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1万人のまち、都農町に移住&起業して3年、町・会社・個人の自己評価と、これから。

2020年3月30日、東京で20年近く経営していたベンチャー企業を離れて、単身、都農町に移住。資本金100万円のまちづくり会社イツノマを設立。

東京から新型コロナウイルスを連れてきたやつ、とも揶揄されるほど最悪のタイミング。東京の送別会もなければ、都農町の歓迎会もなく、誰にも会わずひっそりと潜入して都農ライフがスタートしました。

町の人たちと対話しながら、現実的なまちづくり実務をやる気満々できたところ、緊急事態宣言。

いきなり失業の憂き目にあいながら、なんとかまる3年間経ちました。

石の上にも三年地域おこし協力隊の任期が三年とか、三年はよく節目的に使われるので、あやかって、移住&起業がどうだったのか三年総括。

町、会社、個人の3つの対象ごとに4段階で自己評価。

◎(とてもよかった)
○(まあまあよかった)
△(どちらともいえない)
×(よくなかった)

1.町に対する貢献:自己評価△

都農町に移住して、糸井重里さんのコラムから一部拝借しながら目標にしていたことがありました。

1年目に目指すのは「いてもいい人」
2年目に目指すのは「いたほうがいい人」
3年目に目指すのは「いないとこまる人」

1年目の「いてもいい人」はなんとかクリアーできたはず。これまで一度も出ていけとは言われてないので 笑。

2年目の「いたほうがいい人」も、おおむねそうなってるんじゃないかと自己評価(勘違いだったらごめんなさい)

3年目の「いないとこまる人」はまだまだ。

やれることはいろいろやってみました。

特に意識したのは、都農町でいままでなかったものやなかったことをつくること。

①思ってたよりできなかったこと

グランドデザイン廃校活用(都農高校)道の駅の増床、都農ワイナリーのホテルなど、一番経験が多くやりたかった建築・不動産の場づくりがコロナやふるさと納税停止など外的環境も災いして、見事に着工ゼロ!

これからの3年で、挽回します!!

②思ってた通りだったこと

都農中学校の総合的学習の時間、まちづくりホステルALAについては、こうなったらいいな、と思えてた通り、もしくは以上に。町外の学生・社会人をスタディツアーで誘致する事業も含めて、自分にとってライフワークとなっています。

③思ってたよりできたこと

不謹慎ながら新型コロナウイルスの賜物だったデジタル推進が最大の誤算?ゼロカーボンについては、小中学生の選抜チーム「Green Hope」をつくって議会提言したり、商店街再生の実証実験「みちくさ市」を開催するところまでは想定していませんでした。

宮崎大学医学部から受託している、総合診療医をハブにした地域包括ケアのメディア「つのまる」は、自分が都農町に移住したかった最大の理由のひとつのテーマなのでとてもありがたく、いまもやらせてもらってます。


こうやって書けば、けっこうやった感はありますが、果たして、これで町になにかいいことがあったのか?とか、変化があったのか?とか問われたら答えはNoでしょう。

ぜんぶ、あってもいいかも、あったほうがいいかもねレベル。まだまだ必然が足りないなと実感しています。

まちづくりの一番難しいところは、顕在化している課題はごく少数、ほとんどの課題が潜在的なものということではないでしょうか。

たとえば、10年後の人口減・人口構成とか、20年後の公共施設建て替え財源のなさとか。

そのために手を打ったとしても、いま、比較的穏やかで豊かに暮らしている人たち、特にぼくらの年代以上の人にはなにも響かない。というのが正直な感想です。

もう一つの反省として、あたらしい仕事やプロジェクトをつくる、立ち上げるだけではほぼ価値がないということ。立ち上げたものを、5年、10年継続できる形に、汗かきながら運営改善していくことが必要です。

これが、そのまんま、ぼくにとってのこれからの3年目標の一つになります。

とはいえ、あたらしいコトを起こして、最初にぼくらが町から受注して根づかせていくうちに、町内外の事業者が参入してきて、町に「競争」が生まれることは、市場ができたという意味でもあるのでいいんじゃないかなと考える様にしています。

2.まちづくり会社の経営:自己評価○


2020年1月に、資本金100万円で設立した、株式会社イツノマ。当初は、ほぼ個人会社として細々やる予定でした。

ところが、新型コロナウイルスの影響によって、本業と自覚していた「場づくり」の業務がお預けに。会社生き残りにもつながっていったのですが、デジタル化を推進するために「デジタル・フレンドリー宣言」の施策提言をすることに。

町が採択、予算をつけてくれたことで、イツノマは一気にデジタル推進会社として、Wanedlyをはじめ必死に採用。

地方移住が一つのトレンドみたいになってて、それこそどさくさでメディアにも掲載されたり、よかったのかよくなかったのか、いまだによくわからない感じでしたが、結果的に、会社経営にはあまり関係のない事象だったなと。。

都農町という1万人の過疎地で、会社はできたてで得体の知れないベンチャー。こんな組み合わせで、本当によくきてくれたなと、社員の人たちには感謝しかありません。

ただし、定着するのはやはり難しく、人材の流出流入が比較的、短期で起きてきました。

あとは、ベンチャーあるあるで、ちょうど昨年のいまごろ資金繰で冷や汗をかいたり、つねに経営が不安定なことは現在進行形の課題(慣れたけど)

この3年間の会社の経営を振り返れば、「人からはじまる、まちづくり」というミッションでもありビジョンでもある経営理念をまさに体現していたなとつくづく思います。

いまは、まちづくりの委託事業と、直営のホステル事業を両輪に、全員で企画して、営業して、運営するカタチに落ち着いています。

社員3名は26歳が最年長、あとは25歳の新卒、20歳の新卒3年目という、超若い会社!

いまは大変だけど、この先は可能性しかないと信じてます。

明日は、2年ぶりの新卒を迎える入社式やります!楽しみ。

3.個人の生活:自己評価◎

町に対する貢献や会社の経営がもうひとつ成果が出ていないながら、個人の生活は間違いなく◎、移住してとってもよかったです。

移住早々書いたnoteでもすでにその萌芽はありましたが。

毎日、家から畑越しに海が見えたり5,000㎡(使えてないけど)の土いじりに没頭したり愛犬と毎日海まで散歩、などなど、日々充実してます。

自宅がオフィス兼ホステルのため、ほぼ在宅しごとで、夜は全国から面白い人たちがんホステルに泊まっているので、地元の若い人との交流につながったり、刺激的で学びも多い毎日です。

往復2時間の通勤時間がなくなったことは本当にデカイです。
かつ、都農町の場合、超コンパクトタウンなので、役場や銀行をはじめ車で10分ですべて用が足ります。ガソリン代も軽自動車なのでさほどかからず。

いままで、やる気もおきなかった植栽の水やりや、花壇の花殻つみまで、のんびりできる余裕ができました。

移住以前からお仕事させていただいていた都農町の人たちや、東京からきてくれて久しぶりに再会した友人たちからも、「顔つきがよくなった」と言われること多数。

それだけ以前の人相が悪かったのか、、笑。それだけストレスフルだったのでしょう。


ということで、町は△会社は○個人は◎が3年間の自己評価。

町や会社を◎にしていかなきゃなんですが。。
一人の町民として満足度が高いということは、これからのまちづくりにとって一番重要だと思うので、順番としてはまずはよいんじゃないかと。

自分がいいと思ってないまちづくりほどつまらないし、町のためにもならないでしょうから。

明日の入社式から、イツノマ第2創業期として、またあたらしいコトをどんどん起こせるよう、がんばります!

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