【絵本】『ぜったいにおしちゃダメ?』
子どもって
なぜボタンを押したがるのでしょう?
なぜ「ダメ」と言われてもやってしまうのでしょう?
何だろう?という好奇心、
ボタンを押したときの感覚の楽しさ、
何かが起こるかもしれないという期待感…
そんなものがあるのかもしれません。
そこにボタンがあれば反射的に人指し指が動いてしまうのが子ども(というか、うちの息子)なのです。
息子がまだ善悪の分別がつかない頃。
リモコン、エレベーター、自動販売機、横断歩道信号機のボタンなど、そのとき必要でないものまでボタンとあれば何でも押したがって大変でした。
そして今でも。
さすがになんでもかんでもボタンを押すことはしませんが、エレベーターに乗るときやボタン式信号機の横断歩道を渡るときなど、「あ!おれが押す!」と押したがります。
たとえ「ダメ」と禁止されても。
絵本『ぜったいにおしちゃダメ?』
『ぜったいにおしちゃダメ?』という絵本があります。
登場するのは、赤いボタンと物語の案内人・モンスターのラリー。
この絵本のルールは、ページ内の「ボタンをおしちゃダメ」「ボタンのことをかんがえてもダメ」ということ。
ダメと言われるとしたくなるのが子ども心。
好奇心旺盛な息子は、ダメと言われてももちろんボタンを押していました。(むしろ良いとかダメとか言われる前に押してる)
「ダメ」と言いつつ「だれもみてないから ちょっとだけおしちゃいなよ おしちゃおうか? おしちゃおう!」と煽るラリー。
ボタンを押すと、ラリーの体の色が変わったり、水玉模様になったり、ラリーが増えたり!
次々に変化していくラリーを見て息子は大喜びしていました。
レビューサイトで他の方の感想を読むと、
「絶対に押そうとしなかった」
「親が押そうとすると『ダメ』と言った」
というお子さんもいて。
子どもによって反応がさまざさなのもおもしろいなぁ。
***
この絵本、いろんなバージョンがあります。
『ぜったいにおしちゃダメ?ラリーとどうぶつ』
『ぜったいにおしちゃダメ?ラリーとおばけ』
『ぜったいにおしちゃダメ?ラリーのたんじょうびケーキ』
『ぜったいにさわっちゃダメ?』
絵本をこすったり、回したり、バタバタしたり、ロボットや恐竜の真似をしたり。
押す以外の動きのバリエーションが楽しめます。
『ぜったいにあけちゃダメ?ラリーのクリスマス』
クリスマスシーズンの今の時期にぴったりの絵本。
「ぜったいにあけちゃダメ」なプレゼントボックスを開けるとそこには…?
どの絵本も、窓を開けたり飛び出したりするような立体的な仕掛けがないにもかかわらず、お話の展開だけでわくわくさせるのがすごい!
禁止されるとやりたくなる「カリギュラ効果」とは?
人がある事柄について禁止や制限をされると、かえって欲求が高まる心理現象のことを「カリギュラ効果」といいます。
由来は、1980年のイタリア・アメリカ合作映画『カリギュラ』。
暴君として知られるローマ皇帝・カリグラを題材とした歴史映画で、過激な内容のためアメリカではボストンなどの一部地域で公開禁止になったことからかえって世間の話題を惹いた、ということにちなんで生まれた語だそう。(参考:Wikipedia)
人は本来自分自身が自由に決められるはずの行動を禁止・制限されると、フラストレーションが溜まる。
それを解消し、自由に好奇心や欲求を満たすために、禁止・制限されたことに抗う行動に出てしまう。
それがカリギュラ効果の心理メカニズムです。
(カリギュラ効果は「心理的リアクタンス」の一種。心理的リアクタンスには、「やるな」と言われるとやりたくなる現象と共に「やりなさい」と言われるやりたくなくなる現象も含まれます)
『ぜったいにおしちゃダメ?』を読んで、まさにこの心理現象をうまく活かした絵本だなぁと、カリギュラ効果を思い出したのでした。
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子どもの、ボタンを押したい気持ちや「やっちゃダメ」に反発したい気持ちを叶えて、わくわくさせてくれる参加型絵本『ぜったいおしちゃダメ?』シリーズ。
ぜったいに読んじゃダメ…ではなく、是非親子で読んでお子さんの反応をお楽しみください♪
書誌情報
『ぜったいにおしちゃダメ』
作:ビル・コッター
出版社:サンクチュアリ出版
発行年:2017年
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