Keiko

出会ったひとの、言葉、声、感情、記憶を紡ぐ。歩いた場所の、音、温度、風を記す。 Twi…

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出会ったひとの、言葉、声、感情、記憶を紡ぐ。歩いた場所の、音、温度、風を記す。 Twitter: @inoko1102 Instagram: @inoko1102

マガジン

  • 私のこと

  • シリア

    2007年~2008年に、シリアに行ったことを機会に、続くシリアの縁。いまでも交流のあるシリア国内外の友人たちの言葉、ヨルダンやレバノン、トルコのシリアに触れたときのことを紡ぎます。友人たちの名前は、全て仮名です。彼らに合った意味をもつ名前を、あてています。敬意をこめて。

  • モザンビーク

  • 食べもの

  • イラク

最近の記事

シリアに魅せられて

ちょっと探し物をしていたら目に留まった、2007年にシリアへ渡航した際のパンフレット。 シリアの魅力は、特に歴史や世界史好きにはたまらない、遺跡や文化。 けれど何よりも、私がシリアに魅せられたのは、シリアの人たちの純粋さ、素朴さ、そして温かく優しいホスピタリティ。 常に、隣人をケアすることを忘れない。 何か痛みを抱えていても、悲しいことがあっても。 そっと優しく寄り添い、甘いシャーイを出してくれる。 そしてまた、長い歴史を持つシリアという国を誇り、シリア人として生

    • シリアについて思うこと

      今週、シリアについてお話しする機会があった。 いまのシリアのことをお話ししたり、呟いたりするときに、彼らを「かわいそうな人」としないことを心掛けている。 ある特定の場所、あるいはある特定の一時の人を「かわいそうな人」と印象付けてしまったら、ほかの人は?爆撃が止んだあとの人は?ほかの地域の人は?と、”比較”されてしまう気がするから。 どこに住んでいても、シリア国内でもシリア国外でも、キャンプでも壊れた家でも壁や屋根のある家でもどこでも、いまこの空の下で生きているシリアの人

      • 食べ物と芸術と言葉の本棚

        1.山崎 佳代子著『パンと野いちご 戦火のセルビア、食物の記憶』 2.池田 浩明著『パンソロジー パンをめぐるはなし』 3.片岡 義男著『豆大福と珈琲』 4.内田 洋子著『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』 5.原田 マハ著『暗幕のゲルニカ』 6.原田 マハ著『ジヴェルニーの食卓』 アート好きにはたまらない原田マハさんの著作… 7.坂本 司著『和菓子のアン』 8.坂本 司著『アンと青春』 面白おかしく和菓子の奥深さを学べる2冊。 9.エラ・フラン

        • 社会学系の本棚

          1.V.E. フランクル著『夜と霧』 アウシュビッツでの記録 2.フェルナンド・バエス著『書物の破壊の世界史』 戦争、家事、焚書....破壊されてきた書物の歴史 3.齋藤 直子著『結婚差別の社会学』 部落差別をテーマにした本 4.岸 政彦著『街の人生』 様々な街に生きる人たちの人生の記録 5.荻上 チキ著『彼女たちの売春』 当事者たちへのインタビューを通して明らかにする売春の実態 6.村上 春樹著『アンダーグラウンド』 地下鉄サリン事件を様々な立場からの

        シリアに魅せられて

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        • パレスチナ
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        記事

          国際協力関係の本棚

          1.久木田 純著『東ティモールの現場から』 2.西川 由紀子著『小型武器に挑む国際協力』 3.米川 正子著『あやつられる難民』 4.明石 康著『「独裁者」との交渉術』 5.西水 美恵子著『国をつくるという仕事』 6.東野 真著『緒方貞子ー難民支援の現場から』 随時更新予定

          国際協力関係の本棚

          アフリカ関係の本棚

          1.ユニティ・ダウ著『隠された悲鳴』 2.ロメオ・ダレール著『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 3.石原 孝著『落ちた英雄「独裁者」ムガベの37年』 4.Bill Derman and Randi Kaarhus著『In The Shadow Of A Conflict』 5.David Martin and Phyllis Johnson著『The Struggle For Zimbabwe』 6.John Iliffe著『A History The Af

          アフリカ関係の本棚

          シリアと中東関係の本棚

          シリア・中東関係の本の記録 1.パトリック・キングズレー著『シリア難民』 あるシリア難民の、国を脱出する旅を追った記録。 2.ジャニーン・ディ・ジョヴァンニ『シリアからの叫び』 2012年、シリア各地に生きる人々の声の記録。前線で闘う戦闘員へのインタビューも興味深い。難民として生きる女性たちの記録も。 3.デルフィーヌ・ミヌーイ著『シリアの秘密図書館』 包囲された東グータの地下に作られた、図書館の記録。知識を得ることは、人間らしく生きることの要であると教えてくれる

