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テーマ6.逆説の妙

老子はいわゆる一言居士、悪い言い方をすればへそ曲がりで、付き合う相手としては、やっかいな人物だったかもしれない。

しかし、ただの変人ではなかったようだ。
社会通念上の常識と正反対のことを言っているようにみえて、実は一面の真理を言い表している表現が多い。逆説の名人である。

ここでは、老子の「逆説の妙」を味わうのにふさわしい八つの章を選んでみた。

改めて読み返してみると、老子の妙味に唸らされつつも、いまも昔も、人間社会を支配する定説は、老子の言っていることとは反対であることに苛立っている自分に気づく。

その苛立ちは自分に向けられたもので、老子の「逆説の妙」に感心するだけで、実は自分も定説の側に身を置いている一人ではないかという忸怩たる思いである。

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