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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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2020年11月の記事一覧

さん付け呼びの是非(2)

以前の投稿で、「さん付け呼びの是非」というタイトルで、ある企業様の事例を取り上げました。社内で役職者に対して役職名呼びするのをやめ、さん付け呼びすることをルール化したというお話でした。 https://note.com/fujimotomasao/n/n529592165d5b 先日、同社様から関連する追加情報をいただきましたので、このテーマを再度取り上げてみます。 同社様では、「本田宗一郎氏は、仕事の前ではみんな平等、と言った。自社もそうでありたい。仕事の前でみんな平等で

熾火のような理念をつくる「弾み車」の概念

わが家は薪ストーブを使ってます。 寒くなってきて、今シーズン初めて薪ストーブをつけました。火をおこす際には、新聞などから始めて、小枝や小さな薪などに引火させていきます。徐々に入れる薪を大きくして行って、ストーブ内で太い薪が数本燃えるようになればもう大丈夫。ここまで大体30分くらいです。さらに1時間もすると、炎が収まり、熾火(おきび)に変わっていきます。熾火は燃えさかる炎よりも温度が低いと思われがちですが、実は最も高温の状態です。この状態になるとじんわりとした暖かさが体を包んで

オフィス出社は不要か

先日、ある企業様を訪問する機会がありました。いわゆるIT関連企業です。同社社長にお聞きしたテレワークに関するお話が示唆的でした。 同社様では、「週1日」のテレワークをルールにしているそうです。 テレワーク導入のきっかけになったのは、やはりコロナ禍を契機とした環境の変化です。また、単に就業場所を移すというわけでなく、週に1日分はオフィス以外でできる仕事を集約し、テレワーク環境下で集中的にその仕事を進めることで生産性を高める狙いです。 ただし、週2日以上のテレワークは基本的に

評価とは、「共通の目的」に向かう「協働の意欲」を高めるための「コミュニケーション」である

先日、戦略人事マネジメントの講義をしたところ、こんな質問がありました。 当社では「女性の活躍の場を作る」と経営層から話が出たが、女性社員の多くは引き気味。「あの男性営業マンより私の方が、がんばって日常の受発注業務をしているのに評価されない。その上、女性の活躍の場を作ると言っても割が合わない」という声がある。どうしたものか という内容です。詳しく聞いてみると、そもそも人事評価制度が不透明で、何をどうしたら評価されるのか定まっていないというお話でした。 感謝のない評価からは

人・組織・経営の最前線(2)

前回のコラムでは、「日本の人事部」が主催する「HRカンファレンス」に参加して感じたことをテーマに取り上げました。「人・組織・経営」についての最前線の事例や考え方に触れ、全体感としての印象を下記3点挙げました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n483a4e67541a 1.コロナ禍の環境における新常態を前提とする 2.ベンダーとの積極的な協業を目指す 3.各メンバー・チームが果たすべき機能を極めていく 今日は、その続きです。 4.経営者

人・組織・経営の最前線

先週から今週にわたって、「日本の人事部」が主催する「HRカンファレンス」が開催されています。計5日間で数十の講演・ディスカッションのプログラムがあり、そのすべてへの参加は困難ですが、私も一部プログラムに参加しました。 「カンファレンス」は、会議・協議会・相談・協議・連盟などの意味合いがあります。日本の人事部によると、HRカンファレンスは「多くの人が集まり、一つのことについて話し合い、方向性を見出す場。日本の「人・組織・経営」について、多くの経営者、管理職、人事担当者が集い、

To-Doではなく、To-Beのためのマニュアル

いま、マニュアル作成のお手伝いをしています。OJTで人を育てている会社さんです。プロジェクトを進めているうちに、ただの手続きマニュアルではなく、自分たちらしい仕事のあり方を再定義する、といったものになりつつあります。お客様の仕事内容はあまり詳しく書けないですが、ざっくりいうと心理系のリハビリをやっています。お話を伺っていると、課題解決の主体はクライエントであるという考えを大切にしていることが伝わってきます。これは、手間がかかるだろうなと直観的に思いました。ただ、そこに彼ら、彼