          シリアと中東関係の本棚

          映画『娘は戦場で生まれた』

          女性であり、母であり、ジャーナリストであるシリア人の目線から見た、包囲されたアレッポでの”日常”が、映画になった。 昨年ぐらいだろうか、ナショナルジオグラフィックのサイトから知って、ずっと観たいと思っていた。幸運にも、出張がキャンセルになり、初日に観ることができた。 *********** 2007年末~08年明けに行ったアレッポ。そのとき見た風景の面影が、崩れた建物が広がる街にあった。ツイッターとFBと、この記事のヘッダーはその当時のアレッポ。 ふと、先日公開した記

          映画『娘は戦場で生まれた』

          ハラの記事を書くにあたって

          先日、ハラという女の子のストーリーを掲載した。 彼女とは、何度かメールでやりとりし、サマーキャンプで撮影された動画を見て、ハラというひとりの女の子と向き合った。 記事よりも長くて、彼女独特の詩のような表現もあって、文章にしたかったけれど、訳してしまったら、言葉に込められた思いが消えてしまう気がして、なくなく記事からは消した。 彼女のストーリーを書くうえで何よりも大切にしたかったのは、彼女が繰り返し私に言ったこと。 「私はサバイバー。被害者じゃない」 「被害者と思われ

          ハラの記事を書くにあたって

          ゼイン 2019年11月

          何で英語で書いて、これを共有したいのか自分でも分からない。 2013年6月、自分はシリアを離れた。最初の2年間、ダマスカス郊外で最初の救援チームとして血みどろでそれは残酷だったところで活動していたときの記憶が、悪夢となりついてきた。 そして、たぶん自分の脳はこうした悲惨な記憶を消すという抵抗を学んだんだ。 先週までは。 自分がやってきたことを考えては、それを記憶から消してきた。でも1週間前、XXモスクで起こった殺戮の隅々を思い出すようになった。それからずっと、いい記憶

          ゼイン 2019年11月

          シリアとパレスチナのお母さんの味

          レバノンでシリア難民とパレスチナ系シリア難民のお母さんたちから、家庭料理を教わる機会があった。 ①モロヘイヤスープ(Molokhiya) シリアやパレスチナ、エジプトやレバノンでも食べられるモロヘイヤスープ。家庭料理なので、少なくともベイルートでは、レストランで見かけることはなかなかない。大好きなモロヘイヤスープ。ずっと食べたくて、作り方を知りたくて、今回リクエストしたものだ。 モロヘイヤは、今の時期がちょうど旬。普段は乾燥モロヘイヤを使うが、この日はフレッシュなモロヘ

          シリアとパレスチナのお母さんの味

          2019年10月 アズハル

          友人たちが北東部で何が起きているのか、尋ねてくる。 北東部は、もともとアル・ジャジーラと呼ばれていた。川に囲まれていることからも分かるように、島という意味だ。ロジャバと呼ぶのは、西クルディスタンという意味で、ナショナリストのクルド人が呼ぶ新しい言葉だ。 この地域は、アラブ人、アッシリア人、シリア正教の人々(Syriac)、アルメニア人、そしてクルド人。クルド人だけじゃない、でも、大多数は60年代以降シリア政府によって、クルド語での学びを奪られ、制度的に差別されてきたクルド

          2019年10月 アズハル

          ベイルートのウォールアート②

          アラブ文字のカリグラフィーを使ったアートも多い。 壁やビルに描かれると、その風景や建物全体が、ひとつの作品のように見える。

          ベイルートのウォールアート②

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          ベイルートのウォールアート①

          ベイルートのウォールアート①

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          2019年 アズハル

          今度の連邦選挙の準備をしていたら、心が折れた。 第一に、僕は今まで、選挙で選ばれたことがない。 第二に、ここでは僕は、投票ができない。 (写真 レバノン・ベイルート シリア難民キャンプをテーマにした展示 2018年 筆者撮影)

          2019年 アズハル

          2019年 アズハル

          2019年3月 シリア政府の戦争犯罪を問う、いいニュースだ。 でも難しいと思う。スーダンのバシールを考えてごらん。 彼らはいまだ国のトップだ。 妻が妊娠したんだ。双子だよ。新しい仕事もはじめた。 新しい家を探してる。忙しい。でもまぁまぁいいよ。 2019年5月 (ねぇ、アメリカはシリアに介入すべきだったと思う?) 勿論、かれは全ての空港を爆撃するべきだった。でも彼はイランを愛した。 オバマは、シリアとイラク、イエメンでイランを強くさせた。 シリアの人々を対価に、イランと

          2019年 アズハル