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あの頃のウクレレが出てきた

 今日も今日かて雨でした。
さすがにする事もなく主人と家にいたら、以前から片付けろ片付けろと言われていた収納箇所を整理する流れになりました。そう、片付けてやりましたよ。これでいいんでしょう!なんとなくだけど、子供を見てくれてありがとう。今日はたまたま良かったけど携帯片手に子供相手が務まると思うなよ!と心の中でつぶやきつつ片付けをはじめました。

片付けをし始めると、ウクレレが手元に出てきました。

実はこのウクレレ、私が二度目に台湾で働いていた頃に買った物です。子供とウクレレで遊んでいると突然当時の思い出が蘇ってきました。

このウクレレを買ったのは、確か台湾で過ごした最後の冬でした。12月だったかな。その日は土曜日で午後の授業も終わり、なんとなくフラっと楽器屋さんに入りました。仲の良かった嶋ちゃんという同僚と一緒に行ったんだっけな。

そこで手軽に買える楽器を探していて見つけたのが、このウクレレでした。

何といっても私は初心者だったので、ウクレレを買う時にお店のロン毛の兄ちゃんに相談をしました。片言の中国語、英語、日本語を交えた話し合いの結果、中にフラガールが描いてある可愛いウクレレを選びました。ロックな店に似合わず優しい兄ちゃんと可愛いウクレレに巡り合えてラッキーでした。

それから数日後、晩の授業の前に晩飯を買いに街へ出ると、炒飯屋の前で偶然ウクレレ兄ちゃんに出くわしました。お互いびっくりしましたがその時は会釈だけで。

それからというもの、何度かウクレレ兄ちゃんに出くわすことが多くなりました。そうです。飯を買うエリアが被っていたのです。ちなみに炒飯率が高かったですねぇ。

何度か目の会釈デイズを過ごし、偶然の織り成すトキメキも重なりおいらは多分恋に落ちていきましたこのくらいの時期って一番ウトゥクティーですよね。(いやんいや~ん)

そしてある土曜の仕事帰りに、ウクレレを持ってついにあの楽器屋さんへ行くことにしました。過去ながら言い訳をさせてください。

店に行ったのは、調弦のためだと!ウクレレの調弦がわからなくてぇ〜(汗)

店に入るとウクレレ兄ちゃんがいました。
ギクシャクと調弦を頼むと、なんと向こうから連絡先を教えてくれと言ってきました!!驚きを隠しつつクールに対応したのを覚えています。(ちなみにこの日、黄色いウクレレも買いました。今は亡き父へのプレゼントでした。)
それからは、ラインを通じてトキメキモヤモヤデイズを過しました。一度彼の演奏するエレキギターを聴きに行ったなぁ。今思い出しても青春ですね。

その後一度だけデートをしました。
夕日が美しいと有名な湿地まで行きましたがその日は強風で、海にはなぜか鶏の溺死体が浮いていました。(うん。とても台湾らしい。)道中で真っ黒な野良犬がなぜか彼にすごく懐いていました。

そしてやはり彼は優しい人でした。

音楽の道で食べていけるようにギターの講師をしながら独立を目指していたようですが、彼の生活はなかなか質素な様子でした。でもそんなこと微塵も引け目にならないくらい素敵な人だったなぁ。でもあまりにも手を出してこないので同性愛者かと疑っていました。(その件については、すまんかった。)

実はこの頃の私には婚約までした台湾人の彼氏がいたのですが、諸事情により別れる寸前でした。(簡単に言うとキャバクラに大金を貢いでいたのです)
その上父が二度目の肺ガン発病。
台湾での仕事はもう諦めて帰ろうという、まさにそんな時期でした。

色々なことがありました。

この頃の思い出はぐちゃっとしたままで、正直あまり思い出せません。

思い出せるのはその年のクリスマスの夜に婚約者に別れを告げたこと。
その後ウクレレ兄ちゃんがわざわざ会いに来てくれたこと。
ウォーキングをするおばさんがいる夜の公園で、さめざめ泣く私を子どもをあやすようになだめてくれたこと。
帰り道に一度キスをしたけど、これ以上は君が傷つくだけだからできないと優しく離されたこと。

そしてその時小雨が降っていたこと。

帰国してからは何度も心身を気遣うメールが来たけど、少しずつ疎遠になってしまいました。
SNS上での投稿でお互いの今はわかるけど、なんとなく現実味を感じられない。あれって本当にあったことなのかしらん。

まぁでもそんなウクレレがまだ手元にあって、それを娘が叩いて遊んでいるなんて、当時の私には想像もつかないことだったでしょうね。

指の皮が硬くなるまで弾いたのはいつだったけ。
いい加減、もう少しコードを覚えないといけませんね。


今日の投稿は、久しぶりに思い出した台湾での出来事についてでした。

BGMはEd SheeranのAntisocialでした。
内容のわりにハードなBGMでしょう、ハイ。

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