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文章力を上げよう#1(わかりやすい文章の書き方〜7つのポイント)

私は、新たにnoteをはじめた人や、社会人になるなど生活環境が新たなステージに踏み出した人の記事を読むのが好きだ。前向きな気持ちや、不安な気持ちの揺れ動きにリアリティを感じるからだ。

そんな中、先日「メールや文書の書き方がわからない」という記事を見つけた。私自身未だに日々悩んでおり、また文章も決して上手い方ではないが、かつて自分も通った道であり、懐かしい気持ちになったこともあり、この記事を書くことにした。

1.文章の体裁を整えるのに苦労した思い出

もちろん内容や相手にもよるが、メールや文書の作成には思いのほか時間が掛かるものだ。特に新人のころは、体裁を整えるにも時間が掛かる。メール文頭の「いつもお世話になります」、「大変お世話になっております」のどっちにすべき?、そもそも挨拶は不要?とか、新人のころはそんなことでも悩んだ。こんな調子なので、メールを一通打つだけで緊張するし、疲れていた。

どうやって克服するのが良いのか。企業、職場によって多種多様な文書作成ルールがあるが、一番手っ取り早いのは、職場の先輩のスタイルを丸パクリすることだ。大企業であれば『文書作成マニュアル』なるものがあることも多いので、さっさと読んで、覚えてしまうのが良い。これだけで、メールや社内文書の体裁を整える際に発生する、ムダな時間やストレスが大きく軽減される。体裁に細かい上司が職場にいる場合、体裁が整っているだけで好印象を抱かれることもある。

(私の場合、似たような悩みがその後も続いた。英文でメールを書くようになったときに、文末を”thanks”をするのか、それだとカジュアル過ぎる気がするし”best regards”にすべきか?とか、”thank you in advance for your cooperation”だと押しつけガマシイかな?とか悩んだ。今は中国語でメールを打つようになり、今度は宛名をどうすべきか迷ったりする。こういう些事からは逃げられないのだ。)

なんとなく体裁が整えられるようになったら、次は伝わりやすく、わかりやすい文章を書けるようになりたい。次項では、わかりやすい文章にするポイントを、7つに絞って紹介する。

2.読みやすい、わかりやすい文章の書き方

私は、私自身の稟議書、企画書の作成の他、最近では中国人スタッフが作成した文書を添削する機会も多い。ここでは私自身がわかりやすい文書を作成するために心掛けていること、添削する際に指導しているポイントを紹介したい。

なお、noteを書く際には(一部のTips系の記事を除いて)敢えてこだわらずに書いている。読みやすい文章は、必ずしも読ませる文章ではないからだ。ここではビジネス文書を念頭に「読みやすい、わかりやすい文章=斜め読みでも内容が頭に入ってくる文章」と定義したうえで、ルール、コツを紹介する。有名なものも多いとおもう。

①1センテンス80字以内

長い文章は、主語・述語、修飾語・被修飾語の関係が捉えにくくなり、誤読を招く恐れもある。(内容はさておき)文章のお手本として名高い朝日新聞の天声人語は30~40字らしい。

文筆家の文章などは長いことも多い。明治~昭和の文豪たちの文章を見ていると1センテンスで150字を越えているものも多い。それにも関わらず読みやすい。ただ、これは文筆家というプロだからできるものであって、超長文かつ読みやすい文章を書くのは、素人には至難の業であると思った方が良い。
(ちなみに、訴状、答弁書、判決文などの法律文書は400字を超えることも多いが、法律文書という特性ゆえのものだ。論理構成はしっかりしていてもアレだけ長い文章は、一般人には読みにくいだろう)

②二重否定を使わない

ビジネス文書では二重否定を使わないことをおススメする。3つを読み比べて欲しい。やはり一番下が頭にすんなり入ってくると思う。
×「日本の出生率は低くないとは言えない」
×「日本の出生率は高いとは言えない」
○「日本の出生率は低い」

③主語と述語を近づける/むやみに主語を省略しない

主語と述語が離れていると、読み手にフラストレーションが溜めやすい。省略しても自明な場合ならまだしも、特に読み手にとって初見の内容の場合、省略のし過ぎに注意。

③修飾語と被修飾語を近づける。

修飾語は可能な限り、被修飾語の直前に持ってくることが望ましい。その修飾語が、何を修飾しているのかわからず、場合によっては誤読を誘う恐れがある。
×「高齢者向けの従来のものよりフォントサイズの大きい取扱説明書を作成する」
○「従来のものより大きいサイズのフォントで高齢者向けの取扱説明書を作成する」
「高齢者向けの」「取扱説明書」である。

④助詞「は」と「が」の使い分け

既知の情報を伝えるときは「は」、新しい情報を伝えるときは「が」と覚えておくのが良いと思う。このルールを知るまで、使い分けに常に迷っていた(「先週末天気は良かった」「嵐近づいている」)。

「の」「も」を、3回以上繰り返し使わないルールは、一般にも定着していると思う。×「私のカバンの中のプロテインの~」

⑤接続詞「そして」「~が」をむやみに使わない

×「吾輩は猫である、名前はまだ無い。そしてどこで生れたかとんと見当がつかぬ。」
○「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」

⑥あいまいな言葉を使用しない

ビジネス文書では「著しく」、「参加するのもやぶさかではない」、「一定理解できる」など、程度があいまいな言葉の使用は避けた方が良い。「著しく」と言われてもどの程度か分からないので、「前年に比べて30%増加」など、具体的な表現を使用した方が良い

⑦漢字とひらがなのバランス

一般的には、漢字3:ひらがな7くらいが良いと言われている。漢字、ひらがな、カタカナをバランス良く使用し、メリハリの効いた文書を作りたい。これは慣れの部分が大きいように思う。
「事」「こと」、「時」「とき」、「物」「もの」意識的に使いわけよう。

私は社会人2年目の頃、重厚感、フォーマル感があると思い、熟語で固められた稟議書を量産していた。当時の上司には何も言われなかったが、その後新しい上司から「漢文でも書いてるのか?作家のつもりか?」と言われ、部下、後輩からは「けいさんの文章、格好良いのですが、意味がよくわかりません」と言われるという苦い経験をした。それ以降、読み手にとってわかりやすい文章を書くことを意識するようになった。

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今回は「わかりやすい文章」にするコツについて、ポイントを7つに絞って紹介しました。需要がありそうであれば、続編として「説得力がある文章」にするコツについても整理したいと思います。

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ではでは。

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