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老子で創詩

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老子はつかみどころがない。首根っ子をつかまえて実体を見極めることができない。そのつかみどころのなさが老子の魅力である。だからこそ多くの人々が老子に心惹かれ、読み、語り、考えてきた…
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53日間の御礼 あとがきに変えて

おかげ様で連続投稿53日になりました。予定して『老子と創詩』52本が終わり、きょうのあとがき…

城取一成
1年前
10

テーマ7.人間を考える

最後のテーマ名をどうするか、正直に言うとかなり悩んだ。 最終的に「人間を考える」と付けた…

城取一成
1年前
4

混沌の力

神話が語る原初の世界は混沌であった。 あらゆるものは、混沌から生まれた。 聖書に刻まれた…

城取一成
1年前
4

女性の力

私達は母の胎内から生まれ出たが 胎内にいた記憶を何ひとつ持っていない。 しかしながら 子供…

城取一成
1年前
3

広く、遠く、遍く

陽光は善人にも悪人にも 分け隔てなくふりそそぐ。 雨粒は富める者にも貧する者にも 分け隔て…

城取一成
1年前
7

大いなるものへの憧憬

夜空に輝く星々をつぶさに見つめても それが動いていることはわからない。 ぽとぽとと落ちる…

城取一成
1年前
5

セルフマネジメントの難しさ

人間の五感は外に向けて開かれている。 目で見て、手で触れて 相手が何者かを理解することができる。 一方で、自分を知ることはやっかいである。 自分の姿を見ることはできない 自分に触れることはできない 五感を使って 自分を理解することが出来ない。 人間同士の戦いは、半分が勝者である。 勝者が強いとするならば 半分の人間は強者ということになる。 一方で、自分との戦いはやっかいである。 勝ったはずなのに敗者はいない 敗けたと思っても勝者はいない 勝負の結果をもって 強者か否かは

達人の領域

ほんとうに嬉しい時、喜びは言葉にならない 心の底からつらい時、哀しみは言葉にならない 真理…

城取一成
1年前
3

強さの裏側にある弱さ

力づくの天下取りを仕掛けた信長は 高転びに転んだ。 英才を集めたはずの陸軍参謀本部が 日本…

城取一成
1年前
8

断裂が引き起こす悲劇

「五千人殺せばインパールは落とせる」 作戦参謀はそう豪語したという。 五千人は敵兵の死者で…

城取一成
1年前
9

テーマ6.逆説の妙

老子はいわゆる一言居士、悪い言い方をすればへそ曲がりで、付き合う相手としては、やっかいな…

城取一成
1年前
6

逆境の意味

怪我の功名、回り道の出会い、負けて勝つ。 無駄や失敗にも、実は意味があるということを教え…

城取一成
1年前
9

柔弱は剛強に勝つ

人は高く飛び上がる時に 身体を屈めて強く大地を蹴る それはどういうことか。 大地に加えた力…

城取一成
1年前
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天の道理と人の道理

「たまたま運に恵まれただけです」 と人はよく言う。 人生の運の量は決まっており いつか自分にも逆風が吹くことを知っているからだろう。 天の道理には、必ずバランスが働く。 よいことの後には悪いことがある。 「やればやっただけ評価されるべきである」 とよく言われる。 成果に見合う報酬があるのは当然で、努力は報われなければならないと思っているからだろう。 人の道理では、成功は努力の結果であるとする。 天の道理を忘れ、人の道理だけで突っ走ると 社会は転覆する。 人の道理が天