フィードバックする側の姿勢

夏以降、力を入れて減量に取り組んできました。3か月間で約10キロの減量です。そのこともあって、時々「痩せましたね」とお声がけいただくことがあります。お声がけはすべてとてもありがたくうれしいのですが、その中でも言われてひときわうれしい人物がいることに気が付きました。 その方と他の方とで何が違うのだろうと考えたところ、次のような要素が当てはまりそうだという考えに至りました。 ・普段から、事実に基づいて話す人であること 事実と意見を切り分けて話すということです。客観的な事象であ

センスメイキング ~手を動かして語り、違いを認め合うから腹落ちできる~

昨日は久しぶりに、模造紙とふせんを使ってのワークショップでした。 とある会社の新年度のキックオフです。他の会社さんより、ちょっと早めなんですね。マスク着用、手洗い励行、窓は開けっぱなし…という状態です。ここのところ、暑いくらいなのでかえって良かったです。部屋中の壁を模造紙とふせん紙で埋め尽くしました。 手を動かし、考えることで解釈が深まるこうしたキックオフセッションは数多くファシリテーションしていますが、「こればっかりやっていたい」と思うくらい、ワクワクするし、気づきの多い

資質を活かす(3)

前回までの投稿で、ある経営者Aさんを事例として、「ストレングスファインダー(ギャラップ社)」の活用方法について考えました。Aさんの「指令性」資質を前面に出した強い「指示型」リーダーシップが、10年前当時のトップダウンが必要とされていた環境にマッチしていたのであろうということについて考えました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n604b0d28f321 Aさんが今目指しているリーダーシップスタイルは、前回取り上げたパス・ゴール理論で言うと主

資質を活かす(2)

前回の投稿では、ある経営者Aさんを事例として、「ストレングスファインダー(ギャラップ社)」の活用方法について考えました。自社や社員の置かれた環境を踏まえて、自身のリーダーシップの発揮の仕方を調整したということ、「指令性」等の資質に着目すればより有効な発揮の仕方を考えられたかもしれないというお話でした。 https://note.com/fujimotomasao/n/n3fc914b8c218 リーダーシップ理論の中に、SL理論(Situational Leadership

資質を活かす

先週木曜~金曜にかけては、ある企業様で「ストレングスファインダー」を活用したストレングスコーチング、そして所属先の小宮コンサルタンツにて企画した「ストレングスセミナー」を実施しました。そして夜には、知人の主催するストレングスファインダー勉強会にも参加していました。2日間集中して、強みの発見・活用というテーマで経営・組織マネジメント・セルフマネジメントについて考える、貴重な機会でした。 本コラムでも時々取り上げる「ストレングスファインダー(ギャラップ社)」は、34の資質を手掛

ココロの盲点とビジネスチャンス

突然ですが、クイズです。 突然に雨が降り出しました。 職場の傘立てを見たら、なんと、いつもの私のビニール傘がありません。 このとき、どちらの推測をする人が多いでしょうか。 1.誰かが持って行ったかな 2.どこかに置き忘れたかな いかがでしたか? 多くの人は、「1.誰かが持って行ったかな」と考えるそうです。 出典は池谷裕二さんのこちらの本です。 上述のクイズの解説にはこんなことが書かれています。 責任は自分でなく、他人にあると考えたほうがストレスが少なくてすみます。

間接部門への異動(2)

前回のコラムでは、総務部門に異動となるAさんへ、社内の組織・社員に対してマーケティングの視点で総務部業務に取り組んでみてはどうかと私がお伝えしたという話を取り上げました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n4af376428697 前回のコラムの末尾で、下記の問題を投げかけました(再掲)。 <問題(設問)> データセンター事業等を展開する企業(いわゆるIT関連企業)での事例。同社では中途採用のIT技術者を多数抱えるが、まとまった休みがとり