイスラーム教の信者には軽い税のみ、異教徒から多く課税する税制システムを運用しても"神(アッラー)を前にして信者(ムスリム)は皆平等"という教えを護りつつ自民族(アラブ人)を優遇できた。しかし改宗者が増加する事により異教徒の数が激減し、同時に税収も激減していった。
 ウマイヤ朝は新たに信者となった改宗者に対しても課税するようにしたが、改宗者からの反発を喰らう事になった。アッバース家はウマイヤ朝への反抗派閥(シーア派)と協力してウマイヤ朝を倒し、税制改革を行った。人頭税(ジズヤ)の課税対象は異教徒のみ、地税(ハラージュ)は(民族を問わず)全ての土地所有者に課税することにより、ルール上信者の課税項目は平等となった。改宗者に土地所有者が多く、アラブ人に土地所有者が少ないことに着目した税制だった(事実上はアラブ人を優遇した税制だった)。

感想

 宗教を軸にして成り立っている国なので、統治者は最低限その教えを守らないと民衆との間に矛盾が生じてしまうと思います。宗教を統治に利用する事で信者がその教えに従う事により、民衆を統治しやすくなるメリットが生じると思います。しかし、宗教の教えが統治者にとって制約となり、政策への自由度が低下するというデメリットも生じると思います。歴史から宗教による統治のメリットとデメリットの両面を把握できたことは良かったと思いました。個人的には政策の制約が増える事は大きなデメリットのような気がします。宗教の教え(考え方)が古くなり、現実の問題に適さなくなった場合の対応力が下がってしまうと思います。制約をなるべく減らし自由度を上げることが、様々な問題への対応力を上げることに繋がると思います。変化や柔軟性の面で制約が無い事は大きなメリットだと感じました。
 アッバース朝の税制改革は、神の教えという建前を守りながら自分たちとって都合の良いシステムを考え抜いた結果だと思います。ウマイヤ朝は建前を守れなかった点に対し、アッバース朝は建前を守りながら現実と向き合った点が優れていたと思います。この税制改革からも、統治者がいかに自分たちに都合よく、民衆が納得しそうな制度を作っているのかを学ぶことができると思います。表向きの言葉や文面をそのまま受け取るのではなく、裏まで読み解く力は養っていけると良いと思いました。

最後に

 制約が多くなるほど対応力を下げてしまうと思います。不必要な制約はなるべく減らすことで自由度も高めることができると思います。現実的に制約を0にすることは難しいと思うので、残ったものに対しては上手く付き合いながら生きていけると良いと思いました。
 制約との付き合い方を工夫し、自分の力を最大限発揮できるように日々を過ごしていきましょう!

 どなたかの参考になれば幸いです。

以下、私の記事一覧ページと自己紹介ページです。
ご興味ございましたら、ご覧いただけると嬉しいです。

Xの紹介です。
よろしければご覧ください。


"応援したい"と思って下さった方はサポート頂けると嬉しいです。