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フィードバックする側の姿勢

夏以降、力を入れて減量に取り組んできました。3か月間で約10キロの減量です。そのこともあって、時々「痩せましたね」とお声がけいただくことがあります。お声がけはすべてとてもありがたくうれしいのですが、その中でも言われてひときわうれしい人物がいることに気が付きました。

その方と他の方とで何が違うのだろうと考えたところ、次のような要素が当てはまりそうだという考えに至りました。

・普段から、事実に基づいて話す人であること
事実と意見を切り分けて話すということです。客観的な事象である事実なのか、「私はこう感じました」という主観的な事実なのか、見た事実や感じた事実から「だから私はこう考えます」という意見なのか。

こうした切り分けをして話す傾向のある人から、「客観的な事実として痩せたように見える」と言われると、実際にそうなのだろうと思えます。普段こうした切り分けをしない傾向の話し手から言われると、「うれしいが事実だろうか?」とハテナがよぎるかもしれません。

・よく観察している人であること
上記にも関連しますが、普段からいろいろなことをよく観察して、的確な発見・気づきを提起している人から言われると、やはりもっともらしく聞こえます。以前、私が増量局面にある時に「痩せましたか」と言ってくれた人がいますが、「観察していないな」と思ってしまいます。同じ人から今回「痩せましたか」と言われても、どうしても額面通りには受け取りづらくなります。

・言及する内容が具体的であること
上記にも関連しますが、「顎が以前は○○だったけど、今は△△・・・」「服の見た目が以前より・・・」など、何がどのように変化したのか具体的に言われると、「ああ、そうなのか」となります。

他方、天気の話やニュースの話題など、アイスブレークのオープニングトークをよくする人から、ばくっと「痩せましたね」と全体感のコメントを聞いて、すぐにその後別の話題に移ってしまうなどだと、「世間話の一環として触れただけで、実際そうではないかも」と感じてしまいます。

・「正当な」人であること
「部下に指導やフィードバックをする人にはどんな心構えが求められるか?」ともし聞かれた時、私は最も大切な要件をひとつ挙げるとしたら、「普段から正当な人と思われる言動」だと答えます。例えばgoo辞書では、「正当」について以下の通り説明されています。

1 道理にかなっていて正しいこと。また、法規にかなっていること。また、そのさま。
2 実直なこと。また、そのさま。

ハラスメントにあふれた人は正当な上司ではありません。「ルールや決めたことを守れ」と言っておきながら、自分がルールや決めたことを守っていない上司も、部下にとっては正当な人ではないでしょう。その上で、どんな立派な人でも意見や判断の間違い、言い方がよくなかった、などはあるでしょう。それに気づいた時に、誠実で素直に間違いを認めて頭を下げて行動変容しようとする実直さも必要でしょう。

普段の基本的な言動・振る舞いが道理にかなっていて、ルールを守り、言行が一致していて、実直な人から「痩せてきたね」とフィードバックを受けると、やはり真実味が高まります。

これらの要件を満たしているからこそ、いざという時のフィードバックも響くのだと考えました。言われてひときわうれしい人物は、これらの要件が突出してすべて満たされているように思います。私などはまだまだ足りませんが、、見習いたい点だと、この出来事を通して感じた次第です。

<まとめ>
フィードバックはやり方の技法も大切だが、普段からの姿勢がより重要。


